Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

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未来を変えるか?「塗って焼く」太陽電池

2011-02-09 18:33:42 | Technology

家庭用太陽電池が急速に普及しているみたいですね。屋根を見上げると、所々に黒っぽいパネルが乗っかっています。

設置した後はCO2を一切出さず、ランニングコストもほとんどかからない太陽電池。太陽光さえあれば発電し続けられるその性質から、次世代エネルギーとして大きく注目されているところです。
ただ、今も昔も変わらない問題なのが、その製造コスト。いくらクリーンで低コストなエネルギー供給源とは言え、製造コスト故に初期導入費用が高く付くとなると、なかなか採用まで至らないのが悩みどころです。

ところが、その製造コストを大幅に引き下げることが出来る新技術が発表されたのです。

コスト3分の1「塗る」太陽電池 北陸先端大・JSRなど 日本経済新聞

開発したのは、汎用品として普及しているアモルファスシリコン太陽電池の新しい製造技術。高分子のシリコン水素化合物を有機溶媒で溶かして3種類のインクを作った。ガラス基板の表面に3種類のインクを塗り、セ氏400度で加熱すれば太陽電池になる。現段階では太陽光を電気に変える変換効率が低く、今後改良を加える。

液体シリコンを塗ったあと、表面を焼いてやれば太陽電池が出来ると言うのですから、実に画期的。製造設備の簡略化や原料使用量を低減出来るようですが、製造設備の大規模化にも寄与しそうですね。

多少変換効率が悪くても、例えばこういう大規模発電施設を作る場合、十分に面積を使うことでカバーできる場合もあると思う訳ですよ。洋上に浮かべてみるとか、砂漠に敷き詰めてみるとか、効率よりもむしろ生産能力とコストを武器に、そういう用途に使っていけないものでしょうか。

資源が乏しいと言われている日本ですが、有り余る海洋面積と、降り注ぐ太陽光を資源に変えることが出来る可能性のある今回の技術。個人的には期待しています。