■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編3-45 PDCAの代表的な変形 2種紹介
多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。
世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。
ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。
管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。
ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。
エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。
「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。
では、「あたり前」とは、なんでしょうか?
「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。
あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。
1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。
■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方
本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。
筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。
管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。
「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。
難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。
管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。
管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。
温かい管理とは https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f
ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。
知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。
■ 第2部3章 【管理編】 プロの管理職のための”新たな”PDCAと活用法
これまで第2章として、ホンモノのリーダーシップについてお話して参りました。
そのリーダーシップと不可分にあるのがPDCAです。
「いまさら、PDCAについて学ぼうとする人間なんていないよ」
「もう、PDCAは古い!」
このような声を聞くような時代になりました。それほど、PDCAが言い古されてきているのです。しかし、本当にPDCAが実行されているのでしょうか。そして、PDCAの効果が出ているのでしょうか。
多くの方が、知識として知っていても、実行に移せていない人が多いのが「PDCA」です。
一方で、「PDCAを常に意識しています」、という人もいます。ところが、本当にPDCAにより効果を上げられているのでしょうか?大半の方が、「効果を上げている”つもり”」であって、実際には、PDCAが適正に実行されていないがために、機会損失を起こしているのです。
正しいPDCAとは何か?
正しいPDCAの使い方とは?
謙虚に、再度、PDCAに取り組んでみては如何でしょうか。あなたのPDCAとは違ったPDCAがあるかもしれません。
■ 3-45 PDCAの代表的な変形
これまで、日科技連の品質管理用に発表していましたPDCAを、経営管理に転用するようになってから、日常的に広い分野で利用できるようにカスタマイズされてきました代表的な利用法をご紹介してきました。
時代の流れとは多少前後したり、オーバーラップしたりしますが、それ以外のPDCAの仲間をご紹介しておきます。
日本型のPDCAが定着する前には、P-D-S(See)という形があったことを紹介しました。このような三角形をしたPDCAにつきましても紹介しましたが、ここでは、PDC+s/aを紹介します。
これは、既述のように、AとPは統合し、調整とスケジュール変更を各段階で取り入れる形です。基本的には、PDCA+s/aと同じ考え方です。
AMA(American Management Association)では、アーレンのマネジメントサイクルをPDCAに相当する考え方として紹介しています。
アーレンのマネジメントサイクルでは、「計画立案(planning)」、「組織化(organizing)」、「実施(operating)」、「測定(measuring)」という、P-O-O-M型という形をとっています。
ここで重視しているのが、プロジェクトの推進では、組織活動を重視するという観点で「組織化」という要素を加えていることです。ここでもPDCAのAとPは、統合されています。すなわち、日本型のPDCAというようにAとPを独立させていない、前項のようなPDC+s/aという形と共通した考え方です。
経営管理にPDCAを援用しようとした際に、日本経営士協会では、「管理のペンタゴンサイクル」という考え方も並行して審議されました。
この考え方は、5要素により構成されていますので、「ペンタゴン(五角形:pentagon)」と呼ばれています。
その5要素と言いますのは、「計画(Plan)」、「組織化(Organization)」、「指示命令(Order)」、「統制評価(Evaluation)」、「調整(Coordination)」です。
「組織化(Organization)」や「指示命令(Order)」という要素を独立させていることからも、組織活動を重視した、いかにも経営コンサルタントらしさが盛り込まれています。
また、組織的な活動の中には、組織間や担当者同士の調整はつきものですので、評価した結果、必要なことを調整して、新しい「計画(Plan)」に繋げるという形です。
既述の通り日科技連のPDCAサイクルが日本では定着していましたので、それに準拠しつつも、経営管理という視点での重要性を勘案して、最終的に日本経営士協会では、「PDCA+s/a」という形に落ち着いたのです。
【 注 】 PDCA詳細情報
「ロジカル・シンキングがよくわかる本」(今井信行著 秀和システム刊 1,760円)の第3章5節で詳しく説明しています。
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