■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編2-35 リーダーシップを発揮するためのコミュニケーションスキルを磨く
多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。
世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。
ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。
管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。
ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。
エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。
「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。
では、「あたり前」とは、なんでしょうか?
「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。
あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。
1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。
■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方
本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。
筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。
管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。
「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。
難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。
管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。
管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。
温かい管理とは https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f
ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。
知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。
■ 第2部2章 プロ管理職のリーダーシップ
私達は、ひとりでは生きていくことはできません。社会や組織に所属して、他の人と共に力をあわせることが、近道といえます。そこに求められるのが、「リーダーシップ」です。
管理職だけではなく、ビジネスパーソンにはリーダーシップを取れることが、成功への近道であり、自己実現には不可欠といっても過言ではありません。では、ビジネス界におけるリーダーシップとはどのようなものなのでしょうか。原点に戻って、再度考え、新たな気持ちでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
■ 2-35 リーダーシップを発揮するためのコミュニケーションスキルを磨く
リーダーシップをとるために欠かせないのが、リーダーの意図が正確に相手に伝わり、最善の結果を導き出せることです。コミュニケーションにつきましては、たくさんの書籍や映像教材等が多数出てきていますので、ここでは基本的な事項のみに留めさせていただきます。
コミュニケーションがうまくとれない原因としては、指示・命令を出す、リーダー側の説明不足や言葉足らずの場合と、指示・命令を受ける側の理解力不足にある場合が多いのが実状です。
指示・命令を出す立場にいるときには、漏れがないか、重要ポイントは何か、を強く意識します。「相手の立場に立って考える」ことを、頭で理解するだけではなく、それを実践できる能力が不可欠です。言葉だけでは、意図が正確に伝わらないことが多いですので、文書やプレゼンテーション・ソフトを補助的に使ったりすべきです。
コミュニケーションは、口頭だけのスキルだけではなく、文書等の構成力や作成力も伴わなければなりません。
受ける側には、傾聴力が求められます。傾聴するときに5W1Hを常に意識して、耳を傾けます。重要事項を復唱するというのは、新入社員研修で学ぶことの一つですが、慣れてきますと、油断や驕りから、その意識が薄くなってきてしまいがちです。
リーダーのいうことが、相手に理解されないこともあります。その時には、できる限り、話し合いをすべきです。ビジネスの世界では、時間との制約もありますので、双方納得できない場合には、受ける側が、最後には譲歩して受けることになるでしょう。その場合には、いやいや取り組むのではなく、真剣に取り組む必要があります。リーダーは、それをサポートして、結果が出せるようにしなければなりません。
コミュニケーションというのは、内容だけではなく、タイミングも重要です。タイミングというのはいろいろな要素が絡み合い、一概にどのタイミングがベストかは言えません。ケース・バイ・ケースで対応せざるを得ないのです。
コミュニケーションは、さらに相手に応じたコミュニケーションの取り方も必要です。
たとえば、気が小さい人というのは、他者の反応を恐れたり、失敗しないようにとか恥ずかしいと感じたりする気持ちが多くの人より強すぎます。その結果、本来の自分の姿を、あまり人に見せません。
その様な人は、能力がなくて表現力がないわけではないのです。リーダーとその人という限られた状況の時には、相手が答えやすいように、クローズド・クエスチョンを中心に始め、ポイントにおいては話しやすいオープン・クエスチョンを投げかけます。
会議やプロジェクト・チームないでのミーティングなどでは、話しやすい雰囲気を創り出すことも必要です。気の小さい人に対しては、答えやすい上述のようにオープンやクローズドの質問を投げかけるようにしながら、次第に、雰囲気に慣れてもらうようにします。
私達、経営コンサルタントが初めてお会いする経営者・管理職と接する時には、図のようなやり方をします。参考にしてくだされば幸いです。
<続く>
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