ちびずマムのマイペースな育児・料理・翻訳日記

2007年生まれの1号くんと2010年生まれの2号くんに振り回されつつ、自分の夢もなんとか追っていきたい、ちびたちのマム

ケイト・サマースケイル『最初の刑事――ウィッチャー警部とロード・ヒル・ハウス殺人事件』

2021年08月19日 | 読んだ本(日本語)
ケイト・サマースケイル著、日暮雅通訳『最初の刑事――ウィッチャー警部とロード・ヒル・ハウス殺人事件』

5年前に買った本。ようやく読み終わりました(笑)。

1860年、ヴィクトリア朝時代の英国。のどかな村にたたずむ屋敷ロード・ヒル・ハウスの敷地で、
当主サミュエル・ケントの3歳の息子が惨殺死体で発見された。
殺されたサヴィル・ケントは施錠された屋敷内から連れ出され、屋外の使用人トイレで、
首がほとんど切断されかけた状態で発見された。

ということで、内部犯の犯行が疑われたのだが、まあ、この当主の人間関係が(笑)。
当主は最初の妻が存命中から住み込みの子守と不倫してて、妻が亡くなったら子守と再婚。
まあ、子どもが多いのなんのって。後妻の子どもを妬む前妻の子どもとか、後妻自身も
なんやら問題ありな人で。

当時は中流階級の人たちがそんなひどいことをするわけない!という偽善的な道徳観があり、
刑事なんていう労働階級の人間が中流階級のことを調べるなんてとんでもない!みたいな
ところがあったらしい。そんななか、スコットランドヤードに初めてできた刑事課の初代刑事の1人、
ジョナサン・ウィッチャーが派遣されてくる。ウィッチャーは「刑事課のプリンス」とまで
言われた凄腕刑事。

最初は誰が犯人なん!?とドキドキソワソワしながら読み進めてたのだけど、
なんか時代背景やら人物像やらの説明が長く、飽きてきてしまって4年近く放置……。
1日10ページとか決めて読み始めたら、ちょうどおもしろくなってきて、
ついに読み終わりました。

この事件が、のちの探偵小説、ウィルキー・コリンズやチャールズ・ディケンズ、コナン・ドイルなどの小説に
影響を与えたというのがおもしろい。まさにシャーロック・ホームズの世界を思わせます。