ちびずマムのマイペースな育児・料理・翻訳日記

2007年生まれの1号くんと2010年生まれの2号くんに振り回されつつ、自分の夢もなんとか追っていきたい、ちびたちのマム

南潔『質屋からすのワケあり帳簿』(上)(下)

2016年07月03日 | 読んだ本(日本語)
南潔著『質屋からすのワケあり帳簿』(上)(下)

表紙がキレイ。美しいわ~。

ってことはさておき。

不条理な理由で会社を辞めさせられた主人公・千里。公園で拾ったメガネの持ち主を、
自分の「ある能力」を使って突き止め、届けに行く。その持ち主は質屋の主人・烏島だった。
信頼していた叔父にも裏切られ、家賃のために両親の形見の結婚指輪を烏島の元に持ち込むが、
断られる(烏島は他人の不幸や欲が絡んだ品物に、普通の質屋では考えられないような
値段をつける人)。

とはいえ、烏島は鋭い観察眼で千里の能力に気づき、彼女を雇うことに。

烏島さんは千里の「所有者」だとか言っちゃったりします。が、自分の能力のせいで
両親や友人の裏切りを経験してきた千里には、むしろお金でつながる関係の方が信頼できる。

そんな彼女が、焼け焦げたペンダントにまつわる過去を「視た」ことから、事件に巻き込まれ……。

ぐいぐい押してくる年下高校生男子・宗介と、烏島さんの間で、どうなるのかな~と気になりつつ、
具体的にどちらかと、という展開にはなりません。

具体的にどちらかと、という展開を見たい気も……。

でも、(下)の最後の烏島さんとある女性のやりとりを読むと、ええ~っ、烏島さんって!?
と不思議な余韻が残ります。

細かい部分があとでキーポイントになったりします。