ちびずマムのマイペースな育児・料理・翻訳日記

2007年生まれの1号くんと2010年生まれの2号くんに振り回されつつ、自分の夢もなんとか追っていきたい、ちびたちのマム

ジェフリー・ディーヴァー『007 白紙委任状』

2016年07月01日 | 読んだ本(日本語)
ジェフリー・ディーヴァー著、池田真紀子訳『007 白紙委任状』

あの007を、なんとあのジェフリー・ディーヴァーが!

ジェフリー・ディーヴァーといえば、キング・オブ・どんでん返し(勝手に命名)。
初めて読んだリンカーン・ライムシリーズで感動しました。

読者を裏切るストーリー展開。『ボーン・コレクター』『コフィン・ダンサー』を
英語版で読みました。んでもって、『スリーピング・ドール』の英語版を
放置中(何年かかってるんやろ……)。

えー、なんなのよー、もうー、マジで~!?がちりばめられています。

それはさておき(興奮しすぎました)。

英国政府通信本部が「数千人以上の死傷者が出る」計画を記した一通の電子メールを傍受した。
その計画を阻止するために、ボンドは手がかりを追ってセルビアへ。そこで出会った殺し屋が
切れ者で、ボンドのセルビアの協力者二人も殺されちゃうし、
ほかにも関係ない人が殺されちゃうし(ちょっと殺しすぎやん)。

そんなこんなで、今度はロンドン(ここは007がミッションと同時に与えられる「白紙委任状」を
唯一持たない場所)に舞台が移る。暗号文から解読した場所には、
廃棄物処理会社が解体を請け負った施設があり、そこでもボンドは殺し屋と死闘を繰り広げる。

その廃棄物処理会社を追って、今度は南アフリカへ。風景描写が丁寧で、行ったことがないのに
風景が目に浮かびます。

んで、そこで出会った超美人。まぁ、あれですね、お約束(?)。ボンドシリーズに出てくる超美人
には裏がある(あ、ネタバレ!)。

殺し屋は本当に頭がよくて、まあ殺し屋のパートナーもだけど、スケープゴートをたくさん用意しています。
読者はそれに翻弄されつつ、ボンドの両親の死の謎も絡みつつ……。

あの映画のスピーディな展開を文字で追うのはなかなかスリリングでした。

ただ一つ。殺されたセルビア人協力者の兄が……ひどすぎる。物語を複雑にするという点では
しっかり役割を果たしているけれど、関係のない人をあんなむごい殺し方をするなんて。
それだけは嫌な感じとして心に残っています。


余談ですけど、映画ではボンドはどういう嘘の身分を用意しても、必ず「ボンド、ジェームズ・ボンド」って
名乗るじゃないですか。あれじゃ、バレるって!っていつも思ってたんですが、本作では
ちゃんと偽名を使用しています。

映画の中ではあっさり展開しちゃってることも、周到に用意されているんだな、という感じです。