ちびずマムのマイペースな育児・料理・翻訳日記

2007年生まれの1号くんと2010年生まれの2号くんに振り回されつつ、自分の夢もなんとか追っていきたい、ちびたちのマム

印税のお話

2013年11月21日 | お仕事にまつわること
予定していた仕事が入ってこなかったので、ちょっと時間ができました。
で、たまには真面目なこと(?)を書いてみようかと思います。

長男が生まれてからは仕事量が減り、疎遠になった会社もあるため、
自称翻訳者レベルの零細翻訳者になりかかっていました。なので、
幼稚園のママさんたちには仕事のことは話していませんでした(零細すぎて
恥ずかしいから(笑))。

一年ほど前から仕事が徐々に増えてきて、さらに今年から幼稚園に
二歳児教室ができたこともあり、自然な話の流れで、自宅で仕事をしている、
ということを話すようになりました。

で、書籍翻訳をしている、と言うと、「稼いでるんちゃうん?」と
訊かれるんです。それがまったくの誤解であることを、声を大にして
言いたい!

そりゃ、ハリー・●ッターとか訳せばスイスにマンション買ったりできる
んでしょうけど、私のような実務翻訳者ではそんなことはありません。

読む人の限られた文献ですので、初版時の印刷部数も少なく、重版ということも
いまだかつてありません。普段の翻訳では1ワード(もしくは1枚)×単価
で仕事をしていますが、書籍翻訳では「定価×印刷部数×一定割合の印税」
になります。

一冊訳すのに掛かった時間で報酬を割ろうものなら、とんでもないことになります。
ダンダリンがやってくるんじゃないでしょうか(笑)。

総ワード数(数えられませんけど)で割っても、ものすごくむなしいことになります
(のでやりません)。

そんなわけで、書籍翻訳をしているイコール稼いでいる、というのは誤解なのです。

じゃあ、なんでやるんでしょうね。好きだからなんですね。厄介ですね(笑)。

で、ちょっと話が逸れます。
ひところ、Kindle上陸で、出版業界に黒船が! とか騒がれました。
電子書籍作家としても印税のお話を。

こちらは「定価×実売部数×一定割合の印税」です。

新聞の社説か何かで読んだのですが、電子書籍の方が印税が高いので、
作家にとってはプラスになる、と。

私の場合も、確かに電子書籍の方が印税が高いです。が、何しろ、実売部数です。
しかも「翻訳書籍の定価>電子書籍の定価」の状況では、
結果は言わずもがな、ですね。

じゃあ、なんでやるんでしょうね。好きだからなんですね。もう本当に厄介ですね(笑)。

睡眠時間削って、納期開けはボロボロになって。それでも、少しでもいい
翻訳を、いい書籍を、と思って身を捧げるわけです。
Mでもないとやれないかもしれませんね。

もちろん、実力のある超売れっ子翻訳者さん、作家さんの場合では、
全然違うと思います。というわけで、これはすべて私の場合のお話です。
ほかの訳者さん、作家さんの事例と
異なる可能性があることをあらかじめご了承ください。