風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
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2018年秋『Touch ~孤独から愛へ』九州ツアー〔第3週〕

2018-10-21 17:01:08 | 全国巡回公演

10月10日 〈福岡県〉福翔高等学校   同校講堂
10月19日 〈熊本県〉必由館高等学校   熊本県立劇場・演劇ホール


福翔高校
これまでに4回も風の公演を観てくれている学校です。到着すると係の先生方が出迎えて下さり、講堂には約1000人が座れるベンチ席が綺麗に並べられていました。凄い迫力!明日ここに学校の皆さんが座る光景を想像して気合いが入ります。先生方は3年前の『ヘレン・ケラー』の公演をよく覚えていてくれました。


        
間口の広い舞台と客席で、どの角度からも見やすいようにと大道具のセッティングを工夫して
いよいよ開場です!
以前にも公演でお世話になっている担当の先生が想いのこもったお話をして下さり、客席からの熱気に包まれて公演が始まりました。
兄弟2人のやり取りに楽しそうな笑いが起こったり、ハロルドが登場してからの展開に驚きの声が上がったり…。学校の講堂で演劇を観ることを心から楽しんでいる様子が舞台裏まで伝わってきました

 



公演後には演劇部の皆さんが舞台見学を行いました。地図、本、酒瓶、赤い靴など、小道具の一つ一つに興味津々。二階屋の上はどうなってるんだろう⁉︎ と目を輝かせている生徒さんの様子にこちらも嬉しくなります。
その後、演劇部の女子生徒さんたちが劇団員に混じって一生懸命片付けを手伝う姿を見て、バトミントン部、バスケ部などの生徒さんたちが駆けつけてくれました。
重い荷物は任せろ、と頑張ってくれる生徒さんたちはとても頼もしく、演劇部の皆さんも嬉しそうでした。トラックの中で出演者の佐野、佐藤と一緒に頑張ってくれた生徒さんもいました。本当に助かりました。皆さん、ありがとうございました!


 

 


必由館高校
生徒数1000人を超える大きい学校です。熊本の震災後は学校の体育館が使えない時期もあり行事の実施が大変だったと聞いています。今回は県立劇場・演劇ホールでの公演が実現したことをとても嬉しく思います。私たち風の公演は14年ぶりの久しぶりの公演です。
この日は隣の音楽ホールでも市内の高校が鑑賞行事を行なっており、開場前のロビーは大賑わいでした。いよいよ生徒の皆さんが入場すると3階席まで満席になりました!


 

 

開演前の先生のお話の時は、先生の言葉一つ一つに生徒さんたちが元気に盛り上がっていました。

開演すると、意外なくらい静かに舞台を見つめている生徒さんたち。今までに見たことのない世界に驚きを持って出会っている様子でした。
カーテンコールでは代表の生徒さんが「こんなに本格的な演劇を見るのは初めてで嬉しかったです。」と挨拶をしてくれて、客席からはあたたかい拍手が送られました。

 


終演後はロビーが混雑するため速やかに退場しなければならなかったのですが、演劇部の子たちだけでも出演者と会わせてあげたいと、先生が3人の生徒さんを連れて来てくれました。ハロルド役の柳瀬が生徒さんたちと小さな座談会を行いました。



『Touch〜孤独から愛へ』は高校の巡回公演をしている風の作品の中で一番長く上演し続けている舞台です。約25年の時の中で台本を見直し、舞台装置を新しく変え、役者も代替わりしてきました。この舞台を上演し続けているのは、『Touch』がある一人の人間の経験や、心の奥深くの哀しみに突き刺さる特別な芝居だからだと思います。男ばかり3人のこの舞台を10代の頃に見て、内臓が飛び出そうなくらい泣いて生きている喜びを感じた、私もその一人です。
今、公演で一人一人の心と特別な出会いが生まれますように。旅班のメンバーの熱い気持ちを結集して、公演に向かっていきたいと思います。

文    稲葉礼恵(舞台スタッフ)