風のBLOG

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2018年 秋「ヘレン・ケラー~ひびき合う者たち」東日本・西日本巡回公演 第3週目

2018-10-06 20:56:42 | 全国巡回公演

暑さ寒さも彼岸まで。あっという間の9月を駆け抜け、朝晩の涼しさを感じるようになってきました。暦はいつの間にか10月です。
先週末の台風に戦々恐々としながら、大阪で週末を祈るように過ごしたヘレン班でしたが、無事大きな影響もなく第3週目のステージに臨むことが出来ました。

10月1日 北摂三田高校 (兵庫県) 三田市総合文化センター 郷の音ホール
10月2日 倉敷天城中学校・高校 (岡山県) 倉敷市民会館
10月3日 和気閑谷高校 (岡山県) 和気町総合福祉センター
10月4日 垂井町青少年芸術鑑賞会 (岐阜県) 垂井町文化会館
10月5日 洲本実業高校 (兵庫県) 同校体育館

今週は公共ホールでの上演が多い週となりました。

北摂三田高校

台風の影響もなく、月曜日の公演を迎えることが出来ました。今週の最初のステージは、北摂三田高校での公演となりました。
会場は三田市総合文化センター 郷の音ホール。初めて伺うホールでしたが、とても綺麗な建物、ホールでした!
当日から10月、ということもあり、開演前には北摂三田高校の後期始業式が行われました。



会場と同時にホールの客席には生徒の皆さんが続々と入場していきます。1000人ほど入る客席も生徒の皆さん、先生方、そして保護者の皆様でほぼ一杯に!



始業式ということで、全校の皆さんで校歌斉唱です。言われてみると沢山の学校には伺っていますが、一校一校の校歌って聞いたことがあまりありませんね・・・。ちょっと新鮮でした。



始業式では校長先生から生徒の皆さんへ向けて「生活にメリハリをつける事」「今まで踏み込めなかった新しいことに是非チャレンジして欲しい」といったメッセージ。芸術鑑賞会から始まる生徒の皆さんの高校生活1年の後期。充実し、素敵な時間となることを私達も願っています!



公演が始まると客席の空気はガラッと変わります。皆さん静かに、音も立てずに舞台上で起きている事柄を一生懸命捉えようと必死でした。本当に集中しているのを肌で感じました!
カーテンコールでは生徒会長さんから「自分自身初めての演劇鑑賞でしたが、この作品を見ることが出来てとても良かったです。」「自分がその場にいるような迫力を感じました!」と心のこもった感想をいただきました。素敵なメッセージ、ありがとうございます!
また、終演後のバックステージツアー(舞台見学)、座談会には演劇部の皆さん、そして希望者の皆さんが本当に沢山参加してくれました。



当日呼びかけて見学に来てくれた皆さんで舞台上が一杯に。そしてその様子を客席から見ていた先生方も徐々に舞台上へ・・・。
先生もいつの間にか見学の一員に。舞台装置のポンプの仕組みを尋ねたり、触ってみたり。生徒の皆さんと一緒に舞台裏やセット、小道具など、あらゆるものに興味津々の皆さんでした!





最後には座談会に残ってくれた皆さんと記念撮影!皆さんまたお会いしましょう!

倉敷天城中学校・高校

兵庫県三田市での公演を終え、旅班は隣の県、岡山県へ。次の日は倉敷天城中学校・高校での公演となりました。
こちらの学校も二期制を実施しているので、当日が始業式となりました。また、創立記念日でもありましたので、創立記念式典が行われました。



創立記念式典では校長先生が建学時の校長先生大塚香(鉄軒)先生の「鉄軒精神」を用いて生徒の皆さんに学校の歴史や精神をお話して下さいました。なんと高校は創立1906年!今年で112周年だそうです!



公演中は静かながらも面白い場面ではクスッとした笑いが起きたりと、リラックスして舞台を楽しんでいるように見えました。
カーテンコールでは高校の図書委員長さんから「舞台上から家族の皆さんの、ヘレンを教育していくことへの不安や怖れ、またアニーの中にあるヘレンに対する迷い、それ以上の想いを感じることが出来ました。」との真っ直ぐな感想を、そして中学校の図書委員長さんからは綺麗な花束のプレゼント!どちらもありがとうございました!

終演後には演劇部の皆さんとのバックステージツアー、座談会が行われました。舞台の上のセットだけではなく、ホールの搬入口に停まっているトラックも見学しました。公演するために必要な大道具や小道具、衣装や音響、照明機材などを隙間なく積み込んで日本全国を巡回しているトラックです。普段あまり見ることがないトラックの空の荷台を眺めたり、積込みのためのパワーゲート(昇降機)に実際に乗ってみたり、初めての経験に興味津々な様子でした。











舞台見学した後、撤去作業(バラシ)と並行して進められた座談会も笑いが絶えない、和気藹々とした会になりました。
自分たちが先程まで見ていた舞台が少しずつ解体され、トラックに積み込まれていく様子を客席から眺めたりしたこと、沢山の道具や機材に触れたこと、俳優と近い距離で話が出来たこと、どれも皆さんの大切な思い出の一つとなってくれれば嬉しいです。

和気閑谷高校

倉敷を出発したのち、同じ岡山県の和気(わけ)町へ。移動後にその日のうちに公演準備に取り掛かりました。

和気閑谷高校での公演は4度目。一番最初の公演は29年前!最近では3年前に「ハムレット」を上演しています。
前日までの2公演は大きなホールでの公演でしたが、和気町総合福祉センターのホールは約半分の客席数。
劇場空間がコンパクトに纏められていて、俳優の息遣いまで聞こえてきそうな、そんな空間でした。

和気閑谷高校での公演も創立記念行事の一環として開催されました。こちらはなんともうすぐ創立350年!を迎えるそうです。



和気町総合福祉センターと高校は目と鼻の先。皆さん徒歩で会場に移動です。行事などでよく利用しているようで、入場もスムーズでした。開場中は、客席内に設置された音響ブース・照明ブースにも生徒の皆さんの視線が。照明オペレーターの江田に声を掛けてくれたりと、和やかな時間となりました。

そして、開演。開演の合図である生徒の皆さんの拍手の音の中から、音楽、そしてアナウンスが聞こえてきます。
最初こそザワザワとした音が聞こえますが、きっと今感じているものへの反応でしょう。あっという間に静寂が広がってきます。
それでも笑ったり、驚いたりといった客席の反応はダイレクトに舞台に伝わっていきます。
またラストシーンでヘレンがポンプの水を浴びるシーンでは大きな歓声が。生徒の皆さんが五感をフルに使って公演を感じてくれいるように思いました。



終演後のバックステージツアーには演劇部の皆さんが参加してくれました。去年まで部員が2名だったのに、今年1年生が4名入部してくれたことで部全体が盛り上がっているそうです!ドアのセットから実際に出てみたり、二階部分に登って照明を浴びたり、俳優やスタッフと話をしたり、一人ひとり思い思いの場所へ行き、楽しんでくれていました。













ヘレン班と演劇部の皆さん、そして公演に際してご尽力下さった先生方との記念撮影!

公演終了後、風のHPの掲示板に早速演劇部の部長さんから素敵な感想・書き込みをいただきました。本当にありがとうございます。皆さんの一言一言が私達の明日への原動力となります。
高校生活、部活動、仲間の皆さんと共に楽しんで下さい!

垂井町青少年芸術鑑賞会

岡山県を離れて岐阜県垂井町へ。約300キロの大移動です!
垂井町青少年芸術鑑賞会では2年前にも町内の中学2・3年生を対象として「ヘレン・ケラー」を上演しています。
ちなみに2年前のブログはこちら



今回の公演では町内の小学5・6年生の皆さんをホールに招待しての公演となります。
ホール内は7つの小学校(表佐小学校・東小学校・宮代小学校・垂井小学校・府中小学校・岩手小学校・合原小学校)の5・6年生の児童の皆さんで一杯となりました。小学校以外でも交流があるのでしょう。遠くの客席にいる他の学校の児童の皆さんに向かって「おーい」と手を振る姿がアチラコチラで見られました。昨日までの会場の雰囲気と大きく違い、いい意味で力が抜けてリラックスすることが出来ました(笑)



公演中は舞台で起きる様々なことに驚いて歓声を上げたり、笑ったり、急に静まり返ったり。小学生の皆さんにしか出せない反応をダイレクトに舞台に返してくれました。私個人としては「赤ちゃんが実際に舞台上で泣いてる!どうなってるの?」という声が上がったのがこっそり嬉しかったです。



終演後には表佐小学校の尾畑校長先生が代表してご挨拶下さいました。自身の感想を交えながら、児童一人一人が持った感想を尊重し、自分が感じたままが正解だと児童の皆さんに訴えかけていらっしゃいました。素敵なメッセージをありがとうございました。





舞台見学は出来ませんでしたが、代わりにヘレン班全員でホールのロビーに出てお見送りをしました!(ある2校の校長先生も一緒にお見送りして下さいました。児童の皆さん、気が付きましたか?)
「さようなら!」と元気な声で挨拶してくれた子、言葉には出さず私達に満面の笑みを見せてくれる子、「良かったよ!」と演技を褒めてくれる子・・・。一人ひとりの顔を見ながら、手を振り、声を掛けます。最後の送迎バスが見えなくなるまでお互いに手を振り続けました。
そして最後に今回この場を設けて下さった垂井町文化会館の皆様と声を掛け合います。

「お疲れ様でした!」

また舞台の上で、いつの日にか皆さんに会えることを楽しみにしております!


洲本実業高校

洲本実業高校での公演は2度目。前回は18年前だそうです。
今週のステージでは唯一の体育館公演となりました。演劇を上演する為に設計されたホールでの上演も勿論良いのですが、体育館での上演もなかなか楽しいものです!



体育館に「ヘレン・ケラー」の舞台が設営されました!やはり体育館に入ってくる生徒さんの驚きの声を聞くと嬉しくなりますね。
そして相変わらず音響ブースを見た生徒さんからは「DJいる!DJ!」と言われます・・・。いえ、DJじゃないです・・・。でも舞台装置だけでなく音響や照明に関心を持ってもらえることはとても有り難いことです。

公演は笑いたい時に笑い、声を上げたくなったら上げ、生徒の皆さんが自由に舞台を観てくれていたように思います。それでいて最後まで集中を切らさずに良く観てくれました!
終演後すぐに演劇部の皆さんとバックステージツアー、座談会が開かれました。
部の皆さんが固まってそれぞれセットや俳優、衣装など、見学してまわっていました。皆さん仲がいいんですね!

座談会と並行しての撤去作業は沢山の部活動の皆さんが手伝ってくれました。野球部の皆さんはトラックの周りに集まってくれて、トラックの積み込みに力を貸してくれました。他の部活動の皆さんも体育館に点在するありとあらゆる道具を、俳優スタッフと共に集めたり、運んだり、ロープの片付けを手伝ってくれたり、と本当に助かりました!ありがとうございます!









積み込みが終わってから皆さんに挨拶、記念の色紙のプレゼント・・・。



からの記念写真大会!





が終わっても私達が学校を去るまでの間、沢山の生徒の皆さんがヘレン役の倉八、アニー役の高階の周りを囲んで別れを惜しんでくれました。
そして、学校の皆様から洲本実業高校の皆さんがプロデュースしたパウンドケーキ「八狸おれんじ」をプレゼントして下さいました。淡路県南部でしかされていない希少なオレンジを使用したケーキだそうです!旅班一同で美味しくいただきます!ありがとうございました!




巡回公演も3週目が終わりました。
一日一日の新しい出会いを大切にしながら、次のまだ見ぬ出会いを楽しみながら、巡回公演をこのヘレン班12名で最後まで走り抜けたいと思います。来週は島根県出雲市からのスタートです!

文:渡辺雄亮(音響)