風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
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2017年『ジャンヌ・ダルク—ジャンヌと炎』九州巡回公演 第6週目

2017-11-05 22:03:44 | 全国巡回公演
2017年『ジャンヌ・ダルク—ジャンヌと炎』九州巡回公演第6週目に入りました。

10月30日(月)熊本県 小国高校・南小国中学校・小国中学校
11月 1日(水)福岡県 小倉東高校


旅班は阿蘇・小国町へ移動、今週は2回の上演でした。

小国高校 


公演前の会場。木造のきれいな温かみのある小国高校の体育館。

小国高校、南小国中学校、小国中学校3校の合同公演で、小国高校の体育館で公演が行われました。午前公演のため前日に舞台を設営。気温もかなり低くなっていましたが、迎えてくれた小国高校のご担当の西田先生が「今日はこれでも暖かい方」と言われ、皆「エ~!」とびっくりするほど寒くなりました。
当日、学校の舞台を楽屋にしている私たちには、それぞれの学校の生徒さんが入ってくる様子が感じられ、同じ町の学校の生徒たちがどのように見るのか楽しみでした。にこやかに、ケラケラと笑う声やじっと見るまなざしの中で舞台がつくられていきました。公演後には、南小国中学校の代表の生徒さんが「生の演劇に触れ、演出、照明、音楽が迫力がありとても感動しました。これからも芸術活動というものに触れてゆきたいと思います」と、堂々と挨拶された姿に客席からも大きな拍手がありました。人によっては初めて触れたかもしれない演劇で、そのまなざしが私たちの舞台を支え、ともに創り出してくれていることを改めて実感するとともに、演劇との出会いが一人ひとりのなかで息づいていってほしいと願っています。




公演後には小国高校の1,2年生と、飛び入りで中学校のみなさんが片付けを手伝ってくれました。


生徒さんたちが帰ったあと、中学校の先生方も片付けに参加してくれました。とてもおもしろかったと、先生方も生徒さんたちと一緒になって舞台を楽しんでくれたようです。ありがとうございました!!


お手伝いいただいた先生方と。


小倉東高校


3年前に上演した『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』の色紙が、学校の廊下に額縁できれいに飾られていました。

こちらの学校では創立39周年の記念行事の中で公演が行われました。
 公演前には式典が行われ、最後に「時代が激しく変わりゆく中で、人間の質は変わらない、しかしターミネーターのような時代になっているかもしれない(会場笑)。今日上演する作品もそうですが、過去の歴史から君たちは自分自身の未来を見つめ、そして努力していって欲しい」と校長先生が挨拶されました。
 体育館に入ってくる役者たちを、元気いっぱいに迎えてくれた生徒さんたち。私たちも何かワクワクする気持ちでいっぱいでした。
 溢れる元気な笑い声のなか、芝居が進むにつれ真剣に舞台に向かい、沈黙のなかで一人ひとりが何かを捕まえようとしている姿がありました。公演後、生徒会長さんが「最初は和やかな雰囲気でしたが、迫力のある演技で作品世界に入り込み、その空間に感動しました。今日はすばらしい演劇をありがとうございました」と挨拶してくれました。
みなさん一人ひとり違う感触を持ちながら、心に受けためたことを忘れないでいてほしいと思います。




公演後にはバックステージも行われ、興奮した様子で、衣裳や人形に触れる生徒さんたち。


片付けにはテニス部、バレー部、バスケット部、バドミントン部、美術部、創作部など50人位の生徒さんが参加してくれました。みなさん本当にありがとうございました!!
帰り際には、大勢の生徒さんが旅班全員体育館を出るまで見送ってくれました。


 9月下旬からスタートした『ジャンヌ・ダルク-ジャンヌと炎』も来週には折り返しとなります。生徒さんが何を見て何を感じているのか、その感触をしっかり持って、旅班は後半の公演へと向かいます。

工藤順子(召使い・イザボー王妃)

2017年 秋 『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』九州巡回公演 第5週目

2017-11-05 14:53:22 | 全国巡回公演
10月23日(月) 高稜高校(福岡県)
   24日(火) 宇土中学校・高校(熊本県)
   25日(水) 鹿児島女子高校(鹿児島県)
   26日(木) れいめい中学校・高校(鹿児島県)
   28日(土) 甲佐高校(熊本県)


第5週目は、台風21号と22号の接近に挟まれていましたが、幸運にも風雨の影響も受けずに公演を続けられた一週間でした。

高稜高校
2013年の『Touch』に続き、風の公演は6回目となります。
トラックから体育館までの道のりが遠いので、前日の日曜日に搬入を行いましたが、搬入が終了した途端に、雨と強風が襲ってくるという第一の幸運でした。
本番は、熱気にあふれる客席で、公演を楽しみに待っていたというのがひしひしと伝わってきました。リラックスしながら、味わうように芝居を見ている姿が印象的でした。
体育館の片付けがすっかり終わった後、前日の搬入から手伝ってくれた生徒会の生徒さんが「元の体育館に戻って、なんか寂しいな。」と、つぶやいたのが印象的でした。ジャンヌ・ダルクの時間が大きな思い出となってくれたのではないでしょうか。








宇土中学校・高校
1000人近くの生徒さんがびっしり入った体育館での公演でした。体育館に入場した時から大きな盛り上がりで、開演前には、先生方のバックステージツアーが行われた程でした。真剣な眼差しで食い入るように見つめる客席が印象的でした。
宇土高校は、アンセラン役の栗山友彦の出身校でもあります。カーテンコールの際に栗山が卒業生であることが紹介され、「この2時間の喜びと共に、誇りをもって学園生活を送ってください。」と、挨拶すると大きな拍手が起こりました。
後片付けでは、図書委員をはじめ80人にものぼる生徒さんが、劇団員に質問や感想を述べながら手伝ってくれました。






鹿児島女子高校
この学校も2011年の『ハムレット』に続き、風は6回目の公演になります。
元気でハツラツとした印象の客席で、目の前で起こる出来事に驚いたり、ときに声を上げて笑い、楽しみながら見る中で、いろいろなことを発見したのではないでしょうか。終演後の生徒たちの顔が変わったように見えたのが印象的でした。
後片付けも100人を超える生徒さんが手伝ってくれました。手伝ってくれた演劇部、バレー部、バスケ部、新体操部、経済調査部、それから有志のみなさん、ありがとうございました!






れいめい中学校・高校
3年前に『ヘレン・ケラー』を上演した学校で、高校生の中には『ヘレン・ケラー』を中学生の時に見た生徒さんもいます。先生方の期待感の高さも伝わってきます。
元気な生徒さんも多く、賑やかな開演前とはうってかわって開演すると、何かを探すように芝居をジッと見つめる姿が印象的でした。
終演後には、すこぶる元気なバスケ部の生徒をはじめ、有志の生徒さんたちが最後まで後片付けを手伝ってくれました。






甲佐高校
この学校も3年前の『ヘレン・ケラー』に続いての公演です。土曜日の文化祭の中での公演です。前日の仕込みの最中から会う先生会う先生から「みんな『ジャンヌ・ダルク』を楽しみにしています。」と、声をかけられます。おかげで台風も早く去ってくれたようです。
生徒数150人の小さな学校ですが、生徒たちの仲の良さがうかがわれます。本番は、甲佐高校の敷地内にある松橋西支援学校上益城分教室の生徒さんも一緒に観劇し、盛り上がりつつ、いろいろなことを感じ取っている姿が印象的でした。
野球部のみんなが前日から精力的に手伝ってくれたのは助かりました。








9月27日から始まった九州巡回公演は、12月20日まで続きます。まだ折り返し点にもきていません。中学・高校生にとって、なぜ演劇が必要なのか、演劇とは何なのかということを問いながら、旅は続きます。

文:柳瀬太一(語り手)