9月から出発した『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』の公演も様々な出会いを経て、6週目を迎えました。
11月2日(月) 和歌山県 近畿大学付属新宮中学校・高校 新宮市総合体育館
11月4日(水) 兵庫県 明石商業高校 [明石市立市民会館 アワーズホール主催] 明石市立市民会館
近畿大学付属新宮中学校・高校
今週最初の公演は、近畿大学付属新宮中学校・高等学校での公演です。
近畿大学付属新宮中学校・高校は、2001年の「Touch~孤独から愛へ」以来、2回目の公演となりました。
公演日当日は、2回公演ということもあり、前日からの搬入・仕込みとなりました。
担当の先生も前日からお付き合い頂き、舞台が出来上がっていく様子にとても驚いていました。
そして、迎えた公演当日、午前中は高校1・2年生、午後は高校3年生と中学生との公演でした。
今回の公演は、保護者会の方々の協力もあり実現した芸術鑑賞行事ということで、開演前には、「本当は、保護者の方々も一緒に観劇をしたかったのですが、コロナの影響により、断念しなければならなくなりました。おうちに帰って、ぜひ家族の方々に今日のことを話してほしい。」と、保護者会会長さんが客席に熱いメッセージを送ってくれました。
本番が始まると、2階のギャラリー席に座る客席からも舞台に届くような、ひとりひとりが劇場となったこの空間を創っていき息づかいが聞こえるくらい、ぐっと舞台に向かう眼差しと姿に支えられた公演となりました。
また、午後の公演では、午前中に観劇した生徒さんが、裏方に興味があるということで、なんと、本番中の照明のオペを照明チーフとともにしてくれました!!一緒に創ることが出来た時間、私たちもとても嬉しくおもいます。
午前・午後とも、終演後には、生徒さんたちからの質疑応答の時間が設けられました。
質問は前もって生徒さんが考えてくれていて、‘風に入ったきっかけは何ですか?’、‘このような状況の中、稽古や練習の時間などは変わりましたか?’、‘ヘレンの義理の兄のジミーはどうしてヘレンとアニーが二人で生活するのを止めなかったんですか?’など、とても鋭い質問もありました。
終演後には、バックステージツアーとアニー・サリバン役の高階による座談会も行われました。
バックステージツアーでは、たくさんの生徒さんが帰るぎりぎりまで舞台に触れたり、劇団員と話したり、劇団員全員のサインをもらいに来てくれたりと、とても盛り上がって今いた。
座談会では、舞台の話や、様々な話で、時には真剣に、時には声を上げて笑っていたりした姿が印象的でした。
その姿を見ていた担当の先生は、「コロナの影響で制限されてしまう部分もありましたが、こういうことを生徒たちに体験して欲しかった。本当に良かった。」と、あたたかな眼差しで語ってくれました。
担当の先生も、最後の最後まで汗だくになりながらお手伝いをしてくれました。
担当の先生をはじめ、先生方、保護者の方々の想いがつながり、かたちとなった公演であったことを、本当にひしひしと感じました。心より感謝申し上げます。
明石商業高校 [明石市立市民会館 アワーズホール主催]
今週2日目は、先週に引き続き、明石市立市民会館アワーズホール主催の公演です。
明石商業高校は、先週公演を行った明石北高校と同じく、1996年の「星の王子さま」以来2度目の公演となりました。
コロナウイルス対策が徹底された会場に消毒やマスクを着用して入場する生徒さんたち。
午前は、2・3年生、午後は1年生の皆さんとの公演でした。
また、保護者の方々も今日の公演に足を運んでくれました。
開演前は、みんなで集まることが出来た行事にこころ踊るような明るい声がひびいていました。
その声に、私たちも、明石商業高校のみなさんとどんな出会いがあるのだろうかと、とてもわくわくしていました。
開演前には、担当の先生の諸注意や劇団・公演の説明、そして、校長先生より「演劇は映画とは違い、カットされ、出来上がった部分を見るのではありません。すべての場面でがここで行われ、それを自分がみることができます。そのみんなの姿が公演を創ります。おもいっきり感じてください。」と、公演を全身で楽しんで、感じてほしいという素敵なメッセージを客席に送っていました。
本番が始まると、広い客席からは、とてもリラックスした、自分の姿で舞台に向かう客席をとても感じました。
時には、ささやくような笑い声が聞こえたり、その驚きや反応が舞台にしっかりと伝ってきました。
また、午後の公演では、代表の生徒さんから「ヘレン・ケラーとアニー・サリバンの物語を舞台で観れてよかった。このような状況の中、公演に来てくださりありがとうございました。」としっかりとした素敵な言葉をいただきました。本当にありがとうございました。
今回主催された担当の方も、「私も袖から見入ってしまいました。このような時間が創れて、本当によかったです。」と語ってくれました。
明石商業高校の顔見知りの生徒さんも、「公演を観劇出来て良かった!」と笑顔で言葉をかけてくれていたそうです。
先生方や公演を支える方々の熱い想いが、生き生きとした生徒さんの姿につながっていったのだと感じる公演の週でした。
来週は、ついに『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』の今年最終のツアーとなります。
千秋楽はバリアフリー公演も待っており、新たな出会いと、これまでの出会いを胸に、公演地へと向かいます!
文:ヘレン・ケラー役 倉八ほなみ