風のBLOG

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2018年 春 『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎』 東日本・西日本巡回公演 第5週目

2018-06-17 18:23:17 | 全国巡回公演

 

『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎』の旅は5週目を迎えました。

今週は、群馬県での公演からから始まり、東京都、石川県と駆け抜けていきました。

6月11日(月) [群馬県] 関東学園大学附属高校 館林市文化会館

  12日(火) [東京都] 上野高校 北とぴあ さくらホール

  13日(水) [石川県] 田鶴浜高校 七尾サンビーム日和ヶ丘

  14日(木) [石川県] 金沢市立工業高校・金沢大学附属高校 金沢歌劇座

  15日(金) [石川県] 能登高校・穴水高校 のとふれあい文化センター

で公演を行いました。

 

関東学園大学附属高校

関東学園は3年に1度、芸術鑑賞会を行っているそうで、今回で風は3回目の上演となりました。

客席にいるひとりひとりが、自由な感性で反応をしながら見てくれました。

終演後に担当の先生が「館林は本当に演劇に触れる機会がないんです。きっと今日が初めて演劇を見るという生徒もいたと思います。

だからこそ、今日の経験は彼らにとって貴重なものだったと思いますし、そうあってほしいと願っています。」と熱く語って下さいました。

彼らの舞台にそそぐ眼差しは、そんな先生の願いに応えるものだったと思います。

公演後には演劇部の皆さんとの座談会が行われました。

劇中に登場する人形を実際にかぶってみたり、ジャンヌ役の白根や照明の坂野の話を座席に座るのも忘れてしまうほど熱心に聞き入っている様子でした。

 

上野高校

上野高校は3年前の「ヘレン・ケラー」の公演以来、2回目の風の公演でした。

生徒の皆さんの大きな拍手の中開演し、その拍手はそのまま旅役者たちを迎える手拍子に変わりました。

上演中も、あちらこちらで反応したり、クラスメイトと一緒に笑ったりと楽しみながら見てくれました。

公演のあと、担当の先生にお話しを伺うと「私も感動しました。生徒たちも楽しそうに見ていてよかった。」

と、笑顔で話してくださいました。

公演後には、演劇部の皆さんとの舞台裏見学と座談会が行われました。

舞台装置や小道具、衣装に触れ、目を輝かせていました。

 

最後は、舞台撤去を終えた劇団員と記念写真。

このあとも退館時間いっぱいまで話は尽きませんでした。


田鶴浜高校

田鶴浜高校は風の公演は3回目となりました。

開場時間になると、あっという間に席に座ってしまった生徒の皆さん。「いつでも開演できます。」と担当の先生。

開演に先立って校長先生が、「観劇の手引きに書いてある、ジャンヌ役の白根さんの原稿を読みました。素晴らしいな、と私は思いました。これだけの想いをもっている方々がいるんだ。その方々が演じるお芝居、しっかりと感じてください。」と、生徒たちに向けて話してくださいました。

生徒の皆さんだけでなく、先生方もこの公演を楽しみにしてくれていたことが感じられました。

公演は、あたたかくも真剣な眼差しで舞台を支えてくれる生徒の皆さんの姿が印象的でした。

 

公演後には、手話部の生徒の皆さんとの舞台裏見学、そして座談会が開かれました。田鶴浜高校手話部は、初回から毎年、全国高校生手話パフォーマンス甲子園に出場しているそうです。手話で劇をするという部の皆さん。

部の顧問の先生にお話を聞くと「声なき者の声に耳を傾けるということで、生徒たちにもいい刺激になってくれたと思います。」とおっしゃっていました。今回の経験が彼女たちのこれからの力になってくれたらと思います。

 

金沢市立工業高校・金沢大学附属高校

2校合同での公演で、どちらの学校も風の公演は初めての上演です。

2つの学校が見ているとは思えない一体感のある客席で、みんなで舞台を盛り上げてくれていました。

「ありがとう。生徒たちみんなよろこんで帰っていきましたよ。」と、市立工業高校の担当の先生が公演後に話してくれました。

今日のことが彼らの中に何かしらの形で残っていってくれたらうれしいです。

一方、公演後の舞台では金沢大学附属高校の生徒の皆さんとの舞台裏見学と座談会が行われていました。参加してくれたのは希望者の生徒43人。舞台上も舞台裏も生徒たちの驚きと発見の声でいっぱいになりました。

「いつもは演劇部しか参加しないんですけど、今回はこんなに興味を持った生徒が集まってくれました。」と、笑顔の担当の先生。その言葉のあとに「生徒には触れさせるだけではなく、それをきっかけにして何かに出会ってほしい。彼らには出会うきっかけが必要なんです。」と、一変真剣な表情で生徒たちを見つめていました。その視線からあらためて、公演に懸ける先生方の想いを感じました。

 

能登高校・穴水高校

この日も2校合同での開催でした。能登高校も穴水高校も風の公演は初めてでした。

2校合わせて約300人ほどの客席には、舞台で起こることにジッと向き合う彼らの熱い視線がありました。

カーテンコールでは能登高校の生徒会長さん、穴水高校の生徒会副会長さんが「これからもたくさんの人たちにこの感動を届けてください。」、「ジャンヌ・ダルクの想い、気持ちが伝わってきたと思います。」とそれぞれに素敵な言葉をくれました。

 

公演後には穴水高校の生徒会副会長さんと担当の先生が楽屋を訪ねてきてくれました。

「生徒たちの集中力に驚きました。」「迫力があって面白かったです。」と、先生として、そして生徒としての視点で感想を伝えてくれました。

 

能登高校の担当の先生との1枚。

「普段はおとなしい生徒たちが、楽しんでみていました。皆さんのエネルギーを感じました。」

と興奮した様子で話してくれました。

 

芸術鑑賞の時間は2時間です。人生の中での2時間はほんの一瞬かもしれません。

しかし、その2時間の公演には、たくさんの人たちの想いがつまっています。

そして、たくさんの若い観客たちが自分の可能性に出会うきっかけになるかもしれません。

公演の2時間が客席にいる誰かの何かになってくれることを願い、そして信じて、ジャンヌの旅は

青森へと向かいます。

 

伝令・死刑執行人役:佐藤勇太