風のBLOG

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『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎』 九州・広島巡回公演 第6週目

2016-11-06 18:42:09 | 全国巡回公演
『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』秋のツアー6週目。月も変わり、公演の中日を迎えた今週は、4校6ステージの公演でした。

10月31日(月)熊本中央高校
11月 1日(火)東福岡高校
    2日(水)博多女子中学校・高校
    4日(金)佐賀清和中学校・高校



熊本中央高校

熊本中央高校での公演は7回目となりました。3年生は2年前に、『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』を観劇しています。公演前にご担当の先生が「4月に震災があり、予算もなく今年は鑑賞行事ができるかなと思っていましたが、今日出演される柳瀬さんが学校に来られ、こういう時だからこそ見せてあげましょうよ、生徒さんたちに『ジャンヌ・ダルク』を見せてあげたい。頭ではなく、心の目で見てください。と言われました。その情熱、プロの方の演技をしっかり見てください」と挨拶されました。今秋のツアーで熊本での公演は今日が最初です。
公演が始まると、会場は客席から登場する役者に負けないくらい、元気な声で溢れていました。
舞台を見るまなざしが柔らかく、後半に向かうにつれて、何か深いところで見入っている様子は、とても印象的でした。





公演後に演劇部のみなさんとの行われた舞台見学と座談会。
座談会で「裁判官が出てくるシーンでは、どうなっていくのかジャンヌと同じ気持ちになって、とても怖かった」など次々と感想が出てきて、たくさん芝居の話が交わされたと、出席した高階(ジャンヌ)から聞きました。みなさんに見てもらうことができて本当によかったと思いました。そしてひとつでも胸に残してくれたらと思います。
様々な困難を乗り越え、まだまだ不安も多くあると思いますが、これからも一人ひとりが元気な「心」でいることを願っています。


東福岡高校

こちらの学校は、3年ぶりの上演となります。2500人以上が在籍する生徒さん方が1300人ずつ、午前は2、3年生、午後は1、2年生が観劇しました。



この日の午前中には、11月下旬から文化庁「次代を担う子どもの文化芸術体験事業~巡回公演事業」で、『星の王子さま』を福岡県、佐賀県、熊本県、長崎県の学校で上演するため、事前ワークショップを行っているメンバー3人が、合間をぬって、10月中旬まで自分たちも立っていた舞台を観劇に訪れました。

サイドギャラリーまで入った生徒さんたちがどんなふうに見てくれるか、私たちも気持ちが引き締まります。午前中の公演では笑いがあったり、それをこらえている人もいたり、全体がシーンと静まるなかでも、それぞれの反応があるなかで舞台が創られていきました。午後の公演でも芝居を受けとめている感じが強く、何が起こるのか立ち止まったり、どうしてなのか疑問に思ったりと、一人ひとりのなかで起きていることと舞台が交差しているようでした。
公演後、担当の先生が「これまで見たなかで、一番よかった。すばらしく、印象的な舞台でした。生徒たちにも聞いてみましたが感動した、よかったと言っていました」と、1000人以上の生徒さんたちが集中している姿にほっとされていたようです。
私たちにとっても、改めて生徒さん一人ひとりのなかで起きていることを見逃したくないと思う、とても大事な時間となりました。今日の観劇をこれからまたどこかで、何かあったときに思い出してほしいと思います。ありがとうございました。


博多女子中学校・高校

今週は、『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』を上演した学校も多く、こちらの学校でも上演しています。公演は体育館で行われました。
さまざまな反応や声、楽しそうに笑ったりとパワー溢れる生徒のみなさんとの公演でした。
その声は、ジャンヌが囚われの身となった場面からは次第に変化し、静寂のなかでジャンヌの言葉に耳を傾け、熱く強い生徒たちのまなざしに違うパワーを感じました。
公演後には、ソフトテニス部をはじめ、バスケットボール部、バドミントン部、陸上部、剣道部そして大会前にも関わらずバレー部の生徒さんが舞台撤去を手伝ってくれました。





片付けをしながら『ヘレン・ケラー』を見た生徒さんが、アニー役をしていた高階(ジャンヌ)に、ヘレンとの出会いやラストシーンのことなど印象に残ったことを話してくれ、嬉しい再会もありました。

最後まで手伝ってくれたテニス部のみなさんと。





みなさんの笑顔と元気な姿に、私たちもたくさん元気をもらいました。
ありがとうございました!!


佐賀清和中学校・高校

こちらの学校での上演は今回で10回目となります。午前・午後の2回公演なので、前日に仕込みがありました。到着時には、体育館で練習をしていた放送部の生徒さん方が搬入を手伝ってくれました。





舞台設営にも率先して参加してくださった、ご担当の田川先生。

公演当日は学科ごとに、午前・午後と分かれての公演でした。午前は高校生が観劇。生徒さんたちの熱気が伝わってくる公演で、驚いたり、好奇心旺盛でストレートな反応が返ってきました。見て感じたことを隣の生徒さんと話しながら見ている姿は、ほほえましく、こちらも楽しくなったり、何が起こったんだろうと興味の湧く公演でした。午後は中学生と高校生が観劇。最初から最後まで集中してじっくりとしっかりと見てくれました。カーテンコール後、田川先生が午前では「いい時間をつくってくれてありがとう」午後では「いい舞台をつくってくれてありがとう」と生徒たちに語りかけた言葉は、本当にその通りで、とても素敵なことだと思いました。また先生からの急なフリで、先生と長く公演の場をつくってきた座長の柳瀬から生徒たちに挨拶、そしてまた風に上演してほしいと言う先生の言葉で公演が終了しました。



午前・午後の公演後には舞台見学がありました。
「違う学科の人と一緒に見れてよかった」「午後もまた見たいです!!」また、ここでも「サリバン先生ですよね!」と2年前に『ヘレン・ケラー』を見た生徒たちが、見た感想を細かく話したりなどさまざまな交流がありました。

公演後舞台の片付けに、放送部、バスケット部、バレー部、のみなさんが手伝ってくれました。
手際よく片付けてくれるなか、役者やスタッフと舞台の道具や、芝居の話が交わされる姿がありました。





撤去が終わり、別れを惜しむ生徒さんたちと。
先生、生徒のみなさん本当にありがとうございました!




9月26日からスタートした『ジャンヌ・ダルクージャンヌ炎』の公演は、中日が過ぎ後半へと向かいます。人と人が紡ぐ演劇という場で、生徒さん一人ひとりのなかに何かが生まれてくることを願って、生徒さんたちとつくってきた舞台、見てくれたものを手放さずに、一回一回の舞台を創ってゆきたと思います。

召使い・イザボー王妃役/工藤順子