風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
公演情報や稽古場速報、全国巡回公演の情報など
日々の出来事を速報!!

『ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎』 西日本ツアー 第6週目

2016-06-24 18:24:30 | 全国巡回公演

トップの写真は、淡路島から臨む日没前の瀬戸内海です。

『ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎』のツアーも早いもので6週目が終わりました。

九州をはじめとした記録的な大雨が各地で降っていますが、

公演の日は幸いにも天候に恵まれ、アツい公演を続けています!

今週は

 

6月21日(火) 兵庫県 淡路高校/同校体育館

  22日(水) 香川県 寒川高校/同校体育館

  23日(木) 広島県 クラーク記念国際高校 広島キャンパス

                 /広島市東区民文化センター

 

での公演でした。

 

淡路高校

淡路高校は、島内唯一の総合学科をもつ学校で、創立90年を越える歴史ある学校です。

風の公演は、今回で5回目となりました。

開場中は静かにしていた生徒のみなさんでしたが、公演が始まると時折話しもしながら、

それぞれに楽しみながら見てくれていました。

カーテンコールでは、図書委員長さんが「ジャンヌのことば、姿が凛々しかったです。演劇は自分にとって縁のないものだと思っていましたが、こうしてふれることができてよかったです。」と、丁寧な口調で思いを語ってくれました。

その後、彼は誰よりも早く舞台裏に駆けつけ、興奮した様子で、みんなの前では語りきれなっかった感想を話しに来てくれました。

終演後は、当初予定にはなかったにもかかわらず「舞台裏を見せてくださ!」という、生徒のみなさんとの舞台見学。

その後、野球部、バスケットボール部のみなさんが舞台撤去に駆けつけてくれました。

興味を持ったことへ積極的に飛び込んでいく彼女たちの姿に、喜びと力強さを感じました。

 

 

寒川高校

旅班は淡路をあとにし、鳴門大橋を渡り香川県へ。

寒川高校は、野球や柔道をはじめとした運動部が盛んな学校です。

風は初めての公演でした。

じっとりと湿度の高い体育館での公演でしたが、終始生徒のみなさんは真剣に舞台に目を向けてくれていました。

終演後は、舞台見学が行われ、口々に「面白かったです!」、「すごかったです!」など

の感想を伝えてくれました。

なかには、「私、ジャンヌになります!」と言って、劇中のジャンヌのセリフを覚えてくれている女の子もいました。

 

舞台撤去には、バレーボール部、バスケットボール部、柔道部、有志の生徒のみなさんがお手伝い

をしてくれました。

「全国で公演してるんですね。すげぇ!つぎの広島の公演も頑張ってください!」

撤去中も劇団員と交流しながら、元気な声が体育館に響いていました。ありがとう!

 



クラーク記念国際高校 広島キャンパス

今週最後の公演は、クラーク記念国際高校でした。

クラーク記念国際高校は全国各地にキャンパスがあり、各キャンパスごとに特色ある取り組みをしています。

広島キャンパスでの公演は、風は初めてでした。

キャンパス長であり今回の公演の担当でもある山下先生は、同校の福岡中央キャンパス、小倉キャンパス

それぞれのキャンパスで担当をされ、風の公演を実現されてきました。

それにもかかわらず、ご自身は一度も風の公演を見られず、この日が初めての観劇となりました。

生徒のみなさん、先生方そして保護者のみなさん合わせて約200人の客席からは

見ているひとりひとりの眼差しがひしひしと感じられる公演でした。

終演後には、舞台見学と座談会が行われました。集合写真には30人ほどの生徒のみなさんしか写っていませんが

見学にはほぼ全員の生徒さんがのこってくれました。

感激して泣いてしまう生徒、劇団員の話しに真剣に耳をかたむけている生徒、

中学生の時に学校で風の『星の王子様』を見たことを思い出して駆け寄ってきてくれる生徒など、

思い思いの時間を過ごしてくれていました。

 

 

公演を通して、先生方が想像する以上に生き生きと舞台を感じている生徒たちの眼差しを感じました。そんな生徒たちをにこやかな表情で見つめている先生方の姿もまた印象的でした。

ジャンヌの旅メンバーは、先のブログでお知らせしている『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』の京都プレミアム公演を見に行きます。

久々に顔を合わせる劇団員同士、旅の経験を感じあうこととなるでしょう。

ひとつひとつの公演での出会いを噛みしめながら、ジャンヌ班は次の公演地である福島県へと車を走らせます。

 

伝令役ほか/佐藤勇太 


『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎』 西日本ツアー 第5週目

2016-06-24 15:40:30 | 全国巡回公演

『ジャンヌ・ダルク』ツアーも5週目、中半に入りました。

今週は香川県・高松市からスタートです!

 

6月13日(月)香川県 太田中学校・体育館

  14日(火)岐阜県 八百津高校・体育館

  15日(水)大阪府 宣真高校・池田市民会館

  17日(金)兵庫県 親和中学校・講堂

 

太田中学校

太田中学校では、以前、『ヘレン・ケラー』『肝っ玉おっ母とその子供たち』を上演しています。

2度目の公演となるメンバーも多く、私たちも楽しみにしていました。

開演前に、『ジャンヌ・ダルク』の舞台背景にある、百年戦争の流れを、校長先生がわかりやすく説明してくださいました。

舞台が始まると、生徒さん方の生の演劇に触れる喜び、人への興味、好奇心がストレートに伝わってきました。声を上げて笑い、身体ごとジャンヌの言葉、行動に集中して見入る姿は、午前公演にもかかわらず熱気に包まれ、手拍子のなかでのカーテンコールにも、その余韻が残る公演でした。

公演後には3年生が役者、スタッフと交流しながら舞台見学を行いました。

 

 

八百津高校

八百津高校でも過去3作品上演しています。長く芸術鑑賞行事をご担当され、風とも長いお付き合いのある馬場先生が、4年前に上演した『ヘレン・ケラー』の公演で、当時ヘレン役で、今回ジャンヌを演じる白根と再会し、にこにこと嬉しそうに迎えてくれました。一度上演している学校での公演は、私たちにとっても愛着が湧いてきます。

馬場先生の「風のみなさんが到着しました!」というかけ声とともに、開演されました。気温が上昇していく体育館のなか、最後まで、一人ひとりの想い、感覚で舞台を支えてくれました。カーテンコールでは生徒会長さんが、「勇敢に戦い、勝利していくジャンヌの姿が印象に残りました」とあいさつのなかで語ってくれました。  

公演後には、役者、スタッフに「楽しかったです!」「興奮しました!」と声をかけながら、文化委員、図書委員、生徒会そして自称、好奇心旺盛な女子生徒のみなさんが、舞台撤去を手伝ってくれました。

ありがとうございました!!

もとの体育館の戻りつつあるなかで、手伝ってくださった生徒さん方に、照明チーフの坂野から「みなさんとともに創った舞台です。今日、心に感じたことを忘れないでください」とあいさつ。みなさんとの出会いを私たちも明日の公演に向かうエネルギーに変えて、そして再会を願って、次の公演地へと向かいました。

 

 

宣真高校

こちらの学校では演劇鑑賞は、4年前に上演した『ヘレン・ケラー』以来だそうです。

昨年行われた『ジャンヌ・ダルク』のプレミアム公演に演劇部の生徒さんが何人か観劇に来てくださり、そのこともあって今回の鑑賞行事に繋がりました。

公演前には聴覚障害のある生徒さんのために、公演前の挨拶、台本を映し出すスクリーンが舞台端に設置しされ公演が行われました。

場面ごとにさまざまな歓声や笑い声があがるなか、時にはジャンヌが行動していく姿に、自身の何かをじっと探しているまなざしが印象深く残っています。

ひさしぶりの演劇鑑賞でご担当の先生も少し不安があったようですが、舞台をしっかりと受けとめてくれ、後ろの方の座席では、最後の場面で涙する生徒さんの姿もあったと話してくださいました。

また、カーテンコールの生徒さんのお礼の挨拶、ジャンヌ役の白根の挨拶もスクリーンに同時に映し出されました。一人ひとりの生徒さんにとっての鑑賞の場であり、全員で共有できる場をつくっていただき、私たちにとっても貴重な時間となりました。ありがとうございました。

今日の舞台で、生徒さん一人ひとりのなかに湧いてきた感情、感覚を大事にしてほしいと願っています。

そして先生方にとっても生徒さんたちを、新たに発見する機会になったのではないでしょうか。

 

 

 

親和中学校

今回のツアーでは、学校の講堂での公演が多くあります。

3階に講堂がある親和中学校では、前日に、駐車場を抜けて校内のエレベーターに荷物を積んで講堂まで運び、エレベーターに入らない物は階段で、という長い距離の搬入と舞台設置を行いました。

次々と校内に運び込まれていく大道具、照明、音響機材。「こんなに大がかりとは思わなかった!」「すごい!」と先生方が驚いた様子で講堂に見にいらっしゃいました。

翌日、客席後ろから登場する旅役者たちに元気いっぱいの生徒さんたちが大歓声と手拍子で、握手を求めたり、お互いに声をかけ合いながら公演が始まりました。ひとつの演劇概念を食い破って、自由に演劇、人やモノに触れていく可能性をたくさん秘めている作品です。思いっきり笑う声、ジャンヌが戦う場面では拍手が起こったりと圧倒されそうなパワーと、真剣な表情でひとりの人間の発する声を聞こうとする生徒さんたち。それは「いま、ここで生きている」彼女たちの姿そのものでした。

手をかけてつくった舞台、みなさんがくれたパワーは、私たちにとっても忘れられない公演となりました。

公演後には、中学校の公演でしたが特別に許可をもらっていたという高校の演劇部のみなさんとの

舞台見学が行われました。

音響、照明、衣装など様々なものを、瞳を輝かせながら触れていました。

舞台撤去中もたくさんの生徒のみなさんが声をかけてくれました。

 

生徒さんたちが見ようとしているもの、内奥のなかに起こっていること、彼ら、彼女たちが生きている瞬間に触れたことを胸にしっかり持って、旅班は後半の公演に向かってゆきます。

 

召使い・イザボー王妃ほか:工藤順子