ゆるゆるらいふ

とりあえず、今日も一日機嫌よく・・・

渡辺えり ろまんちっくコンサート

2014年12月07日 | コンサート

私が舞台を観るときの大半に付き合ってくれる友人は、渡辺えりさんのファン

渡辺さんも友人も同じ山形出身ってことも大きな理由のひとつだ。

渡辺さんのお芝居は私もチェックしているが、友人はお芝居のみならず、コンサートもちゃんとチェックしている

ファンクラブとまではいかないような会にはいっているらしい。


今回もご主人と行く予定で、コンサートのチケットを購入していたようなのだが、
別のお友達と温泉に行く予定だったのを失念していたらしい。

と言うことで、ラッキーなことに私がそのチケットを譲り受ける

当初、別の友人を誘って、一緒に行くことになっていたのだが、
こともあろうに息子さんの入試の日だったことを忘れていたらしく、キャンセルに。

この年になると、予定がすっぽりと抜け落ちることが多々あって恐ろしい

で、渡辺えりさんに何の興味もない妹を誘って出かけて行く。

会場は亀戸駅前にある「亀戸文化センター・カメリアホール」
いかにも自治体のハコモノって感じのふつ~のホール。

入口からやたらと誘導の人が立ってるなあと思ったら、この施設の中で期日前選挙もやっていた


観客の年齢層はかなり高い。
私たちが若手と言ってもいいくらい。

席は一番前のど真ん中
大ファンの人に申し訳ない・・・。

渡辺さんは露出の多いディナーショーのような衣装で登場。
三輪明宏さんを彷彿とさせる貫禄だ
そしてご本人は三輪さんの大ファンとのこと。
若いころ、付き人までやっていらしたらしい。

ピアノとベースとアコーディオンをバックにまずは「バラ色の人生」からスタート。

以前にも一度、この友人にライブレストランでのショーに連れて行ってもらったけれど、
渡辺さんが歌うのは、基本的にシャンソンだ。

抜群の歌唱力っていうわけでもないけれど、とにかく表現力がすごい

街娼の憧れの男性が落ちぶれて彼女の店にやってくる「ミロール」と言う歌では、
街娼目線の渡辺さんが手を伸ばした先に、ミロールが立っているかのようだ。

シャンソンの歌詞は、物語っぽいので、短い短いミュージカルを観ているかのよう

「100万本のばら」は歌の舞台となった地を訪れた渡辺さんが自ら詩をつけたもので、
加藤登紀子さんが歌っている物とはちょっと違う。
これはこれで、とっても味がある。

「アコーディオン弾き」は、憧れのアコーディオン弾きとの未来を夢見ている女性の歌。
戦争に行ってしまった彼の帰りを待っていたのに、帰らぬ人となってしまった悲しみ、切なさを歌い上げる。

休憩無しの早着替えで、別のドレス姿の渡辺さんが歌う日本語の「イマジン」
ジョン・レノンのイマジンを忌野清志郎さんが訳詩したという。
平和への壮大な祈りが感じられる。

ちょっと暗い「不幸せな猫」と、明るい「ロカへのバラード」のあとは
しっとりと「ボンボワージュ」

ここで、コンサートは終了だが、もちろん、鳴り止まない拍手にこたえてアンコール。

真っ赤なドレスに着替えた渡辺さんが客席から登場。

「ろくでなし」を歌いながら、そして観客と握手しながら舞台上へ。
私の目の前も通ったのに、手を出しそびれてしまった

そしてこの日、ホントに最後の曲は「ローズ」

歌はもちろんだけれど、とにかくトークが面白い。

ふつうのおばちゃんの世間話みたいな軽いノリで、会場をどっと沸かせる。
なんだかよくわからないお笑いの人たちよりもずっと面白い

渡辺さんにまったく興味がなかった妹も、楽しめたようだ

友人のちょんぼのおかげで、思いがけず楽しい時間を過ごさせていただいた。

次回は一緒に行きましょう




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汽水域

2014年12月05日 | 演劇

汽水域とは海水と淡水の混ざり合うところ・・・らしい。

てがみ座という劇団を主宰する長田育恵さんが脚本を書いた作品は、
これまで、江戸川乱歩・金子みすゞ・宮澤賢治といった
実在の人物を描いていることが多かったけれど、今回描かれているのは無名の一般の人々。

ご本人曰く「特定の人物から場そのものへのシフト」とのこと。

舞台は日本とフィリピン。

ステージの上には桟橋のようなものが左右から伸びている。

以前に観た金子みすゞさんをモチーフにした「空のハモニカ」と言う舞台のセットと少し似ている。
この時は、この桟橋のようなものが、道になり、部屋になり、広場になり・・・。

今回はフィリピンの村や川岸になり、あるいは横浜の寿地区となり・・・。

開演30分前に開場になり、シアタートラムの客席にはいると、すでに舞台上には
ホームレスとおぼしき人たちがうろうろしていて、少しずつ世界に引き込まれ始める。

そのまま、炊き出しがはじまり、物語が動き出す。

父親が日本人、母親がフィリピン人という男性が、大きな夢を持って日本にきたけれど
夢が破れて炊き出しの世話になっている。

少しずつ物語は過去に向い、彼のルーツであるフィリピンの川岸の村へと景色が変わる。

フィリピンで生まれ育ちながらも、両親が日本人ってことで、なかなか自分の居場所を見つけられない父親。
日本人の血が流れていることで、日本への夢を馳せる息子。

どちらも圧倒的な孤独を抱え、それぞれの立場で一生懸命に生きようとするけれど、
結局、何者にもなれないもどかしさ、辛さがひしひしと伝わってくる。

最後に少しばかりの希望の灯が見えて終わるのがせめてもの救いだろうか。

「よそ者」みたいな感じっていうのは、人種がちがうことに限らない。

日本の中でも東京と地方のちがいとか、出身校のちがいとか、実家と婚家のちがいとか、
さまざまなシチュエーションで、自分の居場所を見つけなければならない。

割り切りとか折り合いとか、自分の中で解決するしかないのだけれど。

だからこそ、人とのつながりを大切にしていかないと・・・と年を重ねるにつれ、より思いが強くなる。

それにしても、いつもながら、長田さんの繰り出す言葉は本当に美しいと思う。

人の心の奥を表す感覚的な言葉が何とも言えず、緻密できらきらしている。

その台詞を言う人の心の中が映像のように浮かんでくるというか・・・。

こういうのを才能っていうんだろうなあ。


今回、お付き合いいただいたのは、私が最初に勤めた会社の同僚の女性。

終演後、開口一番に「おもしろかった~」と


私が先に転職し、その後彼女も転職。
子育てが落ち着くまでの間は数年に年賀状のやり取りと数年に一度会うくらいだったが、
昨年あたりから会う機会が劇的に増えた。

全体的にどんぶり勘定っぽいところが共通していて、一緒にいてとても楽ちんな友人の一人だ。

孤独な人々がたくさん出てくる舞台を観た後には、
自分のまわりにステキな人たちがたくさんいてくれることへの感謝の気持ちがより強くなる。

「この世界にいくらひどいことが起ころうとも、私たちはつながりあってここにいる」という
長田さんのメッセージが心に響く今日この頃・・・。

ステキな景色を見せていただきました


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第3回リーディング会

2014年12月01日 | 演劇
昨年参加していたセミナーの卒業生の方たちは、精力的に活動を続けてらっしゃる

若い方たちが多いけれど、私よりも人生の先輩の方も着々と作品を練り上げ、
先日は新人戯曲賞の1次審査を通過されていた。

この夏には3人の方が自作の戯曲を「セミナーズ」と銘打って、上演したことも以前に書かせていただいた。

卒業後、有志の方たちがそれぞれの作品を持ち寄り、リーディングの会を催している。

3か月くらいの間をおいて開催されるこの会も今回が3回目。

卒業生の中には現役の役者さんもいらっしゃるし、そのお友達の役者さんのご協力もあり、
素人の私にはかなりのクォリティ、と感じるリーディングだ

前回はは都合がつかなくて行けなかったけれど、今回は、一緒にグループワークをした方が、幹事だったり、
作品を出していたりしたので、参加してみた。

もちろん、私は作品を書いているわけもなく、観るだけのフトドキモノだ・・・

場所は早稲田にある「榎木町地域センター」

4作品が発表される。

1作目は「断食道場と焼肉店」

作者の方とは、先日原宿で上演された「狂犬八景」の会場でお会いしたばかり。

セミナーのときのグループワークで、このテーマで作品を作ったグループにいた方が、
ご自分なりに作り直した、というもの。

断食道場の隣に焼肉店がオープンしてしまったことでのドタバタがとてもユーモラスに描かれている。

くすっと笑える台詞のユーモアセンスが抜群だ。
三谷幸喜さんや宮藤官九郎さんに通じる、ちょっと茶化した感じのおもしろさ。

作者ご本人は無口なおとなしい感じの若い男性。
きっと頭のいい方なんだろうな、と思わせる、楽しい作品だった。

2作目は「空満ちる」

長編作品の冒頭部分とのこと。
作者は、グループワークでご一緒した、若く美しい女性。
女優さんって言ってもいいくらい

日々の生活の閉塞感を持つ若い女性とその友人たちとの会話。

近所の公園に、突然大きな穴が出現し、さまざまなうわさが流れ始める。
それによって彼女の日常や考え方が徐々に変わっていき・・・、
みたいなちょっとSFっぽいお話の冒頭15分くらい。

若い男女の軽妙な会話は、彼女ならでは。
冒頭だけなので、この後の展開がとても気になる。

3作目は「隠れキリシタンの新田開発」

青森県を舞台にした史実に基づく、壮大なスペクタクルの予感。
予感と言うのは、こちらも長編の冒頭部分だから。

実際の穴堰工事の様子を丹念に調べ上げ、隠れキリシタンが持つ技術力に焦点をあてての、緻密な文章。
荘厳な山の景色が浮かんでくるようだ。

この方は私よりも年が上の男性で、ご自分で税理士事務所をなさっている、と聞く。
区のさまざまな役員をされたり、と精力的に活動されている。

この作品を、十和田市に売り込みたい、ともおっしゃっていた。
完成が楽しみだ

最後は「ジャマタイ国」

作者の女性が大学時代に放送劇として書いたものとか。

架空の王国ジャマタイ国の近隣諸国で戦争がはじまり、関係ないのに巻き込まれそうになるジャマタイ国の面々が
国民も巻き込んでの緊張感のない対策会議を開いている間に攻撃されて・・・

という、ほんのりファンタジー感も漂う作品。

ただ、今の日本の現状を考えると、ちょっと他人ごとではない感じ。

リーディングを聞いていたら、NHKで時折放送される人形劇が目に浮かんできた


今回は、私たちの前の年のセミナー卒業生の方々も参加してのにぎやかな会となった。

私などは「おもしろいな~」と楽しんでいるだけだけれど、
各作品ごとにリーディングの発表後、いいところ、改善すべきところを意見交換している様子は、
皆さん、真剣そのもの。

目標をもって、がんばっている人たちってすごい

熱い想いを継続させるエネルギーはいったいどれほどのものなのだろう。

今後の皆さんのご活躍が楽しみだ。

セミナーの時もあまり参加してなかったけれど、この日は終了後の飲み会にも参加させていただいた。

皆さんの前向きなお話を聞いていると、自分もなんだか前向きな気持ちになってくる。

体力の衰えとともに、動きが止まりそうになったり、後ろに下がりそうになる今日このごろ。

皆さんに背中を押してもらった気がする。

おそらくは、皆さんの進む道を私が目指すことは無いと思うけれど、応援は惜しまない。

楽しく、刺激的な1日でした。
みなさん、ありがとう

私もまた明日からがんばらないと











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