ゆるゆるらいふ

とりあえず、今日も一日機嫌よく・・・

【観劇メモ】火星の二人

2018年04月22日 | 演劇
「火星の二人」
作・演出 倉持裕
竹生企画
シアタークリエ

竹中直人さんと生瀬勝久さんが揃ったら、面白くないわけがない。

タイトルの「火星」はちょっと無理矢理な気はしたけれども、とにかく面白かった。

竹中直人さんは、堅物の大学教授。
その奥さんが高橋ひとみさん。

息子が池岡亮介さん。
その恋人が上白石萌音さん。

ここに訪ねてくる謎の男性が生瀬勝久さんだ。

さらに竹中さんをゆすってお金をせしめているのが、前野朋哉さん。

まるで、取材に来た記者のようだった生瀬さんが、じわじわと家庭に入り込み、庭にテントを張って住みはじめる。

ものすごくいい人っぽいかと思えば、いきなり鋭いことを言ったり、素性も目的もわからなくて、不気味な感じが漂う。

一見穏やかな家庭に見えるけれど、色々と闇がみえ隠れしはじめ、やがて生瀬さんと竹中さんの遠い昔の因縁が明かされる。

ほんの少しの偶然が重なりあって起きる悲劇。
本人がそれとまったく気がついていないところで、関わりのない人の運命を変えてしまっている恐ろしさ。
優しさや気遣いから生まれる溝のようなもの。

どれも、普通に私たちの回りにあることで、何かの拍子に手を伸ばしてしまった先でうっかり掴んでしまうのかもしれない。
いいことも、悪いことも。

劇中、誰かが無意識に言った言葉に、竹中さんへの気配りが足りないような内容があり、別の誰かがそれをとがめる。
それを聞いていた奥さんの高橋ひとみさんが凛と言い放った言葉が心に残る。

ある場面で言っちゃいけないと思うことはことは、どの場面でも言っちゃいけないんじゃないか、と言うような意味のこと。

確かにそうかも。

どんな場面であれ、相手が誰であれ、人を傷つけたり不快にしたりすることは、必要なければ言わない方がいいに決まっている。
そういうシンプルなことって忘れてしまいがちだ。

夫への不信感、事故後仕事に行かず、ただ家にいるのに家事もせずに威張っていることへの苛立ちを隠しながら、常に全体を俯瞰して、鋭い一言を放つ高橋ひとみさんの役が個人的に一番好き。

タイトルに「火星」とあるように、火星が接近する年に色々な目にあった竹中さんと生瀬さんが演じる人たちっていう設定は別にあってもなくてもって気もするが。

思いの外、空席が目立っていたが、とても深くて面白かった。

次回のお二人のコラボが楽しみです❗





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