「リトル・ナイト・ミュージック」
主演 大竹しのぶ
日生劇場
息子たちと、ご近所の幼なじみクン達が、グループで英会話レッスンを受け始めたのは長男が小学6年生のころ。
かれこれ10数年前になる。
先生は私と同世代のオーストラリア人男性で、奥様は日本人。
奥様はパソコンの先生で、昔、ワード・エクセルの教室でお世話になった。
彼らは一度オーストラリアに帰国し、数年後また日本に戻り、現在は倉敷で暮らしている。
奥様のご実家が千葉なので年に一度は里帰りするのだけれど、そのときに必ず私に声をかけてくださり、ランチしたりする。
今回の里帰りも同様にお声をかけてくれたのだが、今年は一味ちがう。
ミュージカルのお誘いだ。
日比谷の日生劇場は何年ぶりだろう。ものすごく前に、幼なじみが上京したときに松たか子さん主演の「ジェーン・エア」を観て以来だと思う。
あのときは松たか子さんの透明な歌声に感動したものだ。
今、日比谷はミッドタウンがオープンして、景色が変わっている。
少し早めに待ち合わせて、できればミッドタウンタウンでお食事でも、と思ったがとんでもない。
まだ12時前なのに、レストランもカフェも長蛇の列。
では、並ぶことなんて一度もなかった日比谷シャンテへ、と思ったら、こちらもどのお店もかつて見たことのない長蛇の列。
ミッドタウンをあきらめた私達のような人達が押しかけたのだろう。
ミッドタウンが出来たらシャンテは潰れるんじゃないか、と危惧していたが、相乗効果とは。
ナメてました💦
開演まであまり時間のない私たちは、比較的 列が短く、回転が早い中華のお店でパパッと食事を済ませ、劇場へ。
2階席なので、ちょっと遠いけれど、今日はちゃんとオペラグラスを二人分持ってきた。
中年の弁護士フレデリック(風間杜夫さん)は18歳の妻アン(連佛美沙子さん)と再婚したが、妻が若すぎてどうしたらいいかわからない。
息子のヘンリック(ウエンツ瑛士さん)は自分と年の違わない義母アンに恋心を抱いている。
フレデリックとアンが観に行った舞台の主演女優デジレ(大竹しのぶさん)はフレデリックの昔の恋人。
それに気が付いたアンは怒って帰ってしまい、フレデリックは安らぎを求めてデジレの家へ。
そこへデジレの現在の恋人で、既婚者のマルコム伯爵(栗原英雄さん)が偶然来訪。
浮気をしてるのに悪びれもせず、自分にデジレとフレデリックのことを調べさせることに腹を立てたマルコム伯爵の妻シャーロット(安蘭けいさん)はアンと一致団結。
そしてこの全員がデジレの母(木野花さん)と娘(トミタ栞)が住むデジレの実家に集結し、ぐだぐだの一夜を過ごす。
この様子が歌と踊りを交えて進行する。
日頃、ミュージカルはあまり観ることがない。
個人的にはあまり惹かれないのだ。
劇団四季も何度か観たけれど、リピーターにはならなかった。
なぜだか、セリフが歌になってしまうと、すっと頭に入ってこない。
あまり観ないので、比較ができないけれど、このミュージカルはビミョーな気がする。
なんだかストーリーに深みがないように感じたが、そういうものなんだろうか。
風間杜夫さんの歌唱力が残念。
むしろ歌わないほうがよかったのでは、と思う。
でも、ちょっと気弱で、決断力にかけて、女に振り回されるちょっと情けない男を、とてもコミカルに楽しく演じていて、さすがだなあと思う。
大竹さんとの掛け合いもテンポが良くて楽しい。
その他大勢の召使の役の人たちの歌も踊りもクォリティが高いので、差がはっきりしてしまうが、メインキャストはそこまでじゃなくてもいいってことなのかしら。
そんな中、歌わないけどチクリと一言皮肉なセリフを低い声でつぶやく木野花さん存在感がすごい。
ディズニーアニメの歌の途中で、魔法使いのおばあさんみたいな人がチクリっていうあの感じ。
結構ドロドロな男女の関係だけど、さらっとハッピーエンド(?)となって、気が付くとカーテンコール。
え?これで終わり?
というなんだか不思議な時間。
以前に見た「ピアフ」の大竹しのぶさんの歌の迫力とギャップがありすぎ、なんだかもったいないなあ~と消化不良気味。
なにか違うものを求めてしまっていたのかもしれない。
ミュージカルのそもそもがわかってないので、単なる好みの問題なのかも。
ただ、誘っていただかなければ、自分では決して観に来ないであろうジャンルを垣間見るのは興味深い。
観劇後、再び日比谷シャンテに戻ってお茶をいただく。
栗原はるみさんプロデュースの「ゆとりの空間」というカフェは、いつもは並ばずに入れるけれど、お昼と同様この時間でも人が並んでいる。
でもカウンターでもいいです、って言ったので、すぐには入れて、ゆっくりお茶しながら、お昼に話しきれなかった近況をお互いに報告する。
向上心がちょっと足りない息子たちは、結局英語がペラペラになることはなかった。
でも、英語を嫌いになることもなく、幼馴染クンの一人はこの春中学校の英語の先生になった。
遠くから成長を見守っていただいているお二人は、子供たちにとって、親戚のおじさんおばさんみたいだ。
久しぶりの上京で、会いたい人がたくさんいるに違いないのに、わざわざお声をかけてくださり、私との時間を作ってくれた奥様に感謝。
思い出していただけて嬉しかったです。
これからも、彼らの成長を見守りつつ、私と遊んでください。
またお会いしましょう
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