ゆるゆるらいふ

とりあえず、今日も一日機嫌よく・・・

【観劇メモ】笑う巨塔

2018年04月08日 | 演劇

「笑う巨塔」~タクフェス春のコメディ祭~
作・演出 宅間孝行
東京グローブ座

病院のロビーだけで繰り広げられるこの舞台。
かつて、戯曲セミナーで習った基本通りの役者さんたちの出たり入ったりが気持ちいい。

5階ロビーという設定なので、階段・エレベーター・病室に続く廊下・トイレから、役者さんたちが現れ、消えていく。
とりわけエレベーターの到着時の「チン」っていう音と共にエレベーターのドアが開き、人が出たり入ったり、そのたびに笑いが起こる。
完全な「お約束」なんだけど、笑っちゃう。

ストーリーも、ほかの人が末期のがんで余命1か月というのを自分のことだと勘違いした鶴太郎さん演じる「親方」と取り巻く人たちのドタバタなんだけれど、
展開が見えていても面白い。

タクフェスの舞台では、途中必ず宅間孝行さんがアドリブで無茶ぶりをする。
その瞬間、ベテランの俳優さんでも、いきなり「素」に戻るのがまた楽しい。
鶴太郎さんなんて、ヨガにはまって友達がいなくなった、なんて悩みを打ち明けちゃうし

宅間さんの役は、かつて親方のもとを飛び出して不義理をした職人、富雄。
職人ルックが完璧に似合っている。



富雄のことが好きで、お見舞いに来てほしいと頼んだ親方の娘ふみは元AKB48の篠田麻里子さん。
かわいい



ふみがあまりにもきれいになってるので、そうとは気づかず、親方の弟子の女の子をふみだと思っている富雄。

同じ病院には総裁選を控えた政治家が入院し、秘書たちがそのことを隠そうと必死に言い訳を考えていたり。
今の国会での逃げ台詞が飛び交い、「首相だってこれで逃げ切ったんだから大丈夫」なんて言っている。
こうして改めて聞くと国を代表する人たちは、公の場でほんとに情けない言い訳をしてるんだなあ、と再認識する。

終始勘違いのドタバタで、笑い続けるのだけれど、ちょっと涙ぐんじゃうシーンもあった。

余命1か月だと思い込んでる弟子たちは、親方に闘病日記を書くことを進める。
文章なんて書いたことのない親方は、とんちんかんなことばかり書いているのだが、日記をやめて奥さんへの手紙にした、と読み上げる。

ちなみに奥さんはかとうかずこさん。

手紙は小さな日常の一つ一つを拾い上げ、その一つ一つにありがとう、と感謝の言葉を添えている。

「好物の佃煮がいつも食卓にありました、ありがとう」
「いつもビールが冷えてました、ありがとう」
「でかけるとき、玄関の雪駄がいつもきちんとそろってました、ありがとう」
「娘をいい子にそだててくれました、ありがとう」
「結婚してくれてありがとう」
「離婚するって言わないでくれてありがとう」

この小さな「ありがとう」を聞いているうちに、涙がつ~っと流れた。

私は毎日の小さなことにちゃんと感謝してきただろうか。

この日一日を振り返ってみても、
「留守番の間にお掃除してくれてありがとう」
「気持ちよく送り出してくれてありがとう」
「私だけ遊んでたのに、笑顔でお帰りって言ってくれてありがとう」
とたくさんの「ありがとう」が浮かんでくる。

気づかせてくれて「ありがとう」だ。

で、またすぐにドタバタに戻っていくのだけれど・・・。

タクフェスはとにかく楽しい。

開演を待つ間も、終演後、カーテンコールの後も観客へのサービスが徹底している。

開演前にひたすら禁止事項のアナウンスを繰り返すのとはちょっと違って、電源を切らなくても機内モードでもいいですよ~と呼び掛けている。
これは、カーテンコールの時は撮影が可なので、電源から切っちゃうと立ち上がるまでに時間がかかることへの配慮かもしれない。
今回は無かったけれど、今までは上演中にも記念撮影タイムがあって、古い携帯の時は電源を入れてる間に撮影タイムが終わっちゃって残念だったこともあった。
全体的に緩めのルールではあるが、今までタクフェスでの携帯電話のマナー違反には遭遇したことがない。

開演前はふれあいタイムと称して、パンフレットやグッズを買った人たちへのサイン会と記念撮影。
同時進行で、楽屋の差し入れなどを観客にプレゼントするじゃんけん大会。
会場の子供たちを舞台に呼んで、お菓子をあげたり。
宅間さんご本人による前説があったり。



この間も撮影は自由。

そして、カーテンコールの間も、撮影自由だ。



カーテンコールの後は、出演者全員でダンスタイム。
高齢の皆さんは大変そうだが、楽しそうだ。

以前にはダンスタイムもアンコールに答えて、3回踊った時もあったけれど、この日は夜の部もあるので、と1回で終わった。

それにしても、このところ、「前の席に頭の大きな人が座る」率が極めて高い。
この日も



ずっとこんな見え方
しかもこの人が良く動くので、私まで動いてしまう・・・。
頭が大きく、座高が高いのはその人のせいではないけれど。

タクフェスの次の作品は「あいあい傘」というタイトルで、秋に舞台と映画が同時に公開になるらしい。
今から楽しみだ。

このところ、笑える舞台を観ることが多かったので、この春は免疫力がグンとアップしているに違いない。
新年度も頑張りましょう







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