観察館日記

藤前干潟の庄内川河口部にある名古屋市野鳥観察館の日記帳です。

ハヤブサの狩り

2017-12-22 20:17:02 | 冬の藤前干潟

藤前干潟
今日の満潮時間 8時30分 潮位219cm
今日の干潮時間14時08分 潮位 94cm

 

今日の庄内川河口は暖かく穏やかな日で、バードウォッチャーやカメラマンの方が多く来館されました。

名古屋市内の小中学校は今日は終業式ということで、お昼頃からは家族連れの来館もありました。明日から冬休みなんですね~。

 

昨日飛来したツクシガモを見に行ったところ、1羽増え、3羽になっていました。

干潟の泥の中にくちばしをつっこんで餌を食べるツクシガモたち↓。

 

このツクシガモを観察していると、すぐ近くに若いハヤブサが現れました。

何度も急降下しては浮上して、急降下しては浮上して、を繰り返すハヤブサ。

 

獲物を追い込んでいるらしいことはわかりましたが、最初のうちはヨシ原の向こう側に降下していたため、何をしているのかはっきりとはわかりませんでした。

しかし、次第にヨシの生えていない下流に移動してきて、何をしているのか見えました。コガモを捕まえるため、ハヤブサはコガモの上を何度もかすめていました(水しぶきを上げているのは、ハヤブサから逃げるために水に潜ったコガモ)。

何度もコガモを捕えようとするのですが、その度にコガモは水に潜るため、ハヤブサは捕えることができません。

そのうちに、コガモ(↓の左上)は徐々に逃げて、近くにいたオナガガモの群れ(↓の手前)に何とか合流。こうなると、ハヤブサは手出しができず、あきらめて去っていきました。しかし、15分程度はコガモを捕えるため、急降下と浮上を絶え間なく繰り返しながら飛び続けていたと思われます。

コガモが間近に逃げてきて、ハヤブサもとても近くに来たので、ツクシガモもさすがにこの時は干潟から川へ入り、オナガガモの群れと一緒になってしばらく泳いでいました。

一般的には、上空からの奇襲を得意とするハヤブサ。

逃げて川に潜ったカモのすぐ上をチュウヒがホバリングし、しばらくして息を我慢できなくなって浮上したカモを捕まえるところは見たことがありますが、ハヤブサはそのようなホバリングは得意ではないと思われ、急降下と浮上を繰り返しながらコガモを捕える瞬間を狙っていたのではないかと思われます。

 

この他、今日の干潟で観察できた鳥たちをご紹介します。

護岸のすぐ近くを飛んでいたズグロカモメ↓。写真に写るのは若い個体でしたが、成鳥も飛んでいました。

カワウの群れ。頭や足の付け根が白色の(繁殖期の婚姻色が出ている)個体も多くなってきました。

ハヤブサが去ってしばらくすると、干潟に飛来したシロチドリ↓。餌を泥の中から見つけ出していました。

たまに上空を確認する姿がかわいらしいです。

しばらく座って動かずにいるシロチドリもいました。

上の個体は全身が淡い色合いですが、下の写真の個体は目の周りなどがはっきりとした色合いでした。

 

そして、今日は、ミサゴの飛来数は少なかったものの、狩りで川に飛び込むミサゴを何度か観察できました。

ウグイの仲間と思われる魚を捕まえたミサゴ↓。

 

また、野鳥観察館の水たまりには、今日はウグイスが水浴びに来ているのを観察できました。

 

最後は、冬至の日の今日の夕日です。

 

【1月14日のテレビ番組のお知らせ】

来年1月14日にNHKのテレビ番組「さわやか自然百景」で藤前干潟が紹介される予定です。

この番組、日曜日のちょうど朝食の時間帯に放送されるということで、ご覧になっている方も多いのではないでしょうか。

10~11月に撮影された藤前干潟の自然の風景が紹介されるのではないかと思います。ぜひご覧ください。

放送予定日時:2018年1月14日(日)午前7時45分~午前8時00分(NHK総合)
(再放送は、BSプレミアムにて1月20日(土)午前8時15分~午前8時30分)

 

今日観察できた主な野鳥 ハジロカイツブリ3、カンムリカイツブリ154、カワウ1,711、ダイサギ6、コサギ11、アオサギ29、ツクシガモ3、マガモ13、カルガモ28、コガモ48、オカヨシガモ14、ヒドリガモ7、オナガガモ568、ホシハジロ107、キンクロハジロ19、スズガモ168、ホオジロガモ1、ミサゴ8、トビ1、ハヤブサ1、シロチドリ51、ダイゼン23、ハマシギ541、イソシギ2、ダイシャクシギ5、ユリカモメ29、セグロカモメ5、オオセグロカモメ2、カモメ1、ズグロカモメ23

 

明日の満潮時間 9時04分 潮位213cm
明日の干潮時間14時44分 潮位 98cm

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ツクシガモ再来

2017-12-21 19:44:29 | 冬の藤前干潟

藤前干潟
今日の満潮時間 7時57分 潮位225cm
今日の干潮時間13時34分 潮位 91cm

 

今日のお昼頃、庄内川河口の干潟にツクシガモ2羽がいると鳥獣保護区管理員さんから教えていただき、見に行ってきました。 

干潟には、オナガガモがたくさんおり、庄内川河口にカモのにぎわいが少し戻ってきたようです。

そのオナガガモの群れから少し離れたところに大きな白いカモが2羽。いました、ツクシガモです。12月8日に一度飛来が確認されていましたが、また飛来したようです。

干潟の泥にくちばしを突っ込みながら歩くツクシガモ。なかなかその赤いくちばしがしっかり見えませんでしたが・・・、

急に2羽揃って駆け出しました。後ろからハシボソガラスがちょっかいをかけにきていました。 

ハシボソガラスはその後も数回追いかけに来ていましたが、もはやツクシガモはほとんど逃げることなく、夕方まで干潟で餌を食べていました。

 

近くにいたセグロカモメ↓。 

 

また、最近、「冬の間、カニはどうしているのですか?」と聞かれることがあります。12月も後半に入りましたが、今日の昼間は、ヤマトオサガニが泥の上で食餌をしている様子を観察できました。日差しがあり、暖かい日には、冬でもヤマトオサガニを見ることができます。しかし、暑い頃に比べると、泥の上に出ているカニの数は少なく、その動きもゆっくりです。 

そのヤマトオサガニを狙っていたのがカニが大好きなズグロカモメ↓。水際をじっと眺めており・・・、

急に頭から突っ込みました。しかし、この時はカニには逃げられていました。

しかし、その直後、干潟の上をフワッと飛んで、急降下し、カニを見事に捕まえていました。そして、この後、カニを丸飲みしていました。

近くにいたダイゼンもヤマトオサガニを捕まえていました。しかし、ダイゼンにとっては大きなカニ・・・。どうやって食べるかと思っていたら、

くちばしでつついたり、挟んだりして、小さく分解して、

少しずつ食べていました。

 

なお、今日観察できたシギ・チドリは、シロチドリ23、ダイゼン67、ハマシギ540、ダイシャクシギ5 でした。

 

そして、一昨日の野鳥観察館前の水たまりの様子をご報告します。

一昨日の水たまりには、たくさんの小鳥たちが水浴びに来ており、大賑わい。

特に多かったのがメジロ。次々水たまりにやってきて、メジロのお風呂と化していました。

メジロのお風呂では、ウグイスや、シジュウカラが混浴しているのも観察できました。

この他、ヤマガラや、

12月17日にも公園内で観察されたコサメビタキ、

ヒヨドリなどもやってきていました。

今日も小鳥たちで賑わうかと思っていたのですが、今日は野鳥観察館周辺の松の木の上で、カラスたちが何度か鳴いて騒いでおり、どうもタカの仲間がいたようで、小鳥たちは水たまりにはやってきませんでした。周辺には小鳥たちはいたのですが・・・。

 

最後は、今日の夕日です。夏至の頃に比べると、かなり南の方に太陽が沈みます。明日は早いもので冬至ですね。

 

明日の満潮時間 8時30分 潮位219cm
明日の干潮時間14時08分 潮位 94cm

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雪が舞いました。

2017-12-17 17:23:32 | 冬の藤前干潟

藤前干潟
今日の干潮時間11時24分 潮位 92cm
今日の満潮時間17時03分 潮位219cm

 

今日はまた寒さが戻り、朝は庄内川河口周辺にも雪が舞っていましたし、鈴鹿の山々はさらに白くなっていました。

こんなに寒い日でしたが、今日は庄内川河口の干潟表面に生息するカワザンショウガイという小さな巻貝の分布調査が実施されました(主催:NPO法人藤前干潟を守る会)。この調査は、カワザンショウの分布を知ることで、干潟およびヨシ原の環境がどのように変化しているのか、もしくは変化していないのかを推察することを目的として行われています。

干潟やヨシ原の泥を採取してきて、これを篩った後、ヨシくずなどの中からカワザンショウガイだけをみつけて分離するという今日のこの調査。毎年、寒いこの時期に実施されるのですが、今年もやはり寒い日となりました。

例年よりたくさんの方の参加があり、作業は順調に進みましたが、昨年よりカワザンショウガイの数がかなり少ない印象だったのが気になります(カワザンショウガイの詳細な同定やカウントは、今日の講師だった底生生物の専門家の方が明日以降行うので、調査結果が分かるのは後日になります)。

 

このカワザンショウガイ調査をを行っている間、間近で餌を捕っていたダイゼン、ハマシギ、シロチドリ、イソシギ、ユリカモメなどもよく観察できました。

ダイゼン↓。

 

ハマシギ↓。

 

 

ユリカモメ↓。

なお、今日の庄内川河口ではダイシャクシギが今までより1羽増え、5羽を観察できました。

 

また、稲永公園では、今日もメジロをたくさん観察できました。

さらに、こちらのヒタキの仲間も観察できました。最初はこの季節に見られるのであれば、オジロビタキかニシオジロビタキだと思いましたが、よくよく見てみると季節外れのコサメビタキのようでした。

 

※明日(18日(月))は休館日です。
明日の干潮時間11時58分 潮位 90cm
明日の満潮時間17時34分 潮位221cm

19日(火)の干潮時間12時31分 潮位 89cm
19日(火)の満潮時間18時04分 潮位222cm

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昨日と今日のご報告

2017-12-16 19:51:50 | 冬の藤前干潟

藤前干潟
今日の干潮時間10時46分 潮位 95cm
今日の満潮時間16時31分 潮位215cm

 

今日は曇りでしたが、寒さが少し緩み、風も少なく穏やかな日で、バードウォッチングに訪れる人が多い一日でした。

東海市から来館された自然観察会のグループは、かなり長い間、熱心に野鳥観察をされていました。

ちょうどカワウの群れが庄内川河口の干潟に次々と降り立つところや、くちばしの長いダイシャクシギが餌を探している様子、そして流木に止まっているミサゴが餌を食べている様子を見て喜んでみえました。

 

昨日はブログを更新できなかったので、まずは昨日の庄内川河口の様子からご報告します。

昨日の庄内川河口で観察できた シギ・チドリの仲間は、シロチドリ16、ダイゼン80、ハマシギ478、イソシギ1、ダイシャクシギ4 でした。

時折、ハマシギなどが群れ飛ぶ姿を観察することができました。

ハマシギとダイゼンの群れ↓。

こちらはハマシギの群れ↓。

護岸近くの干潟では、ゴカイを食べるダイゼンを観察できました。

さらに、ヤマトオサガニを食べるズグロカモメも観察できました。成鳥もいましたが、写真に写るこの個体は若い個体です。

そして、とても久しぶりに野鳥観察館の前の水たまりに小鳥を観察できました。やってきたのはシジュウカラ2羽。水浴びをしていきました。

 

続きまして、今日の庄内川河口と稲永公園のご報告です。

今日は曇りだったせいか、800羽を超えるハマシギを確認できましたし、護岸のかなり近くでハマシギなどを観察できました。

餌を探すハマシギ↓。

コンクリート護岸を歩いていたシロチドリ↓。

(※ハマシギとシロチドリの写真は地元のHさんに提供いただきました。)

まだオナガガモの数は少ないですが、護岸の近くで観察できたオナガガモ↓。潮が満ちて来て、この後、水面に浮かんだまま顔を背中にうずめて休んでしまいました。

 

稲永公園では、今日はメジロをたくさん観察できました。メジロは群れになり、木々を次々移動して餌を探していました。

その中で、みつけたのがこちら↓。かろうじて後姿を撮影できましたが、わかりますでしょうか。メジロの群れに誘われてやってきたと思われるキクイタダキでした。

こちらはシジュウカラ↓。

木の下の地面では、アオジが餌を探していました。

今日もピラカンサにはシロハラの姿がありました。

ジョウビタキ(メス)の姿も。

また、アキグミの木の下では、地面に落ちているアキグミの実を食べているハシボソガラスもいました。

アキグミにはメジロやカワラヒワ、ツグミなど、多くの小鳥たちが集まってくるのですが(アキグミに訪れる小鳥の様子はこちら→11月28日の日記)、下の方の枝や地面には小鳥の糞や食べかすなどがいっぱい落ちています。

そしてそんな地面を見ていると、こんなものも数個発見しました。赤いグミ色の細長い塊。これはアキグミを食べた後の糞だと思いますが、小鳥にしては大きいですし、白色の部分もありません。(糞の中の細長い黄色いものは、アキグミの種です。)この糞の落とし主は恐らく・・・、

こちらの動物↓ではないかと思われます。タヌキは稲永公園やその周辺でたまに見られるのですが、今日は昼間に公園内を歩いていたと教えていただきました。

(※タヌキの写真は地元のHさんから提供いただきました。)

稲永公園は、鳥だけでなく、様々な生きものの生きる場所となっています。

ちなみに、今日、稲永公園で観察できた野鳥は、メジロ、キクイタダキ、シジュウカラ、ヤマガラ、アオジ、シロハラ、ツグミ、ヒヨドリ、スズメ、カワラヒワ、ウグイス、ジョウビタキ、キジバト、ハクセキレイ、ハシボソガラス でした。

 

明日開催!12月17日(日)カワザンショウガイ調査@稲永ビジターセンター(主催:NPO法人藤前干潟を守る会)→詳細はこちら(NPO法人藤前干潟を守る会HP)

☆2018年1月20日(土) 藤前干潟の渡り鳥調査隊~1月~@名古屋市野鳥観察館
 渡り鳥調査隊は、野鳥観察と鳥類調査を行う野鳥観察館のイベントです。→詳細はこちら(PDF)

☆2018年1月20日(土)藤前干潟サイエンスカフェ「フクロエビ類ってなぁに?ヨコエビをはじめとする小型甲殻類の暮らし」@稲永ビジターセンター(主催:藤前干潟ふれあい事業実行委員会)→詳細はこちら(11月23日の日記)

☆2018年1月21日(日)第7回ごみと水を考える集い@藤前会館(主催:藤前干潟クリーン大作戦実行委員会等)→詳細はこちら(藤前干潟クリーン大作戦HP)

 

今日観察できた主な野鳥 ハジロカイツブリ7、カンムリカイツブリ140、カワウ1,550、ダイサギ2、コサギ5、アオサギ42、マガモ8、カルガモ46、コガモ99、オカヨシガモ4、ヒドリガモ9、オナガガモ608、キンクロハジロ5、スズガモ122、ミサゴ17、チュウヒ1、ハヤブサ1、シロチドリ60、ダイゼン80、ハマシギ875、コアオアシシギ1、アオアシシギ1、ダイシャクシギ4、ユリカモメ18、セグロカモメ9、オオセグロカモメ4、カモメ4、ウミネコ3、ズグロカモメ15

 

明日の干潮時間11時24分 潮位 92cm
明日の満潮時間17時03分 潮位219cm

※明後日(18日(月))は休館日です。
明後日の干潮時間11時58分 潮位 90cm
明後日の満潮時間17時34分 潮位221cm

19日(火)の干潮時間12時31分 潮位 89cm
19日(火)の満潮時間18時04分 潮位222cm

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カニが好きカモ

2017-12-14 23:37:07 | 冬の藤前干潟

藤前干潟
今日の干潮時間 9時13分 潮位100cm
今日の満潮時間15時17分 潮位203cm

 

今朝はとても冷え込みましたね。

車のフロントガラスに氷が張っていて、寒さを実感しました。

そして、野鳥観察館に出勤して西を望むと、鈴鹿の山々の頂上付近が一晩でかなり白くなっていました。

昨日から今朝にかけて、雪が積もったようです。ここまで白くなったのはこの冬、初めてだと思います。

日中は太陽は出ていたものの、強く吹く伊吹おろしが身にこたえる日となりましたが、野鳥観察館周辺は小鳥たちでにぎわっていました。

ナンキンハゼの枝先では、ヤマガラが残り少なくなった白い実を器用についばんで食べていました。ヤマガラはシジュウカラと一緒に行動しているようでした。

この他、ジョウビタキ、メジロ、シロハラ、ヒヨドリ、ハクセキレイが、強い風にも負けず、活発に飛び回って餌を探していました。

また、稲永公園を歩いていると、この小鳥たちを狙っていたと思われるハイタカ(メス)が目の前に現れてびっくり。このハイタカ、小鳥(恐らくシロハラ)を狙って2度地面に降りたものの、狩りには成功しませんでした。

 

一方の野鳥観察館前に広がる庄内川河口も、鳥でにぎわってはいるのですが・・・、

ハマシギ、ダイゼンなどのシギ・チドリの群れは毎日やってきており、今日はカワウの大きな群れも庄内川河口の干潟で長い間過ごしていたのですが・・・、

ここ一週間ほどカモの仲間が少ない傾向にあります。

特に多数飛来しているはずのコガモとオナガガモが少なく、庄内川河口は少しさみしく見えます。

 

少し前になりますが、約10日前の潮の良い日(12月2日(土))のカモでにぎわう庄内川河口の様子をご紹介します。

今思えば、まだまだ暖かく、穏やかな陽気だったこの日。庄内川河口に広がった干潟の周りには、たくさんのオナガガモが集まり、餌を食べていました(2日のオナガガモのカウント数は1,905羽でした)。

餌を食べているオナガガモをよくよく観察していると、干潟の縁で餌を食べているオナガガモ(↓の写真の手前)と、少し深い場所で頭を水の中に突っ込んで、お尻を水面に出して餌を食べているオナガガモがいることが分かります。

こちらは干潟の縁で餌を食べているオナガガモたち↓。 

泥と水をくちばしに含んで、すごい速さでくちばしをパクパクさせ、餌を濾しとって食べています。

「実際には何を食べているのですか?」と来館された方から最近よく聞かれます。食べているものが見えないので(可能ならば見たいのですが)、なかなか自信を持ってお答えできないのですが、干潟表面にあるケイソウなどのプランクトンや、同じく干潟表面や泥の中にいる貝などの底生生物などを食べていると思われます。

オナガガモが泥をくちばしに含んでいるのは見えるのですが・・・。

 

こちらは、少し深い場所で頭を突っ込んで逆立ちして餌を食べているオナガガモ↓。お尻だけがみえるこの光景は、来館者の方も興味深く観察されていることが多いです。特にオナガガモの特徴である長い尾がピンと上に立っていておもしろいですよね(オナガガモの英名はpintail(ピンテール=長くとがった針のような尾))。尾が黒色のカモがオスです。

この際、姿勢を垂直に保とうとして、バタバタと動く短い足も観察ポイントです。

来館者の方には「逆立ちしているオナガガモも、干潟の縁でくちばしをパクパクしているオナガガモと同じものを食べているのですか?」とも聞かれましたが、こちらの採餌の際は口元さえ見えないので、何を食べているのかやはりはっきり分かりません。しかし、逆立ちしているオナガガモも干潟の泥が縣濁した水を濾して餌を食べているのではないかと思っています。でも、逆立ち採餌の方が大変そうだな、と個人的には思うのですが、どうでしょう?

 

観察してしばらくすると潮が満ちてきて水深が増してきたため、オナガガモの群れは浅い場所(干潟が残る場所)を求めて移動していきました。

白色の首が目立つカモがオスで、メスは全身が茶色っぽい色です。

 

オナガガモの近くにはコガモもいました(↓の後方のカモ。手前はオナガガモ)。コガモは「子どものカモ?」と間違われることがありますが、子どものカモという意味ではなく、小さなカモという意味です。このコガモはオスで、目の周りの緑色が特徴です。

コガモは干潟での縁でオナガガモに混じり、くちばしをパクパクさせて採餌していました。

 

干潟の縁や水深の少し浅いところでほとんどのカモが採餌している中で、干潟の上を歩くカモがいました。

マガモでした。 緑色の頭のこちらのマガモはオス↓。

干潟の穴を探りながら足早に歩いていましたが・・・、

何と、泥の中からヤマトオサガニを捕まえました。

くちばしで咥えて・・・、

(くちばしアップ↓)

何度かくちばしで咥えて、カニをつぶしているようで、その後、ごっくんと飲み込みました。 

その後も干潟を歩き回って、何匹ものヤマトオサガニを食べていました。 

水たまりでカニをすすぎながら、くちばしで何度も咥えて、食べやすくしていると思われるところ↓。

図鑑などには、水草や植物の種を食べるとあるマガモ。こんなにヤマトオサガニを積極的に食べるマガモがいるとは最近まで知らなかったのですが、どうも干潟にはカニ好きなマガモがいるようで、このようなマガモを最近、何回か見かけました。

以前、干潟の縁で、鮮やかな早業でボラの稚魚を次々と捕えるマガモを見たこともありますが、そのとき以来のマガモについての驚きの発見でした。

 

最後はヒドリガモです。他のカモたちが食餌に忙しくしている中、ヒドリガモたちは干潟の縁でお休み中でした。 

おでこのクリーム色がチャームポイントのヒドリガモのオス(↓の手前)とメス(↓の後方)。

 

以上、カモの仲間がとてもよく観察できた2日の様子をご紹介しました。

現在の庄内川河口はカモの仲間が少ないとご報告しましたが、藤前海岸の前や周辺の田んぼなどで、オナガガモがたくさん確認される日もあり(今日は日光川水閘門前にたくさんのオナガガモがいたため、カウント総数は1,000羽を超えています)、このような状況は一時的なものだと思われます(毎年、カモの数が一時的に少なくなる時があります)。

まだまだ春までカモたちの季節は続きますし、カモも実は奥深い鳥だと思います。

ぜひ藤前干潟を訪れた際はカモにも注目してみてください。

 

今日観察できた主な野鳥 ハジロカイツブリ3、カンムリカイツブリ95、カワウ2,292、ダイサギ2、コサギ15、アオサギ15、マガモ50、カルガモ105、コガモ24、ヒドリガモ22、オナガガモ1,103、キンクロハジロ6、スズガモ428、ミサゴ14、トビ1、ハイタカ1、チュウヒ2、ハヤブサ2、シロチドリ26、ダイゼン64、ハマシギ416、イソシギ1、ダイシャクシギ4、ユリカモメ32、セグロカモメ6、オオセグロカモメ2、ズグロカモメ27

 

明日の干潮時間10時03分 潮位 98cm
明日の満潮時間15時57分 潮位209cm

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