Reflections

時のかけらたち

「モリのいる場所」と「海を駆ける」 ・・・ Mori, The Artist's Habitat & The Man from the Sea

2018-07-11 23:54:11 | movie


7月1日はブルーの病院が午前中に入っていたので、病院に連れて行った後、その週で終わってしまう「モリのいる場所」を午後見に行きました。
熊谷守一展で映画が作られていることを知りました。



最終が近づいていたせいか、こういう映画にしては人が結構入っていて、しかも若い人たちが多かったのが
驚きでした。ゆったりと別の時間が流れてた、そんな感じの映画でした。静かな笑いがあちこちでおきました。
思わず笑ってしまいます。 それに脇役も含めキャスティンがすばらしかったです。

彼の宇宙は小さな庭で自然は彼を飽きさせなかった。
夜になると「学校に行かなくっちゃ」と画室にこもって絵を描く生活。

何か見た後にとても豊かな気持ちになれる映画でした。






もうひとつ見たかった映画が終わってしまうので、別の日に見に行きました。
実は同じ映画館で上映されていたので、見ようと思えば時間を少しおいてみることができましたが、
どうも一日に二本はキャパを超えています。ブルーのことがあって、見に来れないと思っていましたが、
まさか翌日に亡くなってしまうとは思ってもみなくて。いろいろなことを済ませて 4日に見行くことができました。





こちらはモリの映画と違って、わかりづらいところがありました。能のように本人の創造力で見る映画です。
スマトラ沖地震、第二次世界大戦、インドネシアの内戦、生きること、死ぬこと。すべての命を生み出す根源の海。
メタファーのような、ドキュメンタリーのようなファンタジー。
命を奪う海がまた美しくて。カメラがすごくよかったです。ディーンは監督のイメージにぴったり合ったようですが、
若い俳優さんたちの演技がすばらしかったです。
ディーンはその生活感のなさで、ラウ(海)という役がぴったりでした。
地球の上で生きているっということを感じさせる映画でした。

そういえば、蝶々は死者の世界とこの世界を繋ぐということをどこかで読んだことがありました。
蝶々はなぜか私にとっても、ミステリアスで何か象徴的です。慕情という古い映画のラストシーンを
思い出します。


深田晃司監督は最近映画館でも特集されるくらい注目の監督。
デジタルの朝日新聞に解説が載っていました。

 アチェ州は2004年のスマトラ沖地震の巨大津波で約17万人が犠牲となった。未曽有の被災地を舞台に、人間の道理や
思惑に関わりなく禍福をもたらす自然の摂理を、ひとりの謎の男に体現させた、奇妙な後味のするファンタジーだ。

 オリジナルの脚本も手がけた深田晃司監督(38)は、前作「淵(ふち)に立つ」が16年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門で
審査員賞を受賞した新鋭。東日本大震災に見舞われた11年の暮れ、日本とインドネシアの大学がアチェ州の州都バンダアチェで
共催した防災シンポジウムに撮影係として参加した時から、この地で映画を撮りたいと思い始めたという。

 「漂着船の残骸も撤去せずに周りで観光土産を売っている。家族を失った人に心情を聞くと、神様が望んだことなんだから仕方がない
と割り切っている。津波の受けとめ方が日本とはまるで違っていたことにカルチャーショックを感じたことが発端でした」と語る。





スクリーンにも深田監督とディーンのインタヴュー記事がありました。


帰りがけに伊勢丹でフランチャコルタを初めて買ってしまいました。Lauraというワイナリーのオーナーがサインをしてくれました。
Laut(インドネシア語で海)にも似ているような感じがして。なんだかブルーのことでボーっとしています。





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