Reflections

時のかけらたち

嵐の中の伊勢路歩き~終わり良ければ総て良し・・・walking the Ise Road (Kumano) in the storm - all's well that ends well

2024-05-31 23:59:00 | wonderland

5月27日~29日の伊勢路歩きは、ずっと天気予報は雨であまりよくなさそうで3日目は晴れそうということでしたが、
こんな早い時期に台風発生のニュースも直前にあり、リフォーム引越しの後片付けでなかなか時間が取れず、例によって
計画の詰めが甘く大変でした。
出発の朝、写真がたくさん載っていた一石峠・平方峠を打ち出したりして・・・当初のツヅラト峠も無理そうと。
2日目も馬越峠の代わりに波田須の道へのシフトを考えていました。3日目の丸山千枚田だけ予定通りに行くことができました。

異例ずくめの今回の旅。初めて熊野古道に行ったときと同じように一眼レフのカメラは荷物を軽くするために持って行かないことを
決めていました。本当は丸山千枚田はこのカメラで撮りたかったのですが、歩くのに専念するためと荷物はいざとなれば持ってくれる
と言う友人に負担をかけすぎてはいけないと思ったからです。

チケットも特急「南紀」の本数が一日に4本くらいしかないので、朝早く「のぞみ」で行くため「大人の休日倶楽部」ではなく
スマートEXで取り、Pasmoに紐づけして改札を通りました。初めてなので改札を通れるかドキドキ・・・東京駅からの乗る指示で
買ったチケットが品川からを認識してくれるか確認したら、新横浜からはすぐ乗れないけれど品川からはOKとのことでした。

名古屋からも友達がフリー切符を買っておいてくれて在来線と新幹線の連絡口で渡してもらって通過するということで
乗り換え時間が少なくちょっとスリリングでした。無事8:02発「南紀2号」に載って紀伊半島に向かって進みました。

半島を巡る特急はトンネルをくぐるたびに天気が目まぐるしく変わって晴れたり、降ったり・・
久しぶりに会った友人とはおしゃべりし通しで10:24に紀伊長島に着きました。

最初の計画ではツヅラト峠を歩くためもっと手前の多気か三瀬谷で乗り替え梅ケ谷で降りる予定でしたが、雨のため
進路変更で難易度の低い一石峠・平方峠を歩くことにしました。

駅は無人駅でなく、駅員さんがいましたが、道のことは全くわからず、観光案内もなくて確認ができず
雨具を装備して歩き始めましたが、要所要所の写真がついているブログの記事を手掛かりに行ってもよくわからず
同じ所を2周しながら進みました。最初の目的地長島神社に行くのにもやっと人がいて、尋ねることができました。

後から他の人のブログなど見て道をたどってみましたが、ほとんど道案内がないとの苦情コメントがあり、納得。駅でさえ
観光のサービスが全くなしでした。

レトロな町を巡って、まずは最初のチェックポイントに着きました。




ここからの歩きが大変で、長島トンネルをくぐったのが間違えでした。

大きな道路沿いを歩いて、引き戻し、橋を渡って雨もひどくなったのでちゃんと装備して、お店の人に
道を聞いたところ、そこは駅の近くでした。あんなに歩いたのに元に戻っていたのです。入り組んだ入江のある場所は
方向感覚も無くなり、何が何だかわかりません。キツネにつままれたようでしたが、駅に戻って仕切り直すのも
結局電車を待つことになるのも嫌で、先に進むことにして熊野古道一石峠に向かう道を教わりました。

今度はトンネルは通らず、橋を渡って道なりに歩いて行けばその先の右に入る道があるからと言うことでしたが
トンネルを通らなくてもまた紀伊長島駅に戻っていました。この「千と千尋」に出てくるようなゴーストタウンの
ような街で無限ループにハマってしまったようでまるで不思議の世界です。

あのレトロな景色見たことあるよね~なんてふたりで顔を見合わせて頭の中は??でした。そんな時に車で仕事中の
すてきなネックレスをした上下真っ白い服のおじいさんがどこに行くのと声をかけてくれました。ちょっと昔のヒッピーの
ような成り立ちでした。私たちを何回か見かけたので道に迷っているかと思ったと親切に車を停めて話しかけてきました。
ここから峠を3つ越えて三野瀬に行くには時間がかかるので三野瀬の先にちょうど行くので熊野古道始神峠に行くといいと
勧めてくれてお言葉に甘えました。友人はこういう親切には甘えないタイプなので、断るかと思ったら、今回はこれしか
方法がないと思ったらしく私も助かりました。私にはこのおじいさんが天使のように見えました。 行先の始神(はしかみ)
といいレトロな宮崎駿の世界のような港町と言い、まったく現実世界とは思えませんでした。

宿の近くのさくら広場まで連れてきていただきました。熊野古道始神峠の登り口があり、またここに
戻ってくるルートの案内がありました。宿もすぐ近くです。

1時半過ぎにやっとランチタイム。サラダとおにぎり2個と茅乃舎の出汁を入れたキャベツ入りの和風メンチカツと
八ヶ岳から届いた葉物のサラダだけです。前夜に作っておきました。

雨も上がり、青空が見えてきました。

計画にはなかった峠でしたが、熊野古道にせっかく来たのだからと歩き始めました。


花もいろいろ咲いていました。


いくつも橋を渡りましたが、恐いようなものもありました。

とにかく雨がたくさん降ったので、苔や石は滑りやすく、難易度が低いとはいえ峠は峠です。

途中道に上から水が流れ、滑りやすく危険になったので、見かねた友人が荷物を持ってくれました。
水や装備も全部持っていた友人のリュックは20kg近く私のは10kgくらいあったので申し訳なかったのですが、
助かりました。とにかくすべるのが恐くて、腰が引けます。

登ってきた下の変電所や入江が見えました。ここが峠の頂上のようで、ここから明治道を通っても抜けられる
のですが、距離が倍以上で国道に出ても遠くに行ってしまうので、戻る方がいいと説得されて急な道を戻る
ことにしました。難易度★一つでも侮れません。

やっと浜に戻り、海岸を宿まで少し歩きました。

宿の2階のロビーで計画を立てたりしましたが、着いてすぐそこでお茶をいただきほっとしました。
宿の方にあのトンネルは住んでいる人でも錯覚に陥って迷うと話してくれました。


割烹の宿「美鈴」は家族でやっている民宿ですが、地元の豊かな食材で宿の料理人が作ってくれる和食は最高でした。
とても気持ちのいい宿でした。

翌日は雨がさらにひどくなる予報だったので、計画を立て直し一番行きたかった馬越峠をあきらめて、波田須の道を歩くことに
しました。

とてもおいしい朝食の後、近い三野瀬の駅に車で送ってくれました。ここも無人駅でしたが遭難しそうになった
波田須駅は屋根のある建物もなく、ベンチの上にだけ雨をよける屋根があり、両サイドにガラスがはまっているだけの
駅のホームでした。

新鹿駅で降りて海岸に降りて行きました。駅は無人でトイレがなく、海水浴場のトイレを使うよう指示がありました。
ここを歩いていた時に反対側から歩いてきたバックパックの金髪の女の子2人に会っただけで他には誰も観光客に会わない
旅でした。

あとはサーファーが一人いただけ・・

国道311と熊野古道が時々クロスするということがガイドに書かれていましたが、なかなか糸口が見つからず
合流点についてしまいました。

国道をひたすら歩き、やっと徐福茶屋の所に来ました。上に波田須神社があり、熊野古道に続いていました。
熊野古道に入るには途中トンネルの前から古びた小けむした階段を登りトンネルをまたいで進むのが正解でした。

全身びしょぬれ、リュックまでかかるレインウエアも貸してもらいました。足先のは速乾性の素材の
ズボンだったのではかないで済ませてしまいました。

この下の方にある簡易トイレまでの坂道も滑りやすく、また上の波田須神社も雨の日には急坂過ぎました。
滑るのが恐くて動けなくなり、再び荷物を持ってもらい、足元を拾ってきた木の杖で支えてくれながら、滑らないように
急坂を降りました。

雨も土砂降りだしこれ以上進めないのでこの下の方の波田須駅に降りることにしました。


端っこに徐福の宮の鳥居が見えました。





だれもいない波田須駅に到着。12時台の次は16時台しかなかったのですが、臨時が13時台に出るので
待っていたら、日にち限定で6月と間違え、来ないことがわかりショック。どんどん風雨が強くなり
参宮線が強風のため運行できなかったり、遅延のお知らせをスマホで見て、電車だけは来てほしいと祈るような
気持ちでした。風雨が強くなり、じっとしていると寒いので体操したり歌を歌ったりして。嵐の中、3時間も
待ちました。

途中まだそれほど雨が強くない時に持って行ったマドレーヌとコーヒーで食事がわりとしました。

 

  

 ネットで風雨を耐えた波田須駅の写真を借りました。大変な時は写真が撮れなくて・・
  

やっと来た電車に乗って二駅先の熊野市まで出ることができ、遅延もなかったので、宿の送迎バスに
無事乗ることができました。そこから先の瀞流荘までは4~50分くらいかかったかと思います。

全身ずぶぬれだったのでまず温泉に入って体を温めて休めました。露天風呂からの雄大な熊野川が見えてすばらしい
ロケーションでした。お弁当プランだったので、部屋でお弁当を食べて、翌日の千枚田の予定はほぼ決まっていましたが、
確認してフロントと送迎の確認をしたところ、千枚田で一度下ろしてもらって、次のお客さんを送る時にピックアップして
くれるという嬉しいお知らせ。疲れて早めに寝ようと思ったけれど、少し遅くなってしまいました。帽子から何から何まで
洗ったり、乾かしたり・・大変でした。ドライヤーでもあまり乾かなくて。

  

そして翌日のこの晴!


朝食のお弁当もおいしかったです。

車で通り峠入り口まで送ってもらい、登り始めました。

子安地蔵までが通り峠ですが、そこから見晴らし台までがさらに急な坂でした。
前日の雨で水が上から流れてくるところもあり、滑りやすいところもありましたが、ちゃんと自分で荷物を背負って踏破できました。
見晴らし台の方はあまり雨水も残っていない道でした。映画「イーディ83歳 初めての山登り」を思い出して自分でも自分を励まし
ながら登りました。山登りでもないのに大変でした。

そのご褒美です。

 

迎えの車が来るので急いで反対側の通り峠登り口に降りたところ。もう少し時間があったら
千枚田の中を歩けたのでしたが、見晴らし台だけで終わりでした。2時間近く過ぎていました。

 

 

熊野市駅まで送ってもらう時に、花の窟屋の前の七里御浜を通りました。雪が降る花の窟屋を訪れた昨年歩いた道です。
運転手さんはここからの朝日を今度見てくださいと話していました。

熊野市でゆっくり切符を取って、食事をとりました。指定券がほぼ満席で驚きました。
帰りは眠たくて寝て帰りました。

今回も忘れがたい旅となりました。天使のおじいさんの顔が浮かんだりしました。宿泊地の方も皆とても親切でした。
何よりもいつもアドヴェンチャーを支援してくれる友人に感謝です。こんなに想定外の旅は初めてで、いろいろなケースや
交通の便が悪いところはよくよくいろいろなケースを考えておかなければならないと思いました。スマホでの位置情報も
チャンと確認してナビできるようにしておかないとね。何よりも足腰を鍛えて歩けるようにしておかないといけません。
友人にも諦めたらそれっきりだよと励まされました。3日間転ばずに過ごせてよかったです。

 

May 27-29   2024    Kumano  Kodo   (Ise Road)

 

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2 コメント

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Unknown (カンカンさんへ)
2024-06-01 08:36:22
おはようございます。凄いスケジュールでしたね。
道に迷い 時間に追われ 人の暖かさ と忘れられない旅でしたね。 ゆっくりと身体を休ませてください。                うたどん
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うたどんさんへ (カンカン)
2024-06-01 09:56:27
コメントありがとうございます。
あまりにも便利な社会に住んでいるので、謎解きのような旅はおもしろかったです。友人も結構ナビのない旅が好きなようでよかったです。
まだ家の片付け半ばですが、帰ってきたら、ムラサキムヨウランやイナモリソウを見に山歩きしたいところです。週末には引越しで整理した自分では使わないものでまだ使用できるものをフリマに出そうと初めて出店することになり、それまではまだ忙しくなりそうです。
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