“氷姿雪魄”に背のびする……しろねこの日記

仕事の傍ら漢検1級に臨むうち、言葉の向こう側に見える様々な世界に思いを馳せるようになった日々を、徒然なるままに綴る日記。

新星出版社の新しい問題集~熟字訓・当て字の誤答問題~

2011-05-15 20:44:26 | 日記
あらかたの学校が、震災を経て入学式や始業式を終え、余震に備えながらも少しずつ前進してゆこうとする兆しが見えてきたようです。
でもまだまだ復旧が手付かず、またはおぼつかなかったり、当時のまま固まってしまっている人達の思いを目の当たりにしたりと、足が竦むような場面もあります。

震災以降を振り返ってみると、家族や職場との繋がりのほかに、自分の場合は拙ブログの読者の方々に随分と、精神的に引っ張り上げていただいており、有難い思いです。

震災前の慢性的な疲労からくる半ば無気力無抵抗の状態があり、それが震災を経て何とも身動きのとれない精神状態に一変し、電気が通じてからも数日は、緊張からくる疲労と喪失感とで殆ど何も手につかない状態でした。
そして、今回のような非常時に漢字の資格が何になろう、という思いと、生きている限りは学び続け発信しなくては、という思いとがぶつかり、震災前に滞りがちだった記事の更新に踏み切りました。

実は一時は、津波のことが衝撃でさんずいの漢字群を見るとちょっと怖くて見たくないと思うことさえあったくらいです。ラジオでつなみという発音すら聞きたくないと、ラジオを消したこともありました。
でも、漢字は人の暮らしと密着して、世の中の様々な事象を表しているのが当然なわけで、文字も現実も受け入れて向き合っていくしかないんだと最近は思えます。

このような非常時にもかかわらず、変わらず自分の記事に目を通してくださる方々や、コメントを寄せてくださる方々がいてくださることに、大変励まされました。本当に感謝の思いでいっぱいです。
まだ合否結果の安定しない自分ですが、勇気を出して頑張ろうと思います。


さて今日は、

『平成23年度 頻出度順漢字検定 合格!問題集1級』(新星出版社)

の熟字訓・当て字の問題についてです。

問題は①~⑤まであります。
単純に見開き三段組で63問×5節、現在は出題されていない国名も混じっていますが、またいつ出るようになるか分かりません(多分当分は出ないと思うけど)。


以下、しろねこの誤答問題です。やはり出ないと思われる国名は、意識の持ち様なのかいつまでも覚えられないものがありますね。


熟字訓・当て字①

誤答無し


熟字訓・当て字②

国名以外
1.牛尾魚
2.海嘯

《解答》
1.こち
(「かれい(王餘魚)」)と勘違い。全然違うでしょ…(汗))
2.つなみ
(「わたつみ(海神・海若)」と勘違い。)

国名
1.塞爾維

《解答》
1.セルビア


熟字訓・当て字③

国名以外
誤答無し

国名
1.阿媽港
2.羅府
3.諳厄里亜
4.孟買
5.巴勒斯旦
6.阿耳蘭
7.巴西

《解答》
1.マカオ
2.ロサンゼルス
3.イギリス
4.ボンベイ
5.パレスチナ
6.アイルランド
7.ブラジル


熟字訓・当て字④

国名以外
1.仏掌薯
2.蘭草
3.野木瓜
4.燕子花
5.冬青

《解答》
1.つくねいも
(「とろろ(薯蕷)」と勘違い。)
2.ふじばかま
(「いぐさ(藺草)」と勘違い。←だいたい熟字訓じゃないのに。)
3.むべ
(「ぼけ(木瓜)」と勘違い。)
4.かきつばた
(度忘れ。国語科教員としては危ない。)
5.そよご・そよぎ・ふくらしば
(「おもと(万年青)」と勘違い。)

国名
1.漢堡
2.爪哇

《解答》
1.ハンブルク
2.ジャワ


熟字訓・当て字⑤

国名以外
1.角鴟
2.黄櫨
3.水爬虫
4.茅蜩
5.蕪菁

《解答》
1.みみずく・ずく
(国字「鵤(いかる)」のイメージで「いかる」と勘違い。)
2.はぜのき・はぜ
(「つげ(黄楊)」「きはだ(黄檗)」といつも混同する。「黄」の後に付く字の訓読みを徹底的に覚えるべき。)
3.たがめ
(「やご(水[「萬」の下に「虫」])」と勘違い。)
4.ひぐらし
(「ちぬだい(茅渟鯛)」と勘違い。だいたい魚偏ではない時点で気付くべき。)
5.かぶ・かぶら
(わざわざ「すずな」と答えた。)

国名
1.応帝亜

《解答》
1.インド


以上です。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お礼と余談 (fuji-moca)
2011-05-18 01:31:14
しろねこ様

こんばんは。fuji-mocaです。
またお邪魔します。

しろねこ様の漢字に関する記事に共感を覚え、時々コメントさせていただいていますが、
それがしろねこ様の励みに繋がっておられるとのこと、大変嬉しく思います。
漢字の力・ブログの力で人を勇気づけることが出来るということに、あらためて気付かせて頂き、
こちらも逆に自信が湧いてきた次第です。本当に有難うございます。
また、大して内容の無いコメントにもかかわらず、お忙しい中いつも真摯にご回答下さる
しろねこ様に、心より御礼申し上げます。

>今回のような非常時に漢字の資格が何になろう、という思いと、生きている限りは学び続け発信しな
>ては、という思いとがぶつかり、震災前に滞りがちだった記事の更新に踏み切りました。

かなりお悩みになられた様ですが、fuji-mocaも以前、漢字の知識や検定の資格が何の役に
立つだろうと思い悩んだ時期がありました。それでも漢字をやめなかったのは、やはり漢字が
好きだったことと、同じように漢字に興味を持つ仲間がいたからでした。
Myブログでも時々紹介していますが、fuji-mocaは漢字同好会に所属しており、その仲間と共に
漢字を楽しみながら勉強し、砥礪切磋しています。
(ボケ防止になるんだよ、と言い放つ矍鑠とした老齢の方も多くいます。)

こんな言い方は甚だ失礼かもしれませんが、しろねこ様はブログを通じた漢字仲間と思っています。
漢字は生涯学習ですが、独りで黙々と慢性的に勉強してもあまり面白くありませんから、漢検という
共通的な目標にチャレンジし、同じ様な仲間と漢字談義に花を咲かせ、結果に一喜一憂して反省し対策を立て、
それをブログでお知らせする等・・ その方がより楽しく前向きに漢字を学べるのではないでしょうか。
(ブログ更新に時間をかけて漢字の書き取りが疎かになっては本末転倒ですが・・・)

ところで、しろねこ様の誤答例の「かれい(王餘魚)」、
「餘」という漢字が一級対象漢字に無いなと思っていたら、これは「余」の旧字体でした。
これもまたひとつの発見、漢字の面白さを再認識です。
余談で失礼しました。

それでは、本当に長くなってしまい申し訳ありません。
返信する
頑張ってください。 (S@toshi)
2011-05-18 20:15:21
お久しぶりです。

しろねこさん、相変わらずお忙しいようですね。


でも、

「あまり忙しいのはよくないですね」

と私が心酔する山本夏彦氏も書いておりました。
震災関係で仕事・環境等の心労が重なり大変のようですが、ここは是非とも踏ん張っていただきたいと思っております。
こうして楽しみにしている人間もいるわけですから。

現在、しろねこ様からのアドバイスを忠実に実行しております。
さすがにきついですが、弱音を吐かず頑張ります。わは。

それでは。

返信する
有難うございます。 (しろねこ)
2011-05-22 20:38:53
fuji-moca様こんばんは。

またお返事が遅くなり、大変ご無礼申し上げてしまいました。


>しろねこ様はブログを通じた漢字仲間と思っています。


しろねこには地理的には、身近に漢字学習について語らう仲間がいません(探せていないだけかもしれませんが)。
また自分が語るにはまだまだ視野も狭く、おぼつかない状況の中、それでも誰かに発信したくなり始めたブログでした。
もうすぐ2年が経ちますが、地理的な距離を越えてこのように思っていただけることが、とても幸せです。

>「餘」という漢字が一級対象漢字に無いなと思っていたら、これは「余」の旧字体でした。


1級試験に旧字体が出題されなくなって久しくなり、難読地名・人名と同様、あまり親しむ機会がないのですが、漢検漢字辞典の当て字・熟字訓索引には「餘」で載っていました。何故「余」ではないのでしょうね。

熟字訓といえば、fuji-moca様の5月19日の記事「無理問答」難読漢字バージョンで、
「九面芋なのにやつがしらというが如し」
というところは本当にそうだ!と思わずにっこりしてしまいました。
調べてみると、和名「やつがしら(八頭)」は里芋の仲間で、親芋の成長が遅く、周りに子芋が沢山付いて、八つの頭に見えるからその名が付いているんですね。
一方「九面芋」は漢名だそうですが、中国ではその同じ様子を「九面」と見て、「九面芋」という表記になったのですかね。
勝手な想像ですが、日本では末広がりの「八」が、中国では「久」と発音の似た「九」が縁起がよいとされていることを考えると、やはり子芋が沢山付いている里芋の名前には、どちらの国の人も縁起のよい数字を付けたくなったのでしょうか。

最近記事がなかなか書けない状況ですが、fuji-moca様方のことを胸に、時間を作って漢字の勉強をしていきます。
有難うございます。
返信する
頑張ります。 (しろねこ)
2011-05-22 20:41:00
S@toshi様お久しぶりです。

またお返事が遅くなり、大変ご無礼申し上げてしまいました。

心強い激励のお言葉をいただき有難うございます。


S@toshi様が心酔なさっているという山本夏彦氏のことをよく知らなかったので(『日常茶飯事』は書店で見かけたことがあります)、Wikipediaやファンの方の記事を少し見てみました。山本氏の名言に対しては様々な受けとめ方がありましたが、
「世の中がきれいな側面だけではない中で生きている一員として、見えている言うべきことを後悔なく表現する試みを、最期まで放棄しなかった人」
という印象がしろねこにはありました。

原発についても発言されていたようで、この度の震災を御覧になったらどう仰るだろうと思います。

ところで山本氏の文章には、昔の難しい言葉が沢山あるということを書いていらっしゃる方が何人かいらっしゃいました。
漢字や言葉の知識があることで、1915年生まれの方の思想をより吸収できるなら、それもまた山本氏の文章世界を味わう楽しみに繋がってゆくのでしょうね。


しろねこの学習方法を実行していただいているそうで、有難うございます。
ある程度全体を網羅する作業を、いくつかの角度を変えて通していくうちに、S@toshi様なりの角度と学習方法が見え始め、完成形が見えた形で軌道にのってゆけると思います。あとは時間との勝負です。

しろねこは毎日の生徒の課題添削と戦いながら(溜まると地獄なのです(笑))、自分の時間を見つけだそうとしているところです。

しろねこもS@toshi様が日々勉強なさっていることを思いながら頑張ります。
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