“氷姿雪魄”に背のびする……しろねこの日記

仕事の傍ら漢検1級に臨むうち、言葉の向こう側に見える様々な世界に思いを馳せるようになった日々を、徒然なるままに綴る日記。

残暑お見舞い申し上げます

2011-08-10 20:52:10 | 日記
こんばんは。
またまたお久しぶりです。早くも立秋が過ぎましたね。

記事の更新が遅くて後ろめたい日々ながら、相変わらず、仕事と睡眠だけで毎日が費やされているしろねこです。

今日から生徒は夏休みに入り、しろねこは職場で義務付けられている健康診断のために、猛暑と俄雨のなか、校医さんのところへ行きました。
健康診断では採血も勿論嫌ですが、メタボ診断のために腹まわりを測られるのはもっと嫌です。
食べるのが好きなしろねこは、勤務時間の関係で夕食が遅いのもあり、30代から順調に略1㎏ずつ増えているのです。
帰宅して魂が抜けてしまったかの如くなることを考えると外食も多く、先日はずんだかき氷に蕨餠、昨日は底に分厚いチャーシューが潜んでいる野菜塩ラーメン、今日は採血された後なので、ホットワインと牛肉フィレとパイナップルシャーベット…と、気儘な食事を楽しんでいます。それに反して、震災以来スタバに通うことは、何故か減ってきてしまっています。

最近あまりにも個人の漢字学習に時間をとっていないため、ここ数日は、このブログを始めたころにもよく解いていた、岡野秀夫氏の運営サイト「漢検WEB練習問題集」に、仕事しながらたまにアクセスするようになりました。
現在、練習問題とは別に、「ミニテスト」と称して、4級~1級レベルの読みテスト30問を解くことができるようです。
しろねこは携帯とPC両方で別々に登録していますが、問題はどちらも同じでした。ランキングが出るので当然といえは当然です。
初め携帯で解いて27点でした。携帯では出ない文字が1問あり、当てずっぽうで答えたら予想通り外れました(笑)
翌日PCで解いたら29点でした。送り仮名を1問入れてしまったのです。バカですね…。
好きな県で自分のランキングを知ることができるようです。皆さん未だの方は是非お試しあれ、です。

さて毎日模試の対策、保護者会、地区ごとの保護者懇談会、自分の職場のオープンスクール、地元大学のオープン・キャンパスへの引率、インターハイの応援引率など、矢継ぎ早に過ぎていき、やっとこさ校内の仕事から一時手を引き、外部の参考書作成の原稿に取り掛かるところです。

7月末に行って来た地元大学のオープン・キャンパス引率ですが、実はここ、しろねこの出身大学なのです。うちの生徒たちは毎年2学年のときに行くので、順当に持ちあがりで学年をもっているしろねこは、3年ごとに仕事の傍ら恩師に再会できるのです。
伺っても、教授が会議や役割のため多忙もしくは不在ということもあり、必ずしもじっくり再会できるわけではないのですが、
当時しろねこの卒業論文を見てくださった国文学研究室の先生も、一般教養の講義を受けたのがご縁で、訪れると必ずご挨拶に伺うことにしている中国思想研究室の先生も、今回はしろねこの突然の訪問にもかかわらす、予想以上にお時間を割いてくださいました。
そこで、震災当時のお互いの様子を語り合うとともに、近況報告もすることができました。

卒論を見てくださった先生とは、午前中にお会いしました。
近代詩の翻訳の問題を研究されている方で、
明治維新期の日本語の漢字にも詳しく、
漢検でしろねこが手が出なかった「河漢」も「宇内」も「橋頭堡」も「増上慢」も勿論御存じで、
(漢検の問題は)おもしろいね、と仰っていました。
「漢検の勉強を始めてから、訓読みがとても豊かであることに気づいたし、
明治維新のときの漢語表記はよく批判の対象にもなるが、そうとばかりは言えず、当時の知識人たちはよくこんなにも訳語の漢語表記を考えたと思う」という趣旨のことをしろねこが言うと、
「本当にその通りですよ、明治時代の人達の努力はすごいと思う」という思いを、先生は仰っていました。

キャンパスは法人化してからしろねこのいた頃とは見違えるようにきれいになったとはいえ、懐かしの学食で昼餉を頂いて、大学ブランドのお土産を自宅に購入してから、午後は中国思想研究室に行きました。
中国思想の分野では、漢文を沢山扱うので、何でも漢字を知っていそうですが、
実は決まった字しか目にしないから知らないものは知らないのだということを、前回のオープン・キャンパスのときに研究室の方が話してくださいましたが、恐らく謙遜なさっているに違いありません。
嘗てしろねこが講読の講義を受けていたときには、とにかく旧字体に苦心しましたが、当時の経験も結果的には現在に生きているなあと思います。
今回は漢検受験のことから
いつのまにか、先日の教育実習生のことに話が向いて、その件や、携帯文化についての話で盛り上がりました。
その先生が、偶教育実習生の視察の担当だったようで、
どこの大学でも、明るみになりにくいだけで、なにかしら実習生の問題は増えているのかもしれない、と仰っていました。
その意味では、単に実習を3週間に増やすことで必ずしも実習のクオリティが上がるとは限らず、むしろ問題に繋がりやすいのも3週間目なのかもしれない、という結論に至りました。

数日後、模試対策で目にした評論問題の文に、柄谷行人氏の『日本精神分析』の抜粋がありました。そこで日本の文字使用の形態が分析されているのを読みながら、
昔、自分はつくづく不勉強な学生だったなあと反省せずにはいられませんでした。
当時義務的に読まなければ国文学生として恥ずかしいとしか思えなかった柄谷氏の書物を、漢検を続けている今は、きちんと読みたいと思える自分がいます。

「震災でもこの研究室も大学も無事だったから、心配しないでいつでも遊びに来てくれていいんだよ」
との先生のお言葉を有り難く思いながら、
また次に伺ったときにもちゃんと報告できることがあるように、生涯学習に励もう、と、心を新たにしたしろねこなのでした。

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