“氷姿雪魄”に背のびする……しろねこの日記

仕事の傍ら漢検1級に臨むうち、言葉の向こう側に見える様々な世界に思いを馳せるようになった日々を、徒然なるままに綴る日記。

りっしんべんの漢字(3)

2013-03-13 17:09:06 | 日記
こんにちは。

最近若干ですが朝型になったり夜型になったり、数日おきに生活が揺れています。
好き勝手に過ごすと昼夜逆転する性質(たち)なので、
あまり年休をとらず朝から出勤して、
ずっと見たかった他の先生の授業見学や机上の整理(さっぱり進まない)をしています。
まだ仕事が結構あるけれど、数日後で締切が接近してないので、甘えています。

昨日は『要覧』157頁「悚」~158頁「愕」を引きました。
段毎に区切りをつけようとしても、なかなか中途半端になっています。

・「悒鬱(ゆううつ)」=憂鬱。「悒」=憂える、気がふさぐ。
※読みは「邑」をマスターしていれば大丈夫。

・「悴容(すいよう)」=やつれた顔立ち。
※知らないと「そつよう」などと読んでしまいそう。またうっかり「憔悴」の「憔」の読みで読んでしまいそう。

・「長恨(ちょうこん)」… ながく忘れることのできない、終生のうらみ。
※白居易の「長恨歌」の読みについつられそうになるが、「ちょうごん」ではない。

・「惘然(ぼうぜん)」… ぼんやりするさま。→呆然。
※知らないと「もうぜん」と読みそうだ。意味も「見えなくてくらいさま」とか勝手に作りそう。

…この範囲で目につく語はこんな感じでしょうか。


或る試験問題作成のための序でに購入した、
瀬尾まいこさんの『強運の持ち主』を数日前から読んでいます。
(タイトルに惹かれたというより、瀬尾まいこさん(←教師歴がある)が好きなので。)

ルイーズというアルバイトの新人占い師が、
占う相手の生年月日や名前の画数を占いの書籍で照合する占いに違和感を感じはじめ、
やがて自分の直感で占う方が当たると評判になり、占い師として人気が出てきた、
という出だしがあります。
ところで、
昨日は1学年の国語の学年末考査の追試でしたが、
しろねこは教科主任として冒頭に話をし、
試験後は合否の宣告(?)をするという仕事があります。
生徒は追試に合格すると、その場にいる国語科の先生に一人ひとり挨拶をして帰る、
という習慣があります。
そこで昨日は、普段教えていない20人弱の生徒の挨拶に応じる、という一幕がありました。

たいていの子が「ありがとうございました」と頭を下げるのですが、
その人相や表情、立ち居振る舞いは実にさまざまです。
しろねこは読んだばかりのルイーズを頭の中で見習い、
「苦手教科にしないようにね」
「先延ばしにしなければ必ず伸びるから」
「諦めないで復習するんだよ」
「あなたはきちんと話を聞ける人なんだから、勉強も真面目にがんばって」
などなど、一人ひとり違う言葉を臨機応変に返してみました(笑)
上手く当てはまっていたかは、よくわかりませんけど、ちょっとおもしろかったです。

ルイーズは自分の仕事のコツについて、
3割は人に現実をつきつけて、7割は人に希望を与えることが大事、
と言っています。
(勿論このあと小説では、そんな綺麗事では収まらない出来事が出てくるのですが。)

追試にかかった1年生はこれからも大変でしょうが、
教師も占い師と同じところがあるかもしれません。

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