雨飾山の登山で使った基地は、雨飾荘、ここは小谷温の奥の湯だが、持ってきたタオルを見ると、この温泉、なんと日本の名湯百選のひとつに選ばれていた。パンフレットを見ると確かに小谷温泉の奥にある奥の湯である。そこで、温泉ソムリエの私、この温泉の分析をしてみたい。
ここの湯は、「小谷温温奥の湯」という名称だが、正確に言うと、この源泉は「雨飾温泉」という名がついている。泉温は53.8℃、温泉の基準25℃を大幅に上回って、高温泉である。次はペーハー、7.03で、酸性でもアルカリ性でもない中性である。
そして溶存物質は3,536g/kg、お湯1リットルの中に3.5gの溶存物質が入ってる。8g未満では低張性、これでもそれほど濃くはない温泉だ。
また、成分では、ナトリウムイオン、炭酸水素イオンがどちらも93%。従って、泉質は、「ナトリウムー炭酸水素泉(低張性中性高温泉」となる。旧名は「重曹泉」だ。
炭酸水素イオンが1,000g以上では、美肌効果「ツルツル感」が出る。これもクリア。さらにこの温泉、湧出量は、204リットル/分、通常入浴で使うお湯は、一人1リットル以上で、20リットル以上では衛生的だそうだ。こちらも十分だ。
私はここに登山前、登山後と二泊したが、合計4回入浴した。内湯と露天の2種類ある。お湯もこんこんと湧き出ている。夜は、汗を流して、入浴後の一杯。
朝は誰も入っていないため、大きな浴槽を独占できた。朝日を浴びた、温泉の湯けむりの中の露天入浴は最高だ。お湯の出口は、温泉成分の析出で変色している。いい温泉だった。
今度は、紅葉の頃、周辺の散策でもして名湯を味わいたいな。