宮応かつゆきの日本改革ブログ

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「資本論と公衆衛生ー感染症の温床・劣悪な労働環境の改善を求める」②

2021年01月15日 | 未来社会へのプロセス

 坂本茂男氏の「資本論と公衆衛生」を「しんぶん赤旗」12日付から紹介させていただきます。

「コレラの度重なる流行は支配層をもおびえさせ、イギリスでは公衆衛生に関する法律の整備とともに、『公衆衛生報告書』が出されるようになります。マルクスは『公衆衛生』に関する医事報告書』を良心的な医師と評価、『専門知識があり不偏不党で容赦ない人々』(『資本論』第1部序言)と信頼をよせ、『資本論』で、第8次までの報告書を活用し労働者の健康問題を告発していきます」

 ~ 中略 ~

「労働条件の資本家的節約とは、例えば労働者を狭い場所に押し込め『換気装置の節約』もあって、『呼吸器疾患』が増え、死亡率が増加した(第3部第5章)などで、資本は利潤追求のためには、『労働者の健康と寿命にたいし、なんら顧慮も払わない』(第8章)ことが『報告者』に具体的に書かれています」

「『仕事場の描写は、われわれの小説家のはき気をもよおさせるような想像をも超えている労働者の健康状態』をあらわしていると指摘しています」

「『報告者』の編集にあたったサイモン博士の、『労働者たちの第1の衛生権・・・健康に有害なすべての不必要な状態から解き放されるべきであるとする権利』という部分を引用し、『労働の衛生状態も同様に普遍的に、適切な法的保護のもとにおかれるべきである』(第3部第5章)という主張を紹介しています。マルクスが『衛生権』に光を当て、その実現を重視したことは注目されます」

 ~ 中略 ~

「『資本論』が書かれたのは、コレラの流行をきっかけに公衆衛生が発展しはじめた時代です。マルクスは、その最新の報告書を読み込み、社会的な衛生事業の重要性を強調し、とりわけ感染症の温床となる労働者の劣悪な状態の解決に心を砕きました。工場法にもその力があることを明らかにしました。『資本論』は現代の新型コロナ禍の分析にも、多くの示唆をあたえるものだと確信します」


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