じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

「落語家はなぜ噺を忘れないのか」

2009-04-29 20:18:05 | Weblog
落語家はなぜ噺を忘れないのか (角川SSC新書)
柳家 花緑
角川・エス・エス・コミュニケーションズ

このアイテムの詳細を見る


★ 京都に住んでいると江戸の落語を聞く機会が少ない。そもそも落語を最近聞いていない。落語家と言えば「笑点」で見かけるぐらいだし、たまに週末の早朝、NHKが「日本の話芸」といった番組をやっているのをうつらうつら聞くくらいだ。

★ 落語は聞き出すと面白いのだが、寄席に足を運ぶと言うのは敷居が高い気がする。

★ 落語で印象に残っているのは、桂枝雀さんだ。独特のキャラクターからあふれ出るビジュアルな落語は本当に面白かった。

★ 桂米朝さんの「地獄のそうべぇ」や亡くなられた笑福亭松鶴さん(何代目かな?)の酒にまつわる話は面白かった。ただ、断片的にしか思い出せない。

★ 少し前にNHKの番組で柳家小三治さんのドキュメントを見た。高座にかけるプロの覚悟を感じた。血のにじむような努力、苦悩を繰り返しているのに、高座ではごく当たり前のように演じる。このあたりがプロだなぁと感じた。

★ 今回、花緑さんの本を読んで落語の奥深さを感じだ。プロとしての生き様もすごいと思った。領域は違うけれど、私もプロとして頑張らねばという気になった。

★ 手の内をさらすのは「野暮」とのことだが、あえて「野暮」に挑戦した花緑さんに拍手を送りたい。本書は落語の面白さを伝える好著である。
コメント

「パンデミック」

2009-04-29 18:22:46 | Weblog
パンデミック―感染爆発から生き残るために (新潮新書)
小林 照幸
新潮社

このアイテムの詳細を見る


★ 新型インフルエンザの発生が報告され、その対策が始まった。

★ 小林照幸著「パンデミック」では近未来を予想したエピソードが綴られているが、それらが現実になろうとしている。

★ 新型インフルエンザに関する本としては、根路銘国昭著「インフルエンザ大流行の謎」(NHKブックス)、山本太郎著「新型インフルエンザ」(岩波新書)を読んだことがある。

★ ウィルス学、感染症の権威が、インフルエンザとは何か、過去どうのように大流行したのか、流行したらどうなるのかを詳しく語っている。山本氏の著書ではシュミレーションも記されている。

★ 一方、小林氏はノンフィクション作家である。読者の目線に合わせて、難解な問題を素人が読んでもわかるように噛み砕いて書いてくれている。実にありがたい。「新型インフルエンザ」や感染症の入門書としては好著だと言える。

★ 第7章で1976年にアメリカで発生した豚インフルエンザについて触れている。今話題の豚インフルエンザだがすでにその前兆はあったのだ。

★ かつて世界的に猛威をふるったスペイン風邪と豚インフルエンザのウィルスは同型だと言う。

★ 抗生物質やタミフルが効いてくれればよいのだが。

★ 今回の豚インフルエンザは、来るべきパンデミックの予兆のような気がしてならない。
コメント