落語家はなぜ噺を忘れないのか (角川SSC新書)柳家 花緑角川・エス・エス・コミュニケーションズこのアイテムの詳細を見る |
★ 京都に住んでいると江戸の落語を聞く機会が少ない。そもそも落語を最近聞いていない。落語家と言えば「笑点」で見かけるぐらいだし、たまに週末の早朝、NHKが「日本の話芸」といった番組をやっているのをうつらうつら聞くくらいだ。
★ 落語は聞き出すと面白いのだが、寄席に足を運ぶと言うのは敷居が高い気がする。
★ 落語で印象に残っているのは、桂枝雀さんだ。独特のキャラクターからあふれ出るビジュアルな落語は本当に面白かった。
★ 桂米朝さんの「地獄のそうべぇ」や亡くなられた笑福亭松鶴さん(何代目かな?)の酒にまつわる話は面白かった。ただ、断片的にしか思い出せない。
★ 少し前にNHKの番組で柳家小三治さんのドキュメントを見た。高座にかけるプロの覚悟を感じた。血のにじむような努力、苦悩を繰り返しているのに、高座ではごく当たり前のように演じる。このあたりがプロだなぁと感じた。
★ 今回、花緑さんの本を読んで落語の奥深さを感じだ。プロとしての生き様もすごいと思った。領域は違うけれど、私もプロとして頑張らねばという気になった。
★ 手の内をさらすのは「野暮」とのことだが、あえて「野暮」に挑戦した花緑さんに拍手を送りたい。本書は落語の面白さを伝える好著である。