じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

低学力の背景

2008-06-12 15:37:26 | 教育
★ 学力向上が叫ばれているが、「学力」が「平均点」で論じられるならば、低学力(到達度の低い)生徒の引き上げが不可欠だ。

★ 私の塾にも最近到達度の低い生徒が目につくようになってきた。入塾テストをしてふるいにかければ良いのだが、個人塾でそんな贅沢は言っていられない。せっかくご縁のあった生徒だから何とかしてあげたいと思う。

★ しかし、中学生や小学校の高学年などそうとう重傷になってから来てもらっても限界があるのは確かだ。個別指導や学年をさかのぼって学習をするが、学校の進度は彼ら(彼女ら)を待っていてはくれない。格差は益々広がるばかりだ。

★ 「低学力」にはいくつかの原因があるように思う。1つは能力的な問題だ。知能に関して言えばはっきり言って遺伝的要素も大きいように思う。ただ、人生は学力ばかりがすべてではないし、受験的能力が優れているかどうかでその人の人生の充実度はわからない。だから、勉強ができない、特定の教科が苦手だといっても、日常生活に支障がないならばそう深刻なことではない。

★ 情緒的な問題も大きい。LD、ADHDといった傾向のある生徒も見かけるようになった。集中できないとか、じっくり読めない、じっくり考えられないといった症状が見られる。それでいて、自己防御機能であったりプライドの高さの裏返しなのだろうが、時には大げさに自嘲的になったり、落ち込んだ風を装うことが見受けられる。また、逆ギレする。

★ 自分の力で問題を解決できずに、それとなく援助を待っている。援助がなければいじける。こうした幼児的な傾向が小学生の高学年や中学生でもよく見られるようになった。

★ 学力格差の背景として、学習意欲の格差の問題も大きいように思う。巷には誘惑があふれている。中でもテレビ、ゲーム、携帯が彼らの生活に占める割合が大きい。マンガでも読む習慣のある生徒はまだマシだ。

★ ひどい生徒になると何をしているでもなくただボーっとしているという。ボーとしている時間はあっても勉強する時間はないそうだ。病的に近い無気力さがあるようだ。

★ そこそこ到達度の高い生徒では「携帯中毒」が気にかかる。携帯電話への過度の依存症である。メールで誰かとつながっていないと不安なのだろうか。

★ 彼らの将来を考えると悲観的になる時もある。親の言うがままかもしれないが、まだ塾に来ているだけマシと思おうか。彼らに何を教えるべきか、塾の役割も変わってきたのかもしれない。
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