涙の地球

月曜で梅雨入りの雨となると、本来気も足も重いはずだが、今日は「はやぶさ」の感動とワールドカップ日本戦への期待が胸を占めて、気が付けば普通より早く会社に着いてしまった。

　「はやぶさ」の飛行距離は６０億キロだと言う。ずっと「はやぶさ」と一緒に旅して来たＪＡＸＡの方々の苦労と努力を思うと頭が下がる。

　「はやぶさ」が大気圏に突入して、まばゆい光を放ちながら粉々に分解して行く様を、そして大事に守られてきたカプセルだけが一直線に空を駆けていく様を、ごらんになったろうか？アニメやＣＧではない、本物の映像が、ここまで心を打つものだとは思わなかった。あの映像だけでも、多くの人が遠く旅して空に散ったこのロボット衛星に心を動かされるに違いないが、空で光になってしまう前に、「はやぶさ」は最後の写真を残していた。本当に最後の最後の写真だ。

　そこには「はやぶさ」が最後に見た地球が、涙でかすむように写っている。真っ暗な宇宙を６０億キロも飛んできた後に見えた地球に、どんな気持ちがよぎったのであろうか。はじめて涙を流したロボットとして、切ない感動と共に記憶しておきたい。


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