JR4GPAの「つぶやき」

JR4GPA の「つぶやき」です。修理依頼は、2013年3月3日のBLOGをご覧ください。

修理依頼について

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FT-767GXX 修理

2017-04-09 | Weblog
FT-767GXX の修理です。

先日、私のホームページの「売ります」に掲載していた無線機を
購入希望され、その代金の一部にして欲しいとの依頼で
私の元にやって来ました。

その時のメールでは
・HF 送信不可
・50MHzユニット入り 他のユニットは無し
・50MHz 送受信不可
・手持ちのバンドユニットを入れても感度が悪い
との事。

お送り頂いたのでチェックして見ると、聞いていた事以外にも
・VFOが周波数ダウン方向にはミスカウントで移動量が1/3程度
・MONIスイッチを入れてもCWでサイドトーンが出て来ない
・フロントパネルの固定ネジが1本ネジ切れていて頭がないのが埋まったまま
・上面カバーの塗装がサビでボコボコ
・側面の足が1個無い
・フロントパネルのスイッチのクスミがかなりひどい状態

と、普通に昨日まで使われていたと言う状態ではありません。
壊れて長期保管していて引っ張り出して来たか、部品取用で購入されたか
オークションで入手されたか、その辺は聞いていませんので、あくまでも想像の域。

いきなり分解して部品取用のパーツにしよかとも思いましたが
ここまで壊れるとは、いったい何なんだろうと、それが知りたい!と
修理魂に火が付いてしまいました....


まずは、感度を確認。HFは各バンド大丈夫ですが、50MHzは
感度極悪。聞こえない事はありませんが、40dBは低い感じ。

送信はHF全てと50MHzで全く電波が出ません。
モードを替えても同じ。

50MHzはバンドユニットなので、外してしまってHF機と思えば良しとして
HF帯の送信が出来ないのを修理する事に。
パワーアンプかその前かを切り分けして見ると、パワーアンプは
生きていましたので、RFユニット以前の問題のようです。
信号を追いかけると、動作していない部品にたどり着きました。
交換すると、HF帯もパワーが出るようになりました。



基板をひっくり返してびっくり。試作基板ですか??


バブルの頃の無線機は、各社こんな感じのが多かったですね。
試作段階で、基板を大量発注したんでしょうね。
完璧になって発注していると、他社に負けますからね。
とにかく 売る、売る、売る!
動かなければ、あ、しまった、ココをカットしてこことここを繋いどいて。
え、まだ動かない、おかしいなあ。あ、ココとココの間に抵抗入れといて。
え、そこもおかしい、じゃあコンデンサをここにいれといて。が、延々続くと
こんな基板になるんでしょうね....


部品交換で送受信が出来るようになったのですが、VFOが異常なのは
修理していて一番イライラします。
サービスマニュアルには周波数をxx。xxxMHzに合わせて、XXを調整しろと
書かれていますが、その周波数にVFOで移動するのに、VFOの
回転に応じて動作してくれないと、なかなか移動できません。

VFOを摘出してびっくり。

旧歴代オーナーさんの仕業ですね。コネクタが簡単に外せない位置にあるので
途中でカットして作業後に元に戻されたのでしょう。危ない、危ない。
素人半田&チューブを通しただけです。

どうせ修理後も部品取用になるのに、ここまでやるか?
はい、やってしまいました。収縮チューブで処理をしました。


フォトセンサーの洗浄と、位置合わせをしたら、回転角度に応じて動作するようになりました。

今日はこの辺で時間切れ。
来週は、MONIの不具合、50MHzユニットを調査してみようと思います。
まだまだ不具合が出てきそうな予感がします。

この無線機で実際に運用する訳ではないのと、筐体の塗装、フロントパネルのボタンの程度が悪い
などなど、ブサイクなので修理はこの辺にして、各部調整も止めて、パワーアンプとLPFを摘出し
100Wリニアを作るのも楽しそうですが。
いやいや、MRF422 x 2なので200Wリニアが出来そうです。
どうしようか悩んでいる時が、一番楽しいですね。




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