IC-736 の修理です。
送受不能の IC-736 を購入しました。
こう言う症状の無線機の購入は、直るか直らぬか、一か八かの大勝負です。
下記の場合は修理が出来なくても、どうにか使い道があります。
受信は出来るけど、送信が出来ない
・送信出来なければラジオに出来る
送信は出来るけど、受信は出来ない
・もう一台持っているIC-736のファイナルが飛んだ時の部品取り用に
しかし、送信も受信も出来ないとなると、
PLLのUNLOCKとか、基準周波数の水晶の発振停止とか
まあ、そこそこ簡単に直る場合と、落雷品とか何か部品が抜き取られている
場合などが考えられます。
当たればラッキー、外れればションボリです。
大勝負!で、買ってしまいました。
ここで目をつけたのが、表示部がポジタイプに交換されていると言う事でした。
この機種は、購入当初に実装されているネガタイプのLCDはかなりの確率で
ご臨終のようですので、最悪この部分の部品取りに使えると考えました。
届いた無線機を早速動作確認します。
受信は、SGから信号を入れてもホワイトノイズのみで信号は聞こえず。
送信は全くパワー出ず。モニターの無線機でも何も聞こえず。
ファイナルとか、ドライブが飛んでいるのだったら、モニターの無線機に
何か聞こえるのですが、それも無い事から、ファイナルユニットは
生きているのではと期待大です。
この機種はPLLがUNLOCKでも他社の無線機のように、モールスで教えてくれたり
表示部が点滅したりする事は無く、さらに受信音をミュートする機能も有りませんので
通常ユーザーがPLLのUNLOCKなのか、そうでないのかは判断できません。
PLLのLOCK/UNLOCK信号をオシロスコープで確認するとしっかりUNLOCKを出しておりましたので
追いかけるのは、まずこのPLLがどうしてUNLOCKなのかと言う事です。
この基板は大変で、チップ部品で実装されているし、部品は何か分からぬ
固定剤で固められています。幸いな事に、熱を加えると溶けるので、ドライヤーで
炙って柔らかくして除去しながらの測定です。
追いかける事5時間ついにシッポを捕まえました。
不良部品を交換すると、PLLのUNLOCK信号がLOCKに変わり、
送受信出来るようになりました。
来週はファイナルユニットの液漏れする電解コンデンサが交換されているか否かの確認と
各部調を行う予定です。
どうにか部品取りにならず、無線機として復活しそうです。