FT-767GXX のHF帯の感度が悪いとの事で、お預かりしました。
SGから信号を入れて確認すると、本当だすごく感度が悪い。
60dB入れてもSメーターが振りません。
信号の流れから、まずこの基板。
片手で基板を支えながら、通電して測定器でチェック。
手が離れたら、パチンで他の回路も壊れて、何がなんだか分からなくなりますので、
慎重に、慎重に。
リレーの接点不良があったのですが、乗せ換え可能なリレーが無いので
分解して、接点のクリーニングと接点間隔の調整。
しかし感度は上がったものの、問題解決になるほど良くはなりませんでした。
さらに追いかけて行くと、何とプリント基板のパターンが剥離していて、さらに
切れていました。どうやら基板に衝撃を与えたようです。
部品衝撃が加わる --> 部品の足の長さに余裕があったので、基板の部品面から
半田面方向に部品が押される --> 基板のパターンの接着剤が力に負け剥がれる
ーー> もう剥がれる所が無いまで剥がれたがさらに力が加わっていたので切断される
と言う具合。
切断された部分を繋いでやると、感度良く受信するようになりました。
修理依頼の時には、HFの感度低下だけでしたが、さらに3点ほど気になる点があるとの
ご報告が。
VOXが動作しないとの事で、調査したらボリューム自体の不良でした。
しかし、フロントパネルに直付けのVRではなく、他のスイッチやボリュームと共に基板に実装後
フロントパネルに取り付けられた物で、代替案が浮かびません。
また、良い案が浮かんだとしても、作業が大変で作業工賃がとんでもない事になりそうなので
お断りしました。
VOXなら外付けでも実現できますし。
さらに、プロセッサーも効きません。これも同じタイプのボリュームです。
プロセッサーも外付け出来ますしね。
各部調整したい所ですが、RFユニット、IFユニット以外は、この無線機はちょっとねーーー!
修理した事ある方は、お分かりだろうと思います。
と言う事で、深入りせずご依頼の感度が悪い部分の退治とRFユニット、IFユニットを
少しだけ調整してお終いとします。
最後に、100Wのパワー計が勢い良く振り切れる位パワーが出ていました。
250Wのエレメントに交換して確認すればよかったのですが、おいおいこりゃヤバイよと
言う事で、オーナーさんに連絡。100Wに調整して良いとの事でしたので、施しておきました。
ALCを効かないようにして、出るだけ出している無線機を時々見かけますが、
電源部、フィルター部を100Wで設計してあるので、出るからと言って思いっきり出しても
良い事は何もありません。
一例は
LPFのコンデンサ破裂 --> 検出ユニットはパワーがあまり出ていなと判断 --> 押せ押せ
--> ファイナル破壊
ですね。
じゃあ、優しく使ったら一生壊れないか?そんな事はありませんが、乱暴にパワーを
上げるよりは長持ちするのではないですか?
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修理依頼は、昨年3月3日のBLOGの内容を良くお読みになり、メールにて
ご連絡ください。jarl.comあてのメールには、返信致しません。
2013年3月3日のBLOG
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