経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

ぬかった大臣の「点と線」

2007年11月29日 | Weblog
 先週2日連続で、TV放映された松本清張原作「点と線」の重要な心中の舞台は、福岡・香椎の海岸である。

 9月から11月にかけて、3回シリーズの「商人塾」の講師にお招きいただき、でこの香椎にきて、初めてこの「点と線」の舞台がこの街であることを思い出した。
 ドラマに昭和35年当時の駅舎が出てきて、今のモダンな香椎駅と比べて、見たこともない此方の方が、懐かしい気持ちがした。

 11月1日、香椎駅の近く商店街の一角に香椎商店街(香椎商工連盟 秋丸晃廣会長)が、「点と線ギャラリー」を開設したということで、市の和田さんがご案内して下さった。

 そのことが頭にあり、この朝日系列のドラマ放映日を24日、25日を楽しみにしていた。
 原作もさることながら、このドラマはみせてくれた。ビートたけしの鳥飼刑事もすさまじい演技で、それにも堪能した。

 他の刑事達が、「アリバイがあるから犯人ではない」、と考えるのに対して、この鳥飼刑事は、「犯人にアリバイがあることがおかしいではないか」という論で、ついにアリバイを崩す。

 ぬかった大臣と自民が、「アリバイがある」と主張し、この大臣は、宴席に同席していないとして、その「点」の証明として、2点の写真などを提示している。
 たいして野党側は、「商人喚問で証言した低級官僚の証言が正しい」とし、ぬかった大臣を参院での証人諮問する決定した。鳥飼刑事に倣ったのか、「アリバイがあることがおかしい」という主張である。
 そっくりは双方大臣の収賄に絡む事件ということ。まるでこの「点と線」そっくりではないか。

 点はドッド。このドッドが積み上げられて線となる。清張は、点ではアリバイにならない。線となって初めてアリバイになる、ということで、「点と線」というタイトルをつけたのだろう、と改めてこの偉大な推理作家の慧眼に感服した。

 線として繋がって(ドッドが積み上げられて)線になる。2点の写真が線になるか。
 
 点でアリバイを主張する自民側。線の仮説を立ててアリバイにならない、という野党。小説&ドラマでいえば後者の勝ち、となるのだが。

 問題は、民主が点を積み重ねて、線にできるか、ということだ。が、この点は 小説&ドラマでは、証人夫婦の自殺により生き証拠が消え、線がここで途絶え、大臣に結びつけられなかった。
 たが、今回は、同席したという証人が、証言台で証言しているし、先ほど逮捕された。以前、当時の官房長官のことで、つっこみ過ぎて、えらい目にあった民主。同じ鉄をふむことはない、と考える。独房で、自殺者が出れば別だが、まずは原作&ドラマみたいに、迷宮入りにはなるまい。 悲劇までドラマと同じ通りにならないことを祈る。