経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

もったいない

2007年11月30日 | Weblog
畢竟、接点、つながり、ふれあっていること。身近な空間や場の共有という、人と人との接点、これらが経済行為の根本にある。

 このことを忘れ、企業の発展にといったことを夢描き、夢中で邁進している。
 このことを忘れ、欠き、信用・信頼をバーチャルの世界に押し上げてしまっている。

 空理空論をいかに力説しても、実態、現実になるわけはない。現実は変わらない。信頼は、あくまで人と人との接点を通じての、相互交流、行動を通して形成される「実感」なのである。

 だから起業活動とは、「人と人の信頼関係」を構築する行動をいう。それが本来になければならない、と考える。それも企業の主体的象徴たる経営者の人間的側面が最重要視される。それを一言で言えば、経営者が信頼できる人であるかどうかが、企業の盛衰に決め手になる、ということである。

 そうなると、経営者の顔が見えない、触れられない大企業は、俄然、土着型中小企業と比べて不利になることは否めない。だからそれを補完するためには様々な補完業務が必要になる。放置したままでは、消費者の選択の蚊帳の外に置かれるからである。

いっぽう顔が見え、日常、触れることができる生活空間内にいる地場の中小企業のおやじなどは、近いということ自体、俄然、有利である。そのままでの強みである。

ところが、かねてから弱者意識や被害者意識をすり込まれていることもあり、その強み、、優位性を、肝心な経営者が自覚していない。それどころか、こんなことなど「経営に関わりあることといった認識がない。だから、これを持って企業転換の礎にし、企業活動に活用することもない。

なんともったいないことか。
活用しないだけではなく、経営とは直接関係がない私生活のことなどで、よからぬことがあると、近いがゆえに丸見えになり、それために不利になるといった諸刃の剣のマイナス面だけは、被っているといった事例が多いのである。

ああ、もったいない。嗚呼もったいない。
大手企業にあるもので、自分がもっていないを求めて大手に準じ、大手がうらやむ自分の持っているもの、得手に気がつかない。活用しない。そして自分は、何ももっていないもっていないと嘆いている。

こんなもったいないことがあろうか。