昭和62年、6月だったか。長篠合戦の戦場跡地で、「リーダーとは?」、と師は、弟子の私たちに問うた。一息おいて、一言。「自分の行動を通して、自分の理論を持っている人のこと」。
この長篠の合戦で、なぜ信長が徳川の執拗な応援要請にもかかわらず、なかなか出馬しなかったか。そして出馬したのか。参戦したら瞬く間に、武田勝頼軍を打ち破ることができたのか。なぜ勝頼は敗退したのか。この言葉で、このなぜなぜが一本の線に結ばれていることが、今、考えれば容易に理解できる。
当時は、火縄銃の機関銃的な使い方に戦術的ユニークさを覚え、目を輝かしはしたが、そこになぜ、突然、師の「リーダーとは?・・・・ 自分の行動を通して、自分の理論を持っている人」の話が、飛び出してきたのか、それすら理解できなかった。
この言葉を頼り、手がかりの私の旅が始まった。
長篠合戦だけではなく歴史の中での様々な「場」と「人」とを、師のこの言葉で検証を続けてみた。
ちなみに、経営に翻訳した、私の「真のリーダーの要件」を要約する、次の5点。
1-自企業の内と外の乖離の中から、危機感を感じ、それを具体的に取り出し、論証できる能力
2-理想とする自企業の将来像をイメージ・デザイン化できること。その上でステップとしての現状の位置が明確に把握できること。
3-上の1と2の中から、なすべき課題を要約して戦略目標として挙げられること
4-その具現のための方策を時系列的に整理し、要約できること
5-そしてその実現に向かって自ら行動できるだけではなく、人と人との繋がりづくりを行うことで、仲間を増やすことができること。
「自分の行動を通して、自分の理論を持っている人のこと」を丸暗記してもわからなかったが、自分の行動を通して、自分の解釈で検証を繰り返すことで、やっと理解できた。
「言葉」は行動し、その行動(結果)を検証することで、自分なりのものが掴めること(これが、まさしくヘーゲルがいう螺旋的発展、そして革新=経営そのもの)がわかった。言葉や文字は、そのきっかけの役割にしか過ぎない。そのきっかけを、はやり風にいえば、「言葉との出会い」といっても良い。だがどんな「言葉」にしても、自らの行動から創出されたものではないと、人は動かない。
ここに「動かない」と書いた。人は、自分を持ち上げられないし、他人を動かせない。自分は、他人に持ち上げてもらい、他の人が、こちらの目的にそって、自らの石で動いてもらう。このことを知り、そこの2つのためには、どうしたらいいかをわかっている人が、真のリーダーである。
この長篠の合戦で、なぜ信長が徳川の執拗な応援要請にもかかわらず、なかなか出馬しなかったか。そして出馬したのか。参戦したら瞬く間に、武田勝頼軍を打ち破ることができたのか。なぜ勝頼は敗退したのか。この言葉で、このなぜなぜが一本の線に結ばれていることが、今、考えれば容易に理解できる。
当時は、火縄銃の機関銃的な使い方に戦術的ユニークさを覚え、目を輝かしはしたが、そこになぜ、突然、師の「リーダーとは?・・・・ 自分の行動を通して、自分の理論を持っている人」の話が、飛び出してきたのか、それすら理解できなかった。
この言葉を頼り、手がかりの私の旅が始まった。
長篠合戦だけではなく歴史の中での様々な「場」と「人」とを、師のこの言葉で検証を続けてみた。
ちなみに、経営に翻訳した、私の「真のリーダーの要件」を要約する、次の5点。
1-自企業の内と外の乖離の中から、危機感を感じ、それを具体的に取り出し、論証できる能力
2-理想とする自企業の将来像をイメージ・デザイン化できること。その上でステップとしての現状の位置が明確に把握できること。
3-上の1と2の中から、なすべき課題を要約して戦略目標として挙げられること
4-その具現のための方策を時系列的に整理し、要約できること
5-そしてその実現に向かって自ら行動できるだけではなく、人と人との繋がりづくりを行うことで、仲間を増やすことができること。
「自分の行動を通して、自分の理論を持っている人のこと」を丸暗記してもわからなかったが、自分の行動を通して、自分の解釈で検証を繰り返すことで、やっと理解できた。
「言葉」は行動し、その行動(結果)を検証することで、自分なりのものが掴めること(これが、まさしくヘーゲルがいう螺旋的発展、そして革新=経営そのもの)がわかった。言葉や文字は、そのきっかけの役割にしか過ぎない。そのきっかけを、はやり風にいえば、「言葉との出会い」といっても良い。だがどんな「言葉」にしても、自らの行動から創出されたものではないと、人は動かない。
ここに「動かない」と書いた。人は、自分を持ち上げられないし、他人を動かせない。自分は、他人に持ち上げてもらい、他の人が、こちらの目的にそって、自らの石で動いてもらう。このことを知り、そこの2つのためには、どうしたらいいかをわかっている人が、真のリーダーである。