経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

IT上での内緒話はそぐわない

2005年12月24日 | Weblog
 またかと、がっかり。これも「キー」が付いていて、申請しないと入れないのである。なんでもない、ただのBBSなのに。そのまま閉じた。

 私は家にいるときには、12-1時に寝て、6時に起きる生活パターンで、朝はまっさきにパソコンに向かう。まずメール。前夜寝る前にチッックはしているので、メイワクメールを抹消し、返信メールに取りかかる。そしてブログへの書き込み。つまり執筆、2時間。

 今日は小泉さんのメールが届いていた。このメール、今回の予算折衝や経済対策、政治課題を骨太に、国民向けにわかりやすく伝えている。政府が為していることを情報開示することで。国民が知れば、後で利権屋どもが、骨抜きにしてもその事実が国民にわかる。実に上手い手法だ。これが、私がいう国民を背に付ける、という意味なのだ。企業経営も、消費者を味方に付ける戦略を採らなければ、いわゆる「わけのわからない企業」と印象を持たれ、それは胡散臭い、不透明と連想が広がる。

 ヤマト運輸が、あれほど当時の運輸省から叩かれても、伸びていけたのは、消費者が背に付いたからである。企業としては運輸省に勝てなくとも、国民を味方にしたら勝てる。消費者を背に付けるための最低条件の一つは、情報開示なのである。

 それを経営のことはパートには知らせない、といった会社があったら、その会社、というより、経営者は、おまえ達を信頼してないんだ、という情報を流したことと同じなのである。信頼されていないことを知った従業員は力を発揮できるだろうか。
 そういう意味で消費者への情報開示は、信頼の表しになる。自分の会社の従業員すら、信頼していないところが、第三者の消費者を背に付けることは難しい。だからダメになる。
 BBSにキーをつけるのなら、非公開設定をすればいいことである。キーをつけると言うことは「特別な人だけで、あなたには見せられませんよ」というメッセージをその特別な人以外に、言っていることになる。

 中国やローマの紀元前からの歴史をみても、長期継続の国は、国民を背に付けた国家であって、国民を制圧した国家ではない。愚かな王や帝は情報操作により国民を欺く。かっての日本の歴史もそうであったし、いまでもそうした国家は少なからず存在している。では問う。「そうした情報不開示の国に住みたいか」
 ノーだろう。だったら自分の企業も可能な限りオープンにしていくことだ。

 ITそもそもが、そうした時代の流れを受けての、情報開示のための巨大なツールなのである。IT上での内緒話はそぐわない。