
アマチュア無線の国家試験において、CWつまりモールス符号による
通信試験の廃止が決まるようだ。世界的にはむしろ日本は対応が
遅い感じがする。すでにプロの世界では全く使用されなくなってし
まったモールス信号だが、アマチュア無線の世界ではまだまだ当たり
前のように使用されている。
私の国家試験の受験経験は、モールス通信の試験との戦いだった。
やっとの思いで昭和53年(1978年)に合格した1級の試験では
電気通信術 1分間欧文普通語60文字、和文50文字の速度による
5分間の送信及び音響受信があった。欧文は普段使用していたので
問題はなかったが、和文はかなり手こずった。
前年熊本城に近い試験会場で真ん中辺りに着席した音響受信の試験では、
筆記が始まると筆記する鉛筆と机とで発するコトコトというすごい音と
遠く前方のスピーカーから流れるCWの音が、いっしょになり、和文の受信
は全く出来ずあえなく不合格。
翌年のリベンジでは会場の一番前の席に陣取ったことを思い出す。
もう30年にもなるんだなあ。
次にチャレンジしたのは、1998年50歳代最後の挑戦だと称して
受験したアメリカのFCCの試験。最初のいきなりのCWの試験では
毎分100文字の速度の予め録音されたハムの模擬交信の受信テスト。
受信後に提出される10の質問に受信した内容から答える試験。
質問の英単語の意味が分からないのがあり慌てた。
何とか一発で合格できてよかった。
現在はFCCの試験でもCWの試験は無くなっている。
こうして時間が経過すると、あの時苦労したことが思い出される。
時代の流れというものでしょうが、今の人は苦労がないからいいな
と思う反面、苦労はしておいたほうがいいんじゃないかとも思う。
これからもこのハムの世界ではモールス通信はなくならないと思うが、
ひとつのハードルに向かって、目標を持ってCWの受信向上を目指した
我々と違って、これからの人は、自己研鑽してCW上手になるしかない。
数年前にハムフェアの会場で加入した全国的CW愛好者のクラブ「A1-Club」
は1000人を越す会員を擁する大きなクラブに発展しているが、そのほか
「KCJ(全国CW同好会)」などのクラブの活動も、ハムの世界からCWを知らない局が増えてくる
であろう今後は弱い信号であるCWの運用周波数の維持確保のためにも
その活動が重要になってくると思う。
最近は歳のせいか、瞬間記憶力が低下してコールサインの6文字が
ぱっと記憶できなくなってきた。訓練、訓練。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます