Japan DX Meeting 2012と称して、ハムフェアに合わせて
久しぶりの全国的なDX Meetingが8月25日に開催され
ました。タイム24ビル3階の広い会場におそらく
200名以上の参加者が詰めかけていたと思います。
第一部はフォーラムでJK1OPLの話題提供と4人の
パネラーがプレゼンを行いました。
そのあと7O6Tの免許事情をUA9USU DJ9ZBがHK0NAの
運用について講話しました。
まずJK1OPLによる最近のDX界について話題提供があ
りました。書き取った事項を箇条書すると
*ワッチこそDXと言われたが最近はPCのミニターを見る
ことがDXとなっている。誰が先にクラスター情報に
駆けつけるかの競争になっている。
*Club LOGを使うPEDIが増えて、枡埋め競争が激化して
いる。そのためにLowPower組やニューカマー組が割を
食っている。なかなか待っていても順番が来ないとい
う文句も出ている。
*W3LPLなどのCWスキマーロボットの出現と、リモート
受信ができるようになり、JAの真昼間に160mでDXが
できてしまう。
*CWにおいては599/599ばかりになり、和文QSO以外では
JA同士でCW通信で意思の疎通ができなくなってきてい
る。
*JAのBnadPlanが悪く、特にWARC BANDのRTTYなどで区分
逸脱が目立つ。BandPlanが悪ければ、改良するよう要
求する必要がある。
などの提言がされました。
いずれもズバリの指摘と思います。
この提言を基に4人のパネラーが海外運用やコンテストの
経験に基づいてそれぞれプレゼンをされました。
JI5RPT/JD1BLY小柳さん、JA1DOT小林さんがJAの外から
みたJAのパイルについて話されました。
小柳さんはJD1からの運用する立場からの提案、CWでの
運用テクニックについて
ー明らかに自分に返っていない時は送信しない
・他局にCALL BACKがあればすぐに送信を止める。
・メモリーキーヤーを使うのも良いがパドルで手打ち
のほうが判断が早い
ーパイルアップ時はゼロインしない。
・特にJAの局はゼロインする人が多いのでパイルを捌き
づらい。
ースプリット時、前QSOした人と完全に同じ周波数で呼ば
ない・・・方が良いかも
・特にJAの人に多い、パイルアップが一カ所に固まって
しまう。
ータイミングをずらさない
・タイミングをずらすよりコンスタントにCallsignを打
つほうが良い(スプリット運用の場合)
という提言がありました。
AFからも運用された経験を有するJA1DOT小林さんのプレゼ
ンは
東アフリカで聞いたJAの信号は
JAs 1Kw+Beam S9+10dB、 Bear foot 539~579
EUs S9+20~40dB
西アフリカでは
JAs 1Kw+Beam 559~579 Bear foot 419~539
EUs S9+10~30dB SA,Caribbean S9~20dB
パイルアップについて
●あなたが想像しているほど貴局の信号はDXに強くは届
いてはいません。
●始めの30~100局のJAの信号は強力、それ以降の
局の信号はドングリの背比べ、思い切り離れた周波数
でコールしよう。」
●交信中に真上からかびせて呼び、力で横取りはペース
ダウンで大迷惑(ドングリの背比べを思い出して、
20~30dB差がなければ無理)
●コールを連続して2回打つのは邪魔で効率を落とすだけ
CQを積極的に出そう
●普段からアクティブにCQを自ら出すことが真のDXingの
楽しみ
●クラスターを眺めてパイルに参加するだけがDXingでは
ない
●弱いDX局が応答してくるのを自分の耳で聞き取り交信す
る エキサイティング
●バンドの活性化、バンドプランの根本にも通じる
インターネットを利用したDX
●Real timeで世界がつながっています、DX-spot、Online
-log,RBN(リバースビーコン)等、これらを上手く使用し
ながらのDXが当たり前になりつつある
●海外に設置したリモート局で受信した信号を有線回路を
使って日本国内で聞きDXと交信することは、アマチュア
有線のDX=インチキ
●難しいところは簡単にできず難攻不落なDXで良い。
DX交信は偶然性を楽しみ、自分の五感を使い苦しみなが
ら運用するほうが数段楽しい
また小林氏はこんな素敵な提案もしました。
DX界で尊敬されるアワード
TNX New Oneなどのニューカマーからの感謝のコメント入り
のQSLを一定の基準で入手し完成させるアワードがあれば素晴
らしいと思う。
これを達成するためには常に電波を出し、弱いDX局を相手に
沢山のQSOをし、自分がペディションに行ったりしてDX界を盛り
上げる活動が必要
DXビギナーや簡単な設備の局にチャンスや感動や喜びを与えた
人がたたえられ尊敬されるアワードがあっても良い
こんなアワード JARLが作るなんてことはないでしょね。
小林氏は最後に提案のまとめとして
◆『普段からアクティブにCQ DXを自ら出すこと』が真の
DXingの楽しみ!
◆DXは偶然性や困難をじっくり楽しむもの、ネットや便利な
ツールに頼らず、自分の耳と口と手を使ったほうが数段
楽しい
◆簡単な設備の局のチャンスを奪うClub Logの穴埋めシステ
ムは何か規制が必要では?(武士の情け、寸志の精神を
忘れずに)
◆DXは、DXCCだけでなく、いろいろな楽しみ方がある
◆DXビギナーに喜びや感動を与える活動をした人を称える
アワードを作ろう
今日はここまでにします。