巧言令色鮮し仁
(こうげんれいしょくすくなしじん)
巧みに言葉をあやつるものには、人を思いやる心がないこと。
戦後70年。
安倍首相が「70年談話」を発表した。
「侵略」、「植民地支配」、「反省」、「お詫び」などの文言はある。
しかし、どのような文脈のなかにあるのか。
談話のなかごろにある「こうした歴代内閣の立場は・・・」で、過去の談話
の一部を引用したにすぎない。
では、安倍首相はどうなのか。
主語がない。
こうした手法で、村山談話を事実上投げ捨てている。
非常に巧妙な文章である。
後半は、安倍首相の姿勢がちらちら顔を出している。
紛争の原因を「経済のブロック化」に求め、相変わらず「ABCD包囲網」
のため、日本が戦争をしたのだと言いたいのだろう。
そうではない。「軍事のブロック化」=「軍事同盟」にこそ、求められなけれ
ばならない。「集団的自衛権」とは、いわゆる「軍事同盟」のことである。
「繁栄こそ平和の礎です」ではないだろう。平和こそ繁栄の礎であろう。
アベノミクスを言いたいのだろうが、逆である。
また相変わらず核兵器の「究極の廃絶」という言葉を使っている。
「究極」は、アメリカの核兵器の現状容認する別の言葉である。
だからこそ「核兵器の廃絶」は言うが、「核兵器禁止条約」には反対してい
る。唯一の被爆国として情けない。
最後が安倍首相の本音だ。
「『積極的平和主義』の旗を高く掲げ、」で結んでいる。
「積極的平和主義」こそ、自衛隊をアメリカ軍と一緒に戦わせることであり、
そのための「戦争法案」である。
アメリカの軍事力でこそ「平和」が保たれており、それに協力することこそ、
「積極的平和主義」だと思い込んでいる。
「恩讐を越えて」の国と地域に、最大の被害国である「中国」が入っていな
い。「たくさんの国々」の中に入れているのか?
ここにも安倍首相の本音が垣間見えている。
「法の支配を尊重し、力の行使ではなく、平和的・外交的に解決すべきで
ある」という言葉通りにしなさい、と私は安倍首相に言いたい。
「法」の中には「法律」しかなく、憲法は含まれていないのではないか?
「戦争法案」は直ちに撤回するしかない。
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