- 1 釣りとの出会い
Episode1 イガミ釣りの始まり
祖父と一緒に行ったというより仕込まれたイガミ釣りは、釣行前日のカニ取りから始まる。谷川に生息しているあの赤いやつを縁にブリキの戻りがついているカニかごにいっぱい採集していく。
当日は長い竹竿と仕掛け一式をもってひたすら浜、磯を歩く。そして祖父がわかっているポイントにつくとすぐにカニを金槌で潰してポイントに撒き餌をする。しかし竿は出さない。次のポイントまでまた磯を歩く。そして次のポイントでまた同じ作業をする。しかし竿は出さない。再び別のポイントに移動して同じ作業をする。そんな作業を4、5か所してから最初のポイントに戻る。そこで改めて同じようにカニを潰して撒き餌をしたのち初めて釣り道具をセットして釣りを開始する。すると割合すぐにイガミが釣れる。アタリが遠のくまで釣るのではなく既に撒き餌をしている2番目のポイントに移動する。そこでも同じように改めて撒き餌を少ししてイガミを釣り上げる。次も同じ作業を繰り返し、逆にまた釣りながら帰路につく。必ずと言っていいほど10匹くらいは釣れる。今のように釣り人はなく大変効率的というかプロの釣り方を観て私の釣りは始まった。
今はそのような釣りはできないしあまり自分自身が学べていないと思う。
それから2~3年経って私が小学5年生のころ、母方の祖父がイガミ釣りに来た。私が案内して同じ釣り方で祖父の世話をした。その時祖父はイガミを釣り上げて喜びお前のイガミは小さいけどわしのは大きいと言って自慢した。子供心に大人げないなあと思ったがよほど嬉しかったのかもしれない、今その気持ちもわかる。
Episode2 ウツボ釣り
これも祖父に仕込まれた釣り方である。竹竿の節を打ち抜き適当な長さにそろえて、その中に太い糸を通す。そして大きな針にエサ(魚に切り身)を付けて釣る方法である。10本くらい持っていく。
ウツボ住処は磯の陰や穴であるから強引にその穴に竹筒を突き刺していく。次から次へとウツボが生息しているらしい穴に突き刺してから一服し、その竹筒を回収していくのである。普通の糸と針にエサがついているだけならウツボは穴の奥に入り込みなかなか曳き出すことはできないけれど、さすがのウツボも竹筒迄穴に引き込めないから竹筒を強引に引っ張ると意外に簡単にウツボを引きずり出し釣り上げることができる。
これを持ち帰り開いて干す。乾燥すれば金槌で叩いて骨を砕き更に出刃で細く切ってつけ焼きにして酒の肴として食すという流れである。
今思えば遊びではなく食糧対策のようなものであった。
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