ふうせい{ぐち}
乗合船のグチ、ウキ袋を収縮させて、グウグウという音を発します。
だから“愚痴”が魚名になったのはご承知の通り。
ところが、ある時、中国の沿岸部にすむ「ふうせい」はもっとでかい 音を発すると故K先輩に教わりました。
続けて『まさに言い得て妙、 「風声」そのものだからね、ガハハハ…』と豪快に笑うのでした。
なんでも「ふうせい」は華やかなりし花柳界の隠語で同衾の際に女性自身か ら発する、おならのような空気音。
ブヮッとかグヮッとかの大爆音と か…。後年、風俗関係の知人に聞くと、現在でも「ふうせい」現象の隠語があるとのこと。
それは「おなら」の連想で、な、なんと「ちなら」 とか。
えっ、それって全然“粋”じゃないね!
中国名は「大黄魚」。英語名は「クローカー(カエル、カラスの 声)」。
やっぱり「ふうせい(風声)」は我が国ならではのネーミン グ、これを和名に記載した学者先生は偉い!。
(八木禧昌・イラストも)
八木さんに聞いたところ、日本で言うグチの事は一般的にイシモチといわれていますが本来は「ニベ」または「シログチ」のほうが正解のようです。
投げ釣などで釣られている「イシモチ」は主にニベの若魚のこと。
この魚は岸の近くに寄ってくるので投げ釣の対象魚となっています。
大きさは25センチから大きいのは70センチぐらいまでいるそうです。