ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2023.1.7 息子コロナの喪が明けて、晴れて結婚記念日旅行スタート!

2023-01-07 20:56:46 | 

 昨夜はブログアップした後、3人で揃ってリビングでお茶をしつつ(息子がリビングに入ったのは12月30日夕方に発熱が判明して以来のこと)、今回の反省会。今後、息子が帰省するときには抗原キットで陰性を確認してから、ということになった。可哀想だけれど、お互いのためにそれが一番だ。

 そして、今朝。溜まった洗濯物があるし、といつもより早めに起床して洗濯機を廻す。朝食を摂り、洗濯物を部屋干しや浴室乾燥にし、まとめたごみを捨て、マリモの水を替え、お花の水切りをし・・・とあれこれ雑用を済ませてからタクシーを呼ぶ。
 予定より1台早い私鉄に乗ったおかげで、JRも1台早い電車に乗れた。3人バラバラだったけれど、席も確保。

 車内のお伴は乃南アサさんの「美麗島プリズム紀行―きらめく台湾―」(新潮文庫)。
 帯には「やっぱり台湾が好き。お洒落で美味しいだけじゃない!歴史と人に寄り添う紀行エッセイ」とある。以前台湾を舞台にした小説も読み、とても面白かったので、手に取った。台湾は初めて訪れた時に周遊し、2度目は台北に滞在した。日本との歴史に思いを馳せると色々感じることが多い。気づきをさせて頂きつつ読み進む。

 そして新幹線乗換駅に到着。乗車する新幹線まで30分以上あったので、駅ビルでお茶をすることに。どうもお腹の調子が良くなく、お手洗いへ行くも、混んでいる。
 戻って急いでダージリンティーを飲んで改札を通る。ICカードに紐づけしていると、切符が不要で本当に便利だけれど、便利すぎて心配になる。

 息子とは大分車両が離れているので、ひとまず一緒にホームに上がってそこでいったんお別れする。
 車内はほぼ満席である。21年6月以来の関西行である。雪をかぶった富士山が美しい。青空だったが、だんだん雲行きが怪しくなってくる。
 夫はお約束通り、アイスクリームを購入して分けてくれる。お腹が心配なのでちょっぴりにしておく。夫は私が読書中なので、わざわざ息子の車両までご機嫌伺いしてきた模様。
 
 私たちは京都駅で下車。今日の目的地はもう一つの古都、奈良である。2014年、息子が大学入学した年の夏以来の訪問になる。まずは少し早めのランチである。息子お勧めの“あをによし号”の出発まで1時間半弱。
駅地下のレストラン街はまだそれほど混んでいない。夫も私も食べられそうなお店で、お勧めランチを頂くことに。奥の4人席に案内されたが、どんどん混んできたので、ラッキーだった。
 食後はお土産屋さんを冷やかすつもりが、久しぶりの京菓子に目がくらみ、あれもこれも買い込んでしまう。

 観光特急“あをによし号”は既にホームに到着している。僅か30分ほどの乗車時間だけれど、素敵な車両に気分が上がる。乗車記念証まで頂けるのだから、気が利いている。都ホテル監修のスイーツと珈琲のセットや、大仏プリンを買い込んで頂いている間に、終点の奈良駅へ到着した。

 ぶらぶらと商店街を冷やかしながらホテルまで歩く。予報通り雨がポツポツと落ちてくる。猿沢の池に興福寺五重塔、ああ、奈良に来ましたといった感じ。
 猿沢の池の横の坂をちょっと上るとホテルである。チェックインまであと1時間ほどあったので、ひとまず荷物を預けて身軽になり、興福寺を目指す。
 息子は久しぶりにマンションに戻り、あれこれ用事を済ませ、態勢を整えてからホテルで合流することになっている。結婚記念日旅行なのだが、関西方面だと付いてくる・・・ことになっているようだ。

 ホテルでビニル傘をお借りできたので、安心して散策。途中で洒落たフレンチレストランを見つけたので、明日夜の予約を入れる。それにしても興福寺の境内は広い。なんと25,000坪である。
 共通チケットを購入して、まずは国宝東金堂へ。ご本尊の重要文化財の薬師如来坐像が迎えてくれる。ステージⅣのがん患者としては、薬師如来様にはやはりしっかりお参りしておかなければなるまい。両隣の日光・月光菩薩立像の穏やかなお顔に癒される。四天王立像も立派だし、薬師如来様の守護神である十二神将立像も家族の干支を探すのが楽しかった。

 続いて中金堂へ。前回来た時にはなかったよね、と。当然である。平成30年に再建落慶を迎え、創建当時の様式で復元されたという。五重塔や東金堂と違って色鮮やかな建物だ。ここでは重要文化財の厨子入り木造吉祥天椅像が今日まで限定で御開帳だった。
 極彩色のふくよかなお顔の吉祥天曼荼羅を拝見出来て、新年早々ツイている。こちらにも良薬を人々に与え、心身の病気を治した兄弟の菩薩である薬王・薬上菩薩立像がおられたので、しっかとお参りする。中央の釈迦如来様は金ぴかである。

 そして、国宝館へ。向田邦子さんの「阿修羅のごとく」の音楽が頭の中で鳴り始める。国宝がずらりと並び、圧感。リーフレットを片手に、真剣に拝見。和同開珎、ああ、歴史の教科書で見た!というものばかりだ。
 仁王像表現の頂点という金剛力士立像はシックスパックどころではなく、筋骨隆々、血管も浮きあがるようでいかにも逞しい。天燈鬼、龍燈鬼立像のユーモラスな感じにも目を見張る。

 旧食堂のご本尊である千手観音菩薩立像は525㎝の高さで館の中央におられる。板彫十二神将像はレリーフになっていて、どれもこれもユーモラスでバラエティに富んだ姿だ。十大弟子立像は6体しか現存しないが、どれも穏やかなお顔である。

 そして、いよいよ八部衆立像とのご対面。3つの顔、6本の腕を持つ阿修羅は、繊細で内面的な少年の姿。懺悔の表情を浮かべているとのことだが、思わずその美しさに見入ってしまった。そして迦楼羅はガルダだ!と気づいて思わず鷲のポーズをしそうになった。

 ということで大満足の興福寺参拝。三重塔や北円堂や南円堂は内部に入れず、写真撮影のみ。夫は今日のうちに東大寺も春日大社も行こうなんて無謀なことを言っていたけれど、興福寺を2時間近く歩いただけでがっくり疲れ、ホテルに戻ってチェックインした。

 お茶をしておやつを頂いたら、夫はすっかり草臥れたようで気持ちよさそうにお昼寝中。私は母にご機嫌伺いのMeet通話を終えてから(母もお不動様にお参りに行ったそうだ。)ブログの下書きをした。

 ほどなくして息子が無事合流して、夕食に繰り出した。ならまち方面でお豆腐を頂ける和食処を目指したが、あいにく予約で一杯。もう1件のちょっと店構えが立派過ぎてどうかな、と思ったところに入ったら、これが大当たりだった。建屋は230年前に両替商として建てられたそう。奥庭側のお座敷はお武家様との面談に使われたという。その中庭の見える席に案内されたが、ほぼ貸し切り状態で、ゆっくりと食事を楽しむことが出来た。2人は大吟醸のお酒で乾杯。名物のお弁当は五画形の器に入り、色とりどり。珍しい蘇まで味わうことが出来、私も完食出来て大満足だった。

 というわけで、みんなご機嫌でホテルに戻り、ホテルのラウンジでお茶をしてから部屋に戻ってきた。これから高校のオンライン交流会に参加の予定である。
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