ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2014.4.1 桜満開、笑顔満開の入学式・・・闘い済んで帰京して

2014-04-01 23:13:24 | 
 昨夜は疲労困憊に加え、酷い頭痛のため、このままでは明日具合が悪くなっても何の不思議もない、と思いながらベッドに入った。気付けば、本当に久しぶりに6時間連続で熟睡することが出来た。夫の鼾も知らずに、目覚ましが鳴る小一時間前にすっきりと目覚めた。7時のニュースが始まる前に浴槽足湯。良く眠れたせいか、浴槽足湯で温まったらまたシャキッとする。
 あらあらの荷物整理をして、今日は和定食の朝食をセレクト。おかゆや色とりどりの上品な味付けのおかずが胃に優しく染み渡る。メニュー表示を見ると、昨日まで5%だった消費税がしっかり8%に変わっていた。

 部屋に戻って式典用の正装に着替えていると、夫が「大失敗だ・・・」と言う。なんとスーツ用の白いワイシャツを忘れてきたというのだ。ああ、忘れ物大王ここにあり。慌ててホテルの地下アーケードに買いに走ったが「なかった・・・」とがっくり項垂れて帰ってきた。けれど、紺のスーツにチェック柄のネルシャツを着るわけにもいくまい。
 ふと、息子にクリーニングしたての白のボタンダウンシャツを持ってきたことを思い出し、それを着るしかないと言って、チェックアウト。タクシーで学生会館へ移動した。

 息子は今朝から食事が提供されていて、LINEで写真が送られてきた。さすがに緊張しているのか、目覚ましが鳴る前に起きたようで、私達がタクシーに乗り込んだと連絡すると、今からスーツに着替える、とのこと。順調に車は流れ、予定通りの時間に到着する。
 夫は、息子のクローゼットから出した白いシャツに着替え、いざ、入学式へ出発。大通りに出るとスムーズにタクシーが拾えて、大学へ移動する。
 とても良いお天気で暖かい。道中、満開の桜の木があちこちに。本当に旅立ちに相応しい佳き日になったと思う。

 予定時間より若干早く大学に到着。入学式の看板やキャンパスマップがあちこちに。早速記念写真を撮る。着慣れないスーツと履き慣れない新しい革靴、持ち慣れない大きなビジネスバックを携えて、なんとなくギクシャクして歩いている息子の姿がやけに初々しい。どの新入生も似たりよったりか。スーツのしつけ糸が付いたままの学生さんもいたようだ。
 夫と私と交替で、息子とツーショットの写真を撮っていたら、傍にいた女性が「3人でお撮りしましょう。」と時計台をバックに撮ってくださった。唯一の3人揃っての大学での写真となった。

 息子達新入生は体育館で入学式、私達保護者は別の会場で映像中継の入学式参列となる。僅か10日前に下見に訪れた時は、雪や霙が舞っていた。寒さで首をすくめて歩いた構内では、沢山の桜の木がここぞとばかりに咲き誇っている。あれもこれも皆、桜の木だったのだ、と改めて驚く。入学式終了後の待ち合わせ場所を決め、体育館入場の列に彼が並んだのを見届けてから、私達夫婦も会場へと移動。スプリングコートが要らないほど暖かだ。青空に淡いピンクの綿菓子のような満開の桜が美しい。あちこちで、新入生や付添の方たちが、桜とともに写真撮影に勤しんでいる。

 定刻通り入学式が開始。スクリーンに映し出された会場では、檀上に幹部教員たちが並ぶ。そして、緊張した面持ちの新入生の姿が壮観だ。開式の辞に引き続き、男性合唱団によるアカペラの校歌斉唱。登壇者紹介があった後、学長の式辞。新入生代表の挨拶は、国際関係を専攻するハーフの女学生による英語のスピーチだった。
 一旦式が閉じられ、今度は舞台所狭しと応援団による歓迎セレモニーが始まった。チアリーダーのチームによる新入生応援スペシャルバージョン。流れるように繰り広げられる応援ステージには、映像だというのに圧倒されてしまった。
 小一時間の式典が終了し、息子との合流予定地点である生協食堂の前へ移動する。途中、大学のオリジナルグッズ販売のテントが出ており、保護者達が競って買っている。とても近づけず、そうだ!・・・と思って生協本部の購買に行ってみると、こちらは比較的空いていて楽勝で買うことが出来た。やはり下見をしておいて良かったな、とほくそ笑む。
 
 息子と無事合流出来、大混雑した生協食堂でなんとか3人揃って食事を摂ることが出来た。息子は電子マネーのミールカードを早速利用。同じ大学生協でも、私の勤務する大学とは若干メニューもシステムも違っており、それもまた面白い。留学生も多く、インターナショナルな雰囲気だ。
 
 息子は午後から学部歓迎企画、書類交付等で夕方まで拘束される。私達はここで息子と別れ、散策しながら帰途へ。去ってゆく息子の後ろ姿に「頑張れ!」と小さくつぶやく。

 大学近くにある神社は、江戸時代からの桜の名所とのこと。平安遷都の際に、奈良から遷祀され天皇が行幸した格式高い神社だという。現在の社殿は寛永年間に建造されてもので、比翼春日造という珍しい様式だそうだ。境内には50種、400本の桜があるという。
 平日だというのに沢山の人出。露店が出て、すっかりお花見気分だ。思えばこちらに来て、桜をゆっくり愛でたのは初めてだ。朱塗りの鳥居を背にピンクの綿菓子がポワンポワンと膨らんでいるように見える。
 息子の4年間の無事を祈り、交通安全のサクラのシールを夫と息子に色違いで頂く。自転車に貼ってもらおう。

 新幹線の発車時間まであと2時間ほど。夫と息子が6年前にこの地を訪れた時に、桜の時期はどれほど綺麗だろうと思ったという桜のトンネルを抜ける路面電車に乗ってみる。通り過ぎてみればほんの短い間だったが、本当に綺麗。息子はおそらく自分が乗りながら写真を撮るのではなく、桜のトンネルを走り抜ける路面電車を撮影しに来たいのではないかな。
 それにしても、落ち着いて外の景色を見ることなどこの3日間殆ど皆無だった。ふと見まわすだけで、どこもかしこも桜や木蓮等の花で溢れている。春爛漫の古都の街である。

 タクシーでホテルまで戻り、荷物をピックアップして態勢を立て直し、駅へ。予定の新幹線に乗り込む。
 これまで、新幹線に乗る時はずっと3人掛けだったから富士山側には座ったことがなかったのだが、今日は2人席。さすがに火曜日ということで空席もあちこちにある。2時間で病院最寄の新幹線停車駅に到着。疲れ果てて本を開く元気もない。
 夕食を摂ると帰宅が遅くなるし、洗濯する時間も押せ々々になってしまうということで、駅弁を購入してそのままJRに乗り換える。切符を精算して端数を言われ、ああ、本当に今日から8%になったのだ、と納得する。
 タクシーの初乗りも20円の値上げだ。

 明日は通常通り出勤。3日仕事をしたらまた週末1泊2日で三度目の京都入りだ。それが済めば今度はゴールデンウィークまで少し間が空く。
 息子は、今週は土曜日まで各種オリエンテーション。授業開始は来週月曜日からになる。
 
 自己満足かもしれないけれど、本当にやれることは全てやった、と思う。夫も私も本当に良く頑張った、とも思う。
 あとは息子本人次第。一日も早く新しい環境に慣れて、充実した4年間を過ごしてほしいと切に願っている。
コメント (4)
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