ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2012.2.7 驚きのがんワクチン治療最前線

2012-02-07 22:10:40 | 日記
 今日は一日雨の予報だったが、夕方には青空が見え隠れしていた。予想最高気温は17度と聞いていたが、それほど暖かくはなかったように感じた。
 職場では第二次入学試験の準備で、終日受験票等の発送作業に追われた。ひたすら封入マシーンと化してベルトコンベアの流れ作業、女工哀史の世界。1万近い封筒を人海戦術で処理した後は、眼はショボショボ、肩はバキバキになった。
 年を追うにつれて受験生と息子との歳の差がなくなってくる。この職場に異動してきた時は、首も座っていなかった赤ちゃんだった彼が、再来年は大学受験生か・・・と思うと、何とも不思議な気持ちだ。

 さて、昨日、NHKの朝の番組で標題の“がんワクチン”を特集していた。
 私は出勤していて当然リアルタイムでは見られなかったのだが、おりしも夫が風邪で休んでおり、録画をしておいてくれた。おかげで私も殆ど全て見ることが出来た。

 すい臓がんで、もはや治療法がないと言われたものの、肝臓に転移した腫瘍が消え、家族旅行を楽しめるまでに回復した30代の主婦。小細胞肺がんで余命2か月と言われ、抗がん剤治療を始めたものの副作用で投与を止めざるをえず絶望の淵を彷徨ったが、症状が改善した40代の男性など、がんワクチン治療の体験者を紹介していた。
 それぞれもう治療法がない、余命数カ月と言われた人たちが、『ペプチド』と言われる、タンパク質の断片が大量に入っているワクチンを投与することにより普通の生活が出来るようになっている影像には、驚くとともにとても希望が持てた。何より副作用がなく、延命効果が認められる、というのが魅力だ。
 もちろん、今は臨床試験の段階だから、あくまでも標準治療が優先される。抗がん剤、放射線などの治療法がなくなった人たちだけが受けられる治療法だ。だが、これから有効性が確立されれば、標準治療になる日が来るかもしれない。

 こういう番組は、出演していた医師も言っていたように“うまくいったケースばかりがクローズアップ”される。冷静に考えれば、同じように治療をしても効果が出ずに亡くなる患者さんも数多くいらっしゃるわけだ。
 そして、治療が受けられるかどうかは、何より臨床研究に参加するためのいろいろな前提条件が合うかどうかにもよる。
 あなたにはもう治療法がない・・・と言われた後、この治療を受けることが出来、さらには普通の生活を取り戻すことが出来る人はそう多くはないのだろうし、とてもラッキーなのだと思う。そして、それもまたその人の運命なのかもしれない、と少しだけ冷静に見ることが出来た。

 もちろん、誰しも「もう治療法がない」と言われれば、藁にもすがる思いで治療を希望するのだろうけれど。
 受けられるかどうか、効くかどうか、これまた神のみぞ知る、だろう。かくいう私はまだ未使用の抗がん剤が複数残っている、つまりは切羽詰まった状態ではないからこそ、こんなふうに落ち着いて見ていられるのかもしれない。
 とにかく今後の医療の進歩には期待してよいのではないか。しぶとく粘らなければ、と思う。

 昨夜、友人からこの番組に関するメールが届いていた。ご本人は見なかったけれど、HPを見たら結構詳しく載っていましたよ、という情報提供。こんなふうに気にかけてくれる友がいることがしみじみ嬉しい。

コメント (2)
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