生き生き箕面通信

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生き生き箕面通信644 ・深まらない安保論議――ジャーナリズム劣化の証左

2010-09-10 06:30:45 | 日記
おはようございます。村木厚子・厚労省元局長への判決が本日出ますが、「無罪」の場合、新聞は「検察の犯罪」に対してどの程度きちんと批判できるかが、この国のジャーナリズムのレベルを示す尺度となります。
生き生き箕面通信644(100910)をお届けします。

・深まらない安保論議――ジャーナリズム劣化の証左

 民主党代表選も終盤にさしかかってきましたが、この国の安全保障に対する論議はいまだにゆらゆらしたままです。

 本日の朝刊から安保関連の記事を拾うと、読売は「小沢氏の『海兵隊論』波紋 外相『発言には誤解がある』」(4面)と、小沢氏の「米海兵隊の沖縄駐留は必要なくなる」とする発言が、波紋を広げていると伝えています。

 その内容は、「小沢氏は必要なくなるといっているが、その根拠はあいまい」と決めつけています。そのうえで、続けて「実際、在沖海兵隊の一部はイラクやアフガニスタンなどにはけんされているが、外務、防衛当局は『現状でも役万人の海兵隊が沖縄に入る』としている」と、外務、防衛の官僚の言葉を引用して小沢発言を明らかに否定する記事に仕立てています。

 小沢氏は、「今後、海兵隊は前線には要らなくなると、米国自身がいっている」と発言したわけですが、その米国側のデータについては無視して、つまり小沢発言を無理に曲解して否定してみせる卑劣な記事の作り方です。

 朝日は、「普天間占う三つの民意」と「沖縄議員、小沢氏へ 普天間決着に期待、支持集中」と、2本の記事をいずれも4面に掲載。前者では名護市議選、民主代表選、沖縄知事選の三つの選挙が、普天間問題の行方を左右すると報じています。後者では、民主党執行部の意向に反して、地元沖縄の議員は「辺野古反対、小沢支持」が明確だとしています。読売に比べれば、まだましですが、表面の現象をなでているだけにすぎません。

 もし、名護の市長選で「基地反対派」が多数を占め、民主党代表選で小沢氏が勝利し、沖縄県知事選で「沖縄に基地は造らせない」と明確にしている伊波洋一氏(現宜野湾市長)が当選すれば、辺野古は白紙に戻さざるを得ません。

 その影響は、日米関係の再構築へ進まざるを得ないほどのインパクトもっています。日本本土は対米隷従の情けない状態ですが、沖縄は新しい日本を創る出発点の熱を秘めています。ジャーナリズムはもっと議論を深める努力をすべきです。安逸の夢をむさぼっているようなわたしたち本土の人間は恥ずかしい。


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