生き生き箕面通信

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1781 ・「和食」は世界無形文化遺産に登録されますが、実は「絶滅危惧種?」

2013-11-07 07:16:45 | 日記

おはようございます。
生き生き箕面通信1781(131107)をお届けします。

・「和食」は世界無形文化遺産に登録されますが、実は「絶滅危惧種?」

 「和食」って、何でしょう。京都の高級料亭での会席料理でしょうか。ユネスコの世界無形文化遺産に来月、正式に登録されることになった「和食」は、一汁三菜に代表される普通の家庭料理による食文化だそうです。

 昨日11月6日にNHKのクローズアップ現代で放映されたのは、「和食が世界の遺産に! どう守る日本の心」がタイトルでした。

 世界遺産登録をめざそうと動き出したとき、和食とは料亭などで出される高級懐石料理を想定していたそうです。ところが、同じく世界遺産をめざしていた韓国の豪華な宮廷料理が「見送り」となり、大きな衝撃を受けた。それが改めて、「和食とは何ぞや」を考えるきっかけになった。

 そしてたどりついた結論は、昔から続いてきたちゃぶ台の周りに家族が集まり、家庭のだんらんの中でいただく「一汁三菜」の食文化。

 しかし、その一汁三菜は今や「絶滅危惧種」といわれるほど失われてしまった。毎日の朝餉(あさげ)に、みそ汁を食するという食文化はすたれてしまった。東京をはじめいわゆる都会ではばをきかすのが、欧米流のパン食文化。

 日本は経済を発展させる過程で、伝統的な優れたものをいともあっさりと捨て去ってきました。そのいいものを捨て去り崩壊させる過程を、警鐘を鳴らしつつなんとか守ろうとしてきた一人に、アメリカ人のアレックス・カーさん(61)がいます。

 朝日新聞の夕刊企画「人生の贈りもの」に5回連載(10月28日~11月1日)で登場したカーさんは、エール大学で日本学を、オックスフォード大学で中国学を学んだあと来日、40年前に徳島県の山奥、祖谷(いや)の古民家を買い取って、日本の「古き良きもの」に囲まれる生活を始めました。

 しかし、日本の「古き良きもの」は無残にも捨て去られていく。警鐘を鳴らす書、「美しき日本の残像」(新潮学芸賞受賞)、そして日本の美を壊す公共工事への怒りから、続編にあたる「犬と鬼」も出版しました。

 「犬と鬼」は、中国の哲学書「韓非子」に描かれた話から取ったもので、身の周りにある「犬」にあたるのが日本の古き良き伝統であり、鬼は奇怪なコンクリート建造物などに例えています。カ―さんは、「身近な自然を守るのはむずかしく、巨費をつぎ込んだ派手なホールをつくるのは簡単という気持ちをこめました」と、連載4回目で言っています。

 その4回目は、「愛しているなら、怒らなくては」がタイトルで、カーさんは胸にたぎる怒りをエネルギーにして、「日本の美しい『残像』を未来へ」(5回目タイトル)という活動を続けています。京都での古民家再生プロジェクトをビジネスにして時代に伝えていこうとしているのです。

 和食も絶滅危惧種、それどころか日本の「古き良き伝統」そのものが絶滅危惧の崖っぷちに立っています。アメリカ流の市場原理主義にことごとく破壊されようとしています。「日本人」という民族そのもののよって立つ基盤が崩されつつあります。最近の具体例は、グローバリズムを推進するTPP(環太平洋経済連携協定)などが、その代表です。

 私たちは、「仕方がないよ」と流されるのか、踏みとどまって「怒り」を行動に移すのか。そして、どう守る日本の心――。

 


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