生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信521 ・日本は「アメリカの核の傘」から出ることを検討できるでしょうか

2010-05-06 06:51:21 | 日記
お早うございます。信頼が失墜していた高速増殖炉「もんじゅ」が今日、14年ぶりに運転を再開します。
生き生き箕面通信521(100506)をお届けします。

・日本は「アメリカの核の傘」から出ることを検討できるでしょうか
 今回5年ぶりのNPT再検討会議の焦点は、「核廃絶へ向けての最終文書」を採択できるかどうかです。今年は「核廃絶へ具体的に一歩を踏み出すチャンスの年」です。

 しかし、会議ではイランの演説の途中で欧米の代表が「不快感から」席を立つ姿が見られ、対立が先鋭化しています。イランの演説は「核保有国は既得権として核をそのまま持ち続け、これからの国は全て核開発をさせないというのは、不公平だ。核の独占を固定化するものだ」としています。ぼくも、核保有国の核独占には反対です。

 日本は、最終文書取りまとめに懸命の努力をし、そうした過程で日本の存在感を示してほしいと願っています。こうしたNPT再検討会議のような場でこそ、「唯一の被爆国」としての役割があるはずです。ところが、一向に日本の存在感は見えません。日本のメディアも、会議の模様をフォローする報道をサボっています。

 日本は再検討会議の冒頭、鳩山首相のメッセージを福山哲郎外務副大臣が代読し、「核軍縮、核不拡散、原子力の平和利用の各分野で、具体的措置の合意達成に向けた努力」を加盟国へ訴えました。しかし、これと言った反響はありませんでした。日本国内ですら、大して注目されることはなかった。

 日本人はこれまで、「私たち日本人は『国際社会のために』何ができるのか」という問いを自らに課すことはほとんどありませんでした。ただ「唯一の被爆国」をふりかざすだけで、世界の理解は得られると独りよがりに思い込んできたのではないでしょうか。

 「日本辺境論」を書いた内田樹さんは「国際社会のために何ができるのか、という問いを自らに向け、国民的合意を形成し、かつ充分に国際共通性を持つ言葉で命題を語るための知的訓練を日本人は自分に課したことがない」と指摘しています。

 さらに「私たちは現にアメリカの『核の傘』の下で軍事的安全を享受しています。政府は核拡散に反対しても、アメリカが核を保持することに反対したことはない」「第二次世界大戦末期に日本が原爆を開発していたら、大本営はサンフランシスコなどに落すことをためらわなかっただろうし、当時の日本国民はそれを歓呼の声で迎えたであろう」(81ページ)と書いています。

 「被害事実だけではなく、あるべき世界についてのヴィジョンが必要です。自分の経験を素材にして、自分の言葉で編み上げた、自前の世界戦略が必要です」とも指摘しています。

 私たちは「アメリカの『核の傘』から出る」ことを真剣に検討できるでしょうか。







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