生き生き箕面通信

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1622 ・「総がかりで中国に反論せよ」と、戦闘モードの読売新聞

2013-06-01 07:31:06 | 日記

おはようございます。                                                                 生き生き箕面通信1622(130601)をお届けします。

・「総がかりで中国に反論せよ」と、戦闘モードの読売新聞

 「日本政府は在外公館を総動員するのは無論、国際会議などあらゆる機会を利用して、日本の立場を積極的に発信すべきである」と、読売新聞の本日6月1日の社説は強調しています。

 習近平政権ナンバー2の李克強首相が5月26日にドイツのポツダムで演説し、「日本が盗み取った中国の領土は返還されなければならない」と強調したことに対して、読売新聞はようやく本日の社説で見解を出してきました。その内容は、見出しが端的に表しており、「歴史を無視した言いがかりだ」というものです。

 読売は、「中国の王毅外相が『常識外れの話をしてはならない』と菅長官に反撃したのは問題だ。常軌を逸しているのは中国の方である」と、言い返しました。相手の言葉にただ感情的に反応しているかのように見えます。

 そこには歴史を前向きに進めようとする知恵もなければ、相手と冷静に話し合うべきだという提案もありません。これが全国紙の一角を占める読売新聞のレベルです。

 読売は、菅官房長官が「あまりにも歴史を無視した発言」と中国を非難したのは当然であると、まず安倍政権の論法を支持。さらに、「そもそもカイロ、ポツダム両宣言は、尖閣に言及していない。戦後の領土確定に最終的な法的効果があるわけではない」と、政府見解をそっくり繰り返しています。

 先の大戦終結にあたってまず取り決められたカイロ宣言では、日本については「満州、台湾および澎湖島のごとき日本国が清国人より盗取したる一切の地域を中華民国に返還すること」と明記しています。

 これを踏まえたポツダム宣言では、「『カイロ宣言』の条項は履行せらるべく、また日本国の主権は本州、北海道、九州および四国ならびに吾らの決定する諸小島に極限せらるべし」と規定しています。

 これに対し読売は、「第2次大戦後の日本の領土を法的に確定したサンフランシスコ講和条約に尖閣への言及はない。日本が当時承認していた『中華民国』(台湾)は日華平和条約の交渉過程で尖閣を持ち出さなかった」と、政府と同じサンフランシスコ条約を論拠に、「尖閣は日本の領土」と、主張しています。

 政府見解を繰り返す政府広報紙なら、ジャーナリズムの見解として耳を傾ける有用性はありません。読売はその意味で、自らジャーナリズムの使命を放棄し、政府の翼賛広報紙に成り下がっているのです。

 それに、サンフランシスコ講和条約に関して言えば、4日前のこの箕面通信1618号でも触れました通り、中国はこの講和条約に入っていないのですから、押し付けるわけにいきません。いずれにしても、中国と話し合わないわけにはいかない問題です。

 にもかかわらず、ジャーナリズムの一角を占めるはずの論説が、「言いがかりだ」と、まるで床屋談義のくまさんかと見まごう談論風発です。ヤンヤと手を叩きながら、涙がこぼれる情けなさです。

 領土問題でヒートアップしてもろくなことにならないことは、いくつもの歴史的事実が明らかにしています。私たちは、読売新聞のくまさん論説などに惑わされず、次の選挙では冷静に対処する代表を選ぶようにしましょう。

 


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