いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

(無題)

2012年04月04日 19時32分50秒 | その他


製薬業界就職事情;

おいらは以前報告した。ポスドクの製薬会社への採用率は1%以下である、と。

そんな中、公式インタビューがあった。これはアステラス製薬の人事担当官が答えたもの。採用する博士は、1)35歳前、それより年よりは採らない、2)入ってすぐ会社カルチャーになじまない人は採らない、3)今は200人の応募に1人の割合の採用率、だそうだ。情報元は独立行政法人・産業技術総合研究所 能力開発部門 人材開発企画室が税金を使って作った報告書「現場連動型(OJT型)育成プログラム 検討委員会 報告書 博士の活かし方 博士は21世紀の人財鉱脈 」より(pdf重い!注意)。 (アステラス製薬の人事担当者インタビューあり) 出典: 愚記事

一方、こんなブログがあった。

博士課程女子、就職活動をしてみた。
この不況の最中、博士課程まで進学してしまった無謀な女子の就職活動日記。

実況中継で面白い。 極めて、有益。

博士の就職難が叫ばれて久しいが、実際はどうなのだろうか。
同級生(私以外全員男、6人)は、私も含め、皆、3月時点で製薬研究職の内々定を1つ以上とっていた。
そのため、大変ではあったが、言われたほどでなかった、というのが私の感想である。
とくに近年、中堅~大手製薬は、新卒採用の半数近くを博士卒で採るところが増えているらしい(5社の人事に聞いたところ)。
論文博士をとりづらくなったことも関係していると思われる。

おもしろい理由は、本人の認識状況が描かれていること。

でも、愚ブログの悪いくせ。難癖つけてみた;

そして、ひが目から見れば、客観的に見て、「うーん」っていう部分が、いとおかし。

たとえば;

そして、ここで初めて、私は外資系企業が受けられないことを知った。
外資系製薬企業は国内に研究所を持たないのである。まあ、たしかに、日本のような小さな国、しかも英語を話さない国に研究所をわざわざ作る必要はあまりないかもしれない。

こんなこと知らないで、製薬・博士・就職、とか、びっくり。 4年前の話さ;外資系製薬会社が日本の研究拠点閉鎖

さらに、これも「時代遅れ」;

なぜ彼氏と相談したかというと、製薬の研究所は、ほぼ100%、田舎にあるからである。

某筑波山麓製薬研究所はその研究所を縮小(閉鎖)へ! 替わりは神奈川県に新規設立。理由は、「研究所が田舎にあっては"優秀"な人材が集められない」! と、おいらは聞いている。旧田辺だって、神奈川に来てるし。

■さて、問題は「博士課程女子、就職活動をしてみた」の"くすり作り猫"嬢がどこの大学でるか?ということだ。

大変ではあったが、言われたほどでなかった、というのが私の感想、って。

よっぽどの「銘柄」大学なのではないかと、存ずる。

▼一方;

もっとも、ただ、1つ上、2つ上の代は、無い内定が多く、ポスドクになるものが多かった、とも言っている。

つまりは、ポスドク=就職しそこなった者ども、という認識。

そういう者どもが、最上記にあるように、200人にひとりという採用になる。

そういう認識だと、すじが通る。 すなわち、ポスドク=就職しそこなった者ども。

博士も新卒に限る、ということか。

ある大手メーカーの幹部は「博士でさえ敬遠する企業は多い。まして、最初に就職できなかったポスドクとなると『できない博士』とレッテルを貼る人は多い」と打ち明ける。 元村有希子 毎日新聞科学環境部 記者 「大学院重点化は一体なんだったのか

今のご時世、こういうポスドク認識なのか。 (ってか、知ってたよ)

でも、フリーターとポスドクってカタカナという語感で、フリーター=ポスドクと無意識にでも思い込んでいる人びとは意外に多い、とおいらはこの12年間感じ続けてきた。