alternativeway

パリ、カフェ、子育て、サードプレイス、
新たな時代を感じるものなどに関して
徒然なるままに自分の想いを綴っています。

カフェセラピー

2009年12月04日 | サードプレイスとしてのカフェ
 今日新聞をちらりと見てたら
私の好きな「人生案内」という読者からの
人生相談のコーナーに「引っ越し鬱」というのが載っていた。
相談をしている人は新居を建ててみたものの
前に住んでいたマンションに戻りたくって仕方がなくて
家事も手につかなくなってしまって 片付けが得意というのに
家の中も散らかり放題で毎日後悔しているらしい。

 それをみてこれだ!と思った
私も引っ越し鬱だったんだ、、、


 ということは 産後鬱に引っ越し鬱が加わって
相当ひどい状況で生きていたということで
こんな大変な産後の人もなかなかきっといないだろうから
(それに本を出した疲れもあったし 産まれた直後から
宣伝活動もしないといけなかった)
私のブログをを読んでた人が「まあ子育てって
そんなに大変なの!!」と思って産んでみると
多分そこまでしんどいわけではないのだろう
(現に私ほど身体がしんどそうだった人には
なかなかお目にかからない)


 そんな私が今は元気で 毎日笑って
れんちゃんと歌って散歩して 
楽しく幸せに生きているのは 一つ大きな理由としては
洛西で行けるカフェを見つけたことにあるのだろう



 私は前から カウンセリングに行くのだったら
カフェに行った方がいいんじゃないかと持論を展開してたのだけど
ここでちょっと書いてみると
私もパリで精神科に通っていたけど
もちろんそこでの経験は とても大事なものだけど
カウンセリングで深い内面をじいっとみつめて
みつめていっても 暴きだされた自分の過去や
自分の暗い思い出は どうしても暗くって
それを意識したって 暗くって なかなか明るくはなれはしない。

 それでもって 消えない過去の出来事を蒸し返し
誰かをせめてしまったり 自分でしんどくなっていたりで
結局それをわかってくれる唯一の人 つまり先生に
精神的に相当たよってしまうから それが危ない
そんなことは 先生たちはよーく知っているのだろう

 だからおそらく カウンセリングに高い対価を
払わせる事で 関係性を少しは対等なものにして
そこだけの世界にとどめようとするのだろうと思うけど
思い返してもあれはこわいし 結局私は帰国してから
過去のことを思い出しては両親を責めてしまって
母を泣かせてしまった事もある。


 だけどそれが何だったかって 結局何にもならなくて
だって過去はかえってこないし やりなおせない
だけど未来は変えてける そのために は
違う関係性が必要で 誰かと関係を結ぶこと
現実に存在している 自分にとっての第三者が
人生にたちあらわれていくとが
本当はとても大事だろう


 そんな時 カフェがあったら
そこに店主がいてくれたなら
ちょっとお金を払うだけ で(カウンセリングの20分の1くらい)
自分の居場所を与えてくれて
”you have a right to be here"といってくれる
何もしなくても ただいるだけで 存在を承認してくれる
そんな場所がカフェであり
そこで店主か誰かと話すこと で それがカウンセリングに
つながっていく 深刻な内容なんて話さなくっても
天気の話をするだけで 深刻な話をしたとき
返事が気のないものであっても 
そこで出会った誰かと会話をするだけで
ベクトルがどこか違う方向に向いていく。


 東大の中原先生は カフェに興味を持った理由で
企業の人がイノベーションを起こそうと思っていても
企業内でだけ話をしているとどんどんインに入ってしまうと
言っていた。そこで社外での行為というのに目をつけてみたんだろうだ。
閉じている関係性で 話を深くしようとしても
ベクトルは深く ちょっと暗く 内省的になるかもだけど
第三者が関わったなら その人が自分の存在を認めてくれて
自分がただそこにいるだけで 喜んでくれるのならば
それだけで人は元気になって なんだかやる気がでてしまう。
(『0から考える経済学』によれば、人は誰かに
気にかけてもらえると能力を発揮しやすくなるらしい
「ケアすることと思いやること」を大事にすることで
会社の業績も伸びるんだそうな)


 そうするうちに 悩みに向かっていたベクトルが
楽しい会話をすることや 自分を活かして
誰かに貢献していくことに 少し変わって
そのとき誰かに「ありがとう」と そう言われれば
それだけで「ああ 私 生きててよかったんだ」と思う。


 結局のところ 鬱というのは 自分の存在意義が
見いだせなくなってしまうとか identetyが崩壊するとか
自分の核が大きくゆらいでしまったときに起こるものだとするのなら
自分が自分になれること 自分が自分であることで
だれかに認めてもらえるだけで だいぶよくなる そんな気がする
「あなたはあなたのままでいいんだよ 
あなたはもうがんばってるよ もうがんばらなくてもいいんだよ
そんなに無理しなくてもねえ あなたのこと好きな人はいるんだよ」
自分が何かになろうとしても 自分と違う何かに懸命になろうとしても
やっぱりなれない そんな時に 人は鬱になるのかも
何者か じゃなくっても そこにいる権利があって
あたたかく見守ってくれる場所があるのなら
それだけで癒えていくのかも


 ほんとかよーと思った方は カウンセリングに行く前に
その分のお金を費やしてみて 自分に合うカフェを
なんとかみつけて ちょっと通ってみてください
一回のお金で20回くらいカフェにいけるとするのなら
その方が効果があるような 私はそう思います


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